5号館を出て

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春の恵迪の森で草花そして木ウォッチング

 明後日に予定されている新2年生のフィールド実習の下見に、北キャンパスまでおよそ1km歩いて「恵迪の森」へ出かけました。

 あいにく時折小雨がばらつく天気でしたが、久しぶりにスタッフとTAで楽しい散策にもなりました。もちろん、このあたりの植物は保護されています。


 野草観察のタイミングはとても難しいもので、いろいろなものを見ようと思ったら数週間通うのが良いのですが、学生実習ということだとどうしても一発勝負になってしまうので、その一発勝負を成功させるべく我々が下見をして、レポートのまとめ方を想定しておくというのが下見の大きな目的です。

 さすがに豊富な植物が保全されているこの地域は、一回の観察でかなりいろいろな植物のいい姿に出会うことができます。

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 すでに時期が過ぎてしまって、もうないだろうと思っていた北海道の春の代表であるエゾエンゴサクはまだ残っていました。

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 エゾエンゴサクと同時に爆発的に咲いて消えてしまう「スプリング・エフェメラル」の代表であるキバナノアマナはさすがに見つかりませんでした。

 エゾエンゴサクはケシ科ですが毒はないのですが、同じケシ科のクサノオウは結構な毒があるので、注意が必要です。

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 素人療法に使ってはいけませんが、薬としてはかなり重宝されたもののようです。ここには結構たくさんあります。

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 ケシ科ではありませんが、薬草として使われてきた同じくスプリング・エフェメラルのニリンソウの群落もまだ残っていました。

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 北大のシンボルであるオオバナノエンレイソウも最盛期を過ぎていたようですが、まだまだ頑張って群落もできていました。

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 セリ科のシャクやヤブニンジンも可憐な花を咲かせています。こちらはヤブニンジン。

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 そしてこちらがシャクの花です。

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 見上げると樹木の花もいろいろ咲いているのですが、これはまた目立たないツリバナです。

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 秋には真っ赤な実がぶら下がってイヤでも目立ちます。そして、北海道の木としては、プロ野球のバットを作る材料として有名なヤチダモが、意外ときれいな花を咲かせていました。

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 移入種でありながら札幌の代表的な木になってしまったニセアカシア(アカシア、ロビニア)はまだ冬眠から完全には目覚めていない感じでスカスカです。

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 しかし、ひとたびこのニセアカシアが花を咲かせ始めると、北大だけではなく札幌中が甘い香りで包まれ、ハチミツの原料としても優秀ということで本州から養蜂家が移動してきて、いよいよ北海道にも夏が訪れるのです。

 アカシアが終わると大通りビアガーデン。札幌の夏が全開になります(ちょっと気が早いか^^;)。
by stochinai | 2014-05-21 20:15 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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