5号館を出て

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太陽が山に隠れた瞬間に空が爆発した

 今や大学教員がFDをやらないとまたまた文科省からの交付金が減らされるかもしれないということで、今月にはいって3回目のFDが開かれました。

 今回は理学部・理学院・生命科学院・総合科学院合同という、かなり経済的なFDでした。

 この前にも生物科学科(生物学)・生命科学院・生命システム科学コース合同のFDというのもありましたし、理学院自然史科学専攻FDというのもありました。

 春休みの大学はFDシーズンでもあるのでした。(写真はイメージです。(C) Mathieu Plourde, Pic taken at the 2013 Summer Faculty Institute, University of Delaware)

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 今日のFDは、大学生(大学院生)のメンタルヘルス(具体的には自殺)と、アクティブラーニングならびにファシリテーションという三本立てでした。

 日本全体の自殺が多いことは問題になっていますが、大学生も例外ではないことを再確認させられるのは、かなりつらい現実です。毎年500人くらいの大学生が自殺しているそうなのですが、止められるものならなんとか止めたいというのは大学関係者全員の気持ちでもあります。私の印象としては「大学なんて出なくてもいいんだよ」ということと、「大学の単位は一生かけて取れて、いつでも学位がとれるんだよ」という環境を作ってやれば、かなりの部分の自殺はなくなるのではないかという感想を持ちましたが、どちらも今の日本では難しいことなのかもしれません。

 後半のアクティブ・ラーニングやファシリテーションの話は、私個人としては耳タコ的な話でしたが、こういう場で改めて聞くと現在の大学とアクティブ・ラーニングというのはかなり相性の悪い組み合わせだと再確認させられるものでした。

 そういうものを押し付けている文科省は数年後にはまた方向転換をすることがほとんど明白なので、大多数の先生方の対応も結構クールなものでした。

 というわけで、文科省が全国の大学に強いているFDというものが、どのくらい現実的な意味を持っているのかはななだ疑問だということを再確認させられただけのような会でしたが、文科省(あるいは政府?)が今のようなトップ・ダウンの命令状態を続けている限り、こうした研修などがまったく意味を持たないことは間違いありません。

 まあ、予想通りの時間の無駄のようなFDでしたが、外の世界では今日もまた春らしい良い天候が続いています。

 雲ひとつない日没をタイムラプスしてみました。


 窓ガラスの汚れが気にならなくもないのですが、太陽が山に隠れる時に空全体が真っ赤に爆発するように燃える瞬間を見ていただけると幸いです。

 明日は太陽とは会えないのかもしれないようです。






by STOCHINAI | 2015-03-19 20:02 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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