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カンブリア紀には骨格をもったクシクラゲがいた

 クシクラゲという動物は、クラゲという名前からわかるように、昔はクラゲと近い原始的なグループにまとめられていたのですが、実はカイメンよりも原始的だとか、あるいは他の動物とは独立に神経系を進化させたとか、次々と「お騒がせな」論文が出てくるおもしろい動物群なのですが、お陰で系統樹の中ではいつもフラフラと定まらない位置に甘んじていたりするのも事実です。

 そして今回はなんと、カンブリア紀には内骨格、外骨格をもったクシクラゲがいたことを示す化石が出てきたという論文です。お察しのとおり、中国の澄江動物群化石から発見されたものです。

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 もちろん、そうした硬い組織を持たない現代のクシクラゲとは別の動物群ですでに絶滅していると考えられますが、触手をもたないなど、現代のクシクラゲとはいろいろと異なる特徴があるそうです。

 さっぱりわかりませんが、こちらがその化石の写真です。

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 そして、こちらはもう少しわかりやすい化石です。

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 とは言え、この写真を見て生きていた時の姿を思い浮かべるのは難しいので、こちらの再現図をごらんいただくと、「ホーッ」と思います。

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 「宇宙船」を思わせる姿は、現代のクシクラゲと同じ仲間であることを思わせてくれます。

 化石だけで描いた系統樹ですが、DNAデータを出せと言われても6億年近く昔のDNAはもちろん残っているはずもありません。

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  せっかく骨格を発達させたのに、この系統樹をみるとあっさりと滅びてしまったようですね(一番上の黄色に塗られたグループです)。その下にも滅びたバージェス頁岩のクシクラゲのグループが紫色で示されています。

 クシクラゲはカンブリアの海で進化の試行錯誤を繰り返していたのですね。ロマンを感じます。

 こちらに日本語の解説記事もありますので、興味がありましたらお読みください。
by STOCHINAI | 2015-07-14 19:10 | 生物学 | Comments(0)

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