2005年 07月 19日
文科省は正々堂々として欲しい
トヨタ、JR東海、中部電力が出資する全寮制の男子中高一貫校「海陽中等教育学校」(海陽学園)が来春、愛知県蒲郡市に開校の運びになっているようですが、その開校に当たって文科省が怪しげな動きをしたと報道されています。毎日新聞によれば、学園に出資するJR東海に文部科学省が現職キャリア官僚を「社員教育制度の現状把握と指導」という名目で1年間派遣しながら、実際には学園の開校準備の実務に当たらせていたというものです。
新しい野心的な学校を開設するに当たって文科省が手を貸すということに、私は特に反対ではありません。ただし、国民の税金を使っているのですから、他の学校からも同様の依頼があったら応じるように努力して欲しいと思います。今回のことで問題があるとすれば、JR東海が文科省に社員研修を進めるために人材の派遣を要請するという不自然さと、実際にはJR東海ではなく学園開設のために働いてもらっていたということだと思います。
なんでコソコソとやらなければならなかったのでしょうか。
学園創設にもっとも熱心なのはJR東海の会長だそうで、彼は「ゆとり教育は迷走している。社会や国家への自己犠牲、奉仕の精神を備えるリーダーを育てたい」と文科省のゆとり教育を批判して、この海陽学園で日本のリーダーとなるエリートを育てたいという主張をしているようです。
官僚派遣を後押ししたのは、当時の文科省事務次官で、その人とJR東海の会長が「趣味の謡(うたい)(謡曲)仲間」という関係でこの一件が進んだのだとしたら、それもまた国民の税金の使い方としてはいかがなものかと思います。
もしも、これが文科省の中における幹部の公私混同ということならば、それを罰すればすむことかもしれませんが、この学校創設のために文科省職員を派遣したのが、公立学校にゆとり教育の完全実施を命じた同じ年というのは問題があるかもしれません。
文科省として、公立はゆとり教育をやるが、私立は詰め込みでも中高一貫でも自由に多様な教育をしなさい、それについては我々も協力を惜しまないと表裏なくやっていたのだったら、その時点で論争が巻き起こり良かったのにと悔やまれます。
この中高一貫校では、寮費を含めて年間の授業料が300万円とも言われていますので、誰でもが行けるというわけではありません。大企業がバックについているので、年間70万円から100万円の補助を受けることのできる人もいるということですが、それでも200万円から、230万円かかります。年収4・500万円の平均的家庭に出せる金額ではありませんし、そもそもたった120名しか入れません。
考えようによっては素晴らしい教育施設なのですから、本当の意味で日本の未来を担うエリートを貧富、コネ、地域などの差なく入れるように努力するのが文科省というものではないでしょうか。
今からでも遅くないと思います。この学校を日本の財産として、全面的にバックアップするとともに、広い人材に対して入学チャンスを公開していって欲しいと思います。
出資している大企業のお歴々にもどうぞそのようにして、お金儲けだけではなく日本の未来を背負って働いてくれる本当のエリートを育てていただくようにお願いいたします。
新しい野心的な学校を開設するに当たって文科省が手を貸すということに、私は特に反対ではありません。ただし、国民の税金を使っているのですから、他の学校からも同様の依頼があったら応じるように努力して欲しいと思います。今回のことで問題があるとすれば、JR東海が文科省に社員研修を進めるために人材の派遣を要請するという不自然さと、実際にはJR東海ではなく学園開設のために働いてもらっていたということだと思います。
なんでコソコソとやらなければならなかったのでしょうか。
学園創設にもっとも熱心なのはJR東海の会長だそうで、彼は「ゆとり教育は迷走している。社会や国家への自己犠牲、奉仕の精神を備えるリーダーを育てたい」と文科省のゆとり教育を批判して、この海陽学園で日本のリーダーとなるエリートを育てたいという主張をしているようです。
官僚派遣を後押ししたのは、当時の文科省事務次官で、その人とJR東海の会長が「趣味の謡(うたい)(謡曲)仲間」という関係でこの一件が進んだのだとしたら、それもまた国民の税金の使い方としてはいかがなものかと思います。
もしも、これが文科省の中における幹部の公私混同ということならば、それを罰すればすむことかもしれませんが、この学校創設のために文科省職員を派遣したのが、公立学校にゆとり教育の完全実施を命じた同じ年というのは問題があるかもしれません。
文科省として、公立はゆとり教育をやるが、私立は詰め込みでも中高一貫でも自由に多様な教育をしなさい、それについては我々も協力を惜しまないと表裏なくやっていたのだったら、その時点で論争が巻き起こり良かったのにと悔やまれます。
この中高一貫校では、寮費を含めて年間の授業料が300万円とも言われていますので、誰でもが行けるというわけではありません。大企業がバックについているので、年間70万円から100万円の補助を受けることのできる人もいるということですが、それでも200万円から、230万円かかります。年収4・500万円の平均的家庭に出せる金額ではありませんし、そもそもたった120名しか入れません。
考えようによっては素晴らしい教育施設なのですから、本当の意味で日本の未来を担うエリートを貧富、コネ、地域などの差なく入れるように努力するのが文科省というものではないでしょうか。
今からでも遅くないと思います。この学校を日本の財産として、全面的にバックアップするとともに、広い人材に対して入学チャンスを公開していって欲しいと思います。
出資している大企業のお歴々にもどうぞそのようにして、お金儲けだけではなく日本の未来を背負って働いてくれる本当のエリートを育てていただくようにお願いいたします。

TBありがとうございました。
この記事のことは、知りませんでした。
正直「う~ん」と悩みますね。これから日本の社会を変えようとした場合
民間レベルでどこまで勧められるか?国の力も得ながら、よりより新しい
学園をスタートさせるか、、、、、、。
文部科学省は、自分のことでなく、将来のこども、日本のことを考えて
適切な行動を取り、これからの教育に生かして欲しいですね。
この記事のことは、知りませんでした。
正直「う~ん」と悩みますね。これから日本の社会を変えようとした場合
民間レベルでどこまで勧められるか?国の力も得ながら、よりより新しい
学園をスタートさせるか、、、、、、。
文部科学省は、自分のことでなく、将来のこども、日本のことを考えて
適切な行動を取り、これからの教育に生かして欲しいですね。
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創立側にもいろんな思いの人がいるのだと思います。中には、銭の亡者もいるのでしょうが、きっと素晴らしい気持ちを持った人もいると信じます。
どんな運動でもそうなのでしょうが、そういう良い人を見つけてその人と協力していくことによって、全体を少しでも良い方向に向けることがサポーターの役割なのかもしれません。
なんでも反対してつぶしていても、悪くはならなくても良くもなりません。これだけ悪くなってしまった世の中なのですから、変えようという動きにはできるだけ逆らわずに利用していくというのは甘いでしょうか。
どんな運動でもそうなのでしょうが、そういう良い人を見つけてその人と協力していくことによって、全体を少しでも良い方向に向けることがサポーターの役割なのかもしれません。
なんでも反対してつぶしていても、悪くはならなくても良くもなりません。これだけ悪くなってしまった世の中なのですから、変えようという動きにはできるだけ逆らわずに利用していくというのは甘いでしょうか。

奥田さんたちの考えは旧制高校の復活ということなんでしょうが、多くの日本人はそういったノスタルジアを理解できないのでしょう。
旧制高校みたいな学校があっても良いと思います。その目論見がほんとうに素晴らしいものを生んでいるのかどうかについて、夏くらいにはレポートが欲しいですね。

エリート養成の中高一貫校を民間に作らせる意図の一つは
私立学校運営費補助金を出さないためではないでしょうか
私立学校で十分な設備を持ち、スタッフ(学校の支出の大部分は人件費なんで)を持ち、この場合は寮と食堂のスタッフもいりますね
しかし学費(初年度だけ?)300万は高すぎます。
補助金なしだと やはり初年度250万はかかり、2年目以降は200万でしょうか。授業料年間70万も相当高いです
そこでもしも、毎年300万取るとしたら、その分の余裕を奨学金に回すということじゃないでしょうか
私立学校運営費補助金を出さないためではないでしょうか
私立学校で十分な設備を持ち、スタッフ(学校の支出の大部分は人件費なんで)を持ち、この場合は寮と食堂のスタッフもいりますね
しかし学費(初年度だけ?)300万は高すぎます。
補助金なしだと やはり初年度250万はかかり、2年目以降は200万でしょうか。授業料年間70万も相当高いです
そこでもしも、毎年300万取るとしたら、その分の余裕を奨学金に回すということじゃないでしょうか
そろそろ、この学校が今どうなっているかのレポートが欲しいところですね。3年後あるいは6年後に新入生が進学するまで、チェックされないとしたら軌道修正も難しい気がします。
奨学金の話は、もうすでに結果は出ていると思うのですが、何かご存じですか?
奨学金の話は、もうすでに結果は出ていると思うのですが、何かご存じですか?
by stochinai
| 2005-07-19 20:58
| 教育
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Comments(6)