2015年 10月 23日
深まる秋の中で
私の住む東区は札幌市が開拓され始めたところなので、意外と歴史的な建造物がたくさん残っています。ここも、毎日のように通っている道の近くにあるのですが、あまりに天気が良いのでちょっと寄ってみたら、やはり100年以上の歴史をどっしりと感じさせられました。大覚寺の山門です。中には朱に塗られた阿吽の金剛力士像もあります。
その左側にはお寺なのに鳥居があります。ススキノにもある「豊川稲荷」という神社風の寺(どう見ても神社ですが)なのだそうです、ここは札幌市で二番目くらいに古いお寺で、もっとも古いお寺も東区にある本龍寺で、実はそちらも日蓮宗とはいうものの神仏混交の雰囲気がするところです。
開拓の頃の北海道では、神も仏を分ける余裕もなく一緒に祀られていたのではないかと思われるフシもあります。
100年前をさまよった後は、石狩街道をちょっと越えたところにある私が卒業した北九条小学校の南に面した駐車場に隣接したおそらくもはや人は住んでいないと思われるビルの壁を覆い尽くした見事なツタを見つけました。
夏に見たのでは、この凄さは感じられないと思われます。さすがにこれは100年前のものではありませんが、半世紀はたっている建造物のような気もします。これも、近々このあたりの再開発のために取り壊されることでしょう。
そういえばこのビルよりも古いかもしれない、地下鉄北12条駅前にあったツタに覆われた木造の大黒邸もついに取り壊されてしまいました。
お寺ならば100年を越えて維持されることもあり得ますが、一般のお宅はそうもいきません。昭和は遠くなりにけるかもです。
歴史散歩しながら北大に戻ってみると、そのキャンパスは100年以上の歴史がありながら「若い」と感じられます。
中央ローンの芝生は雪の下でも青いので、ここで赤や茶色に見えるのは落ち葉のせいです。
そしてクラーク会館、意外と写真に撮ることが少ないので、懐かしく思われる方も多いかもしれませんね。
ようやく理学部に戻ってきました。
高いビルは左から6号館、5号館、そして2号館です。
大学が若く感じられるのは、人も建物も常に入れ替わっているからなのですね、きっと。
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こじ
at 2015-10-24 01:03
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東区にも「豊川稲荷」があるとは知りませんでした。ススキノは、商売繁盛をお願いするために近場に作った、という理屈が成り立ちますが、なぜ東区なのでしょうか。やはり、開拓時代に、その周りに商売をするお店があったのでしょうか。
さて、御存知かもしれませんが、豊川稲荷は曹洞宗のお寺に対するいわゆる「俗称」です。日本三大稲荷の一つに数えられていますが、一番有名な伏見稲荷からは侮蔑されていると聞いたことがあります。純粋な神社からしたら邪道といえば邪道ですから。
で、お寺である豊川稲荷ではいわゆる「お稲荷様」ではなく、「吒枳尼真天」と呼ばれる異教徒の神様(つまり、仏教本来の仏様=菩薩や如来=ではない)の本体(仏像)が安置されています(お寺の御本尊は別にいるはずです)。調べると、本来はインドの女神で狐の稲荷さんとは関係ないようです。日本の稲荷信仰と融合して、いつの間にやら狐の神様になったようです。
お寺の中に鳥居があるのは、日本土着の宗教(の一つ)である稲荷信仰と仏教が融合(専門用語で、神仏習合(神仏混淆とも)と言うそうです)した証です。他にも似たような例があり、日光東照宮(東照大権現=家康公=と呼ばれる神様・仏様を祀っている神社)には鳥居とお寺のシンボルである五重塔が同居しています。他にも同様の神仏習合は全国に結構あったのですが、明治初期の神仏分離令によりそのほとんどが分離され、目立つ形で二つが同居しているのは豊川稲荷や日光東照宮など数えるくらいしか残っていないようです(家康の最初の墓である久能山東照宮は、神仏分離令の時に五重塔を破壊してしまったそうです)。豊川稲荷の総本山である愛知県豊川市にある「妙厳寺」には、かなり立派な鳥居がありますが、これも、神仏分離令で一度は撤去され、戦後に再建したものだそうです。
なお、豊川にある「妙厳寺(御本尊は千手観音菩薩)」は曹洞宗のお寺の中でもかなり格の高いお寺で、今の曹洞宗本山・永平寺の代表住職は、前任地が妙厳寺(豊川稲荷)だったようです。
さて、御存知かもしれませんが、豊川稲荷は曹洞宗のお寺に対するいわゆる「俗称」です。日本三大稲荷の一つに数えられていますが、一番有名な伏見稲荷からは侮蔑されていると聞いたことがあります。純粋な神社からしたら邪道といえば邪道ですから。
で、お寺である豊川稲荷ではいわゆる「お稲荷様」ではなく、「吒枳尼真天」と呼ばれる異教徒の神様(つまり、仏教本来の仏様=菩薩や如来=ではない)の本体(仏像)が安置されています(お寺の御本尊は別にいるはずです)。調べると、本来はインドの女神で狐の稲荷さんとは関係ないようです。日本の稲荷信仰と融合して、いつの間にやら狐の神様になったようです。
お寺の中に鳥居があるのは、日本土着の宗教(の一つ)である稲荷信仰と仏教が融合(専門用語で、神仏習合(神仏混淆とも)と言うそうです)した証です。他にも似たような例があり、日光東照宮(東照大権現=家康公=と呼ばれる神様・仏様を祀っている神社)には鳥居とお寺のシンボルである五重塔が同居しています。他にも同様の神仏習合は全国に結構あったのですが、明治初期の神仏分離令によりそのほとんどが分離され、目立つ形で二つが同居しているのは豊川稲荷や日光東照宮など数えるくらいしか残っていないようです(家康の最初の墓である久能山東照宮は、神仏分離令の時に五重塔を破壊してしまったそうです)。豊川稲荷の総本山である愛知県豊川市にある「妙厳寺」には、かなり立派な鳥居がありますが、これも、神仏分離令で一度は撤去され、戦後に再建したものだそうです。
なお、豊川にある「妙厳寺(御本尊は千手観音菩薩)」は曹洞宗のお寺の中でもかなり格の高いお寺で、今の曹洞宗本山・永平寺の代表住職は、前任地が妙厳寺(豊川稲荷)だったようです。
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STOCHINAI at 2015-10-24 21:53
このコメントだけで解説記事になりそうな勢いの詳しさで、とても勉強になりました。ありがとうございました。
そんなに広くない札幌ですが、まだまだ知らないことがたくさんあり、日々これ発見の毎日です。
これからもいろいろと教えていただければ、ありがたいです。
そんなに広くない札幌ですが、まだまだ知らないことがたくさんあり、日々これ発見の毎日です。
これからもいろいろと教えていただければ、ありがたいです。
by STOCHINAI
| 2015-10-23 19:29
| 札幌・北海道
|
Comments(2)