5号館を出て

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冬至の翌朝

 暦によると、冬至の昨日も天皇誕生日の今日も太陽の位置はほぼ同じで、札幌の日の出は7時3分、日の入りは4時3分です。日の出は年が明けるまでまだ遅くなってくるのですが、日の入りの時間は明日からだんだんと遅くなって昼の時間が長くなってきます。

 北国に住む人間にとって、この日長の時間がもっとも短くなる冬至を境にまた明るい時間が長くなるということの持つ(少なくとも精神的な)意味の大きさは計り知れないものがあります。秋から冬にかけて、だんだんと日が暮れるのが早くなり、日の出が遅くなり、気温がどんどん下がってきて雪も積もる季節になってくるということの「閉塞感」はあらゆる人に陰鬱な影響を少なからず与えるものなのですが、そのマイナスの変化が冬至を境にプラスに転じると考えることができるのです。もちろん気温はまだまだ下がり続け、雪もこれからが本番ではありますが、すでに「折り返し点」は過ぎたと知ることの精神的安堵感はこの地に住んでいるものでなければわかりにくいことだとは思います。

 というわけで、冬至の過ぎた今日の祝日を北国ではなんとなくリラックスして迎えた人が多かったのではないかと感じています。私もなんだかウキウキ気分で、休日であるにもかかわらず太陽よりも早起きしてしまいました。

 ところがところが、部屋の電気をつけていつものように室内と室外の気温を示す温度計を見てびっくり。2階の窓の外はマイナス9.3℃と示されています。

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 真冬の寒さがいきなりやってきた感じです。テレビの天気予報を見てみると札幌の公式最低気温はやはり日の出の頃でマイナス5.8℃だったようです。都心の観測点でマイナス5.8℃ならば、このあたりでマイナス9℃くらいになっても不思議はありません。寒いです。

 というわけで、いきなり目が覚めてしまいましたが、心を落ち着けて太陽を待つことにしました。

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 7時を過ぎて、南東の空が赤みを帯びてきました。

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 よく見ると、遠くの低い雲の上面が輝いています。

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 朝日はかなり南の方にあるようです。

 北側の家の壁に光が反射しているので、もう朝日は登ってきているようです。

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 これは見逃すと思い、部屋を移動して北側から太陽を見ることにしました。

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 すると、すでに向こうのお宅の屋根を越えようとしているところでした。

 さらに登ってきたので、また自分の部屋に戻って「定点」から観測してみると、昨年も見たような気がする場所が「冬至の日の太陽」が登ってくるところであることを思い出しました。

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 これが、私の部屋から見えるもっとも南側から太陽の登る場所です。

 さらに太陽が上がってくると、1階の居間にも光が入り始めます。最初の太陽の光はネコのものでした。

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 まぶしくないのか、ジッと登ってくる太陽を見ているようです。

 と、こんなふうに冬至の翌朝は明けたのでした。昼まではずっと天気も良くて、ネコも日だまりで昼寝(朝寝)を貪る、のどかな休日の始まりでした。







by STOCHINAI | 2015-12-23 20:48 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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