5号館を出て

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寒さの戻りとカンブリア紀の化石の解析

 気温が上がって春の嵐だった昨日から、今日は気温が下がって冬の嵐になりました。冬に雪が降るのは気にならないのですが、温度が上がったり下がったりすると汗をかいたりくしゃみをしたりと体調管理が難しくなります。

 外での混乱は知らないよというふうに今朝はスパティフィラムの花が開いていました。

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 ミズバショウに似ている花ですが、春から晩秋までコンディションさえよければいつでも咲いている感じの花ですが、さすがに冬は休みます。それが咲き始めたのですから彼ら(彼女ら?)にとってはもう冬は終わりと判断したのでしょう。期待したいところです。

 昼頃には時折太陽も顔を出していたのですが、天気予報通り午後には再び雪が降り始め、時折ホワイトアウトになっていたようです。これは午後3時半ころの窓の外。

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 よく見ると右上から左下へ斜め45度くらいの角度で雪が落ちているのがわかると思います。風もそこそこ強かったです。

 さて、毎日毎日雪の便りばかりでは飽きてしまいますので、今日はケンブリッジ大学のプレスリリースをチェックしてみましょう。とはいっても、私がケンブリッジのプレスリリースをチェックしているわけではなく、Science Daily という科学ニュースサイトで見つけた情報です。

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 5億2千万年前の中国から出たカンブリア紀の化石で、甲殻類の先祖と思われるものの中で異常に神経系の保存の良い物が見つかったという論文の話です。


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 中国雲南省の澄江の化石はカンブリア紀のものとしてバージェスと同様あるいはそれ以上に有名になってきていますが、今回解析された節足動物もそこで掘り出されたものです。

 一見してカッパエビせんの中に入っているエビ(アミ?)のような保存状態の良さが感じられる化石です。

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 この化石からものすごく精密な再現図が描かれています。

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 残念ながらPNASの原著論文へのリンク(Jie Yang et. al. ‘The fuxianhuiid ventral nerve cord and early nervous system evolution in Panarthropoda.’ PNAS (2016). DOI: 10.1073/pnas.1522434113)が切れている(DOIは取ったもののまだアップロードしていない?)ので、詳細がわからないところもあるのですが、この5億2千万年前に埋もれてできた化石の保存状態がきわめて良いので神経系の詳細がわかったというものです。

 現在の昆虫やクモや甲殻類(エビ、カニ)の祖先にあたる Chengjiangocaris kunmingensis と名付けられたこの節足動物の神経系を見ると、それらの先祖からの神経系の進化が直接に推測されるという非常に貴重な発見です。

 そのおなか側に走っている神経系(神経索)は現生のプリアプルス(エラヒキムシ)や昆虫の先祖に似ていると言われるカギムシと同じような「ハシゴ形神経系」だということがはっきりとわかるものだったのです。

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 原生のクマムシや多くの節足動物を見ると、ハシゴの「節」が少ないので、今回の発見は進化の過程でこの節の減少が起こったということがはっきりとする「証拠」となります。

 新しい化石の発見で進化の軌跡がどんどんとはっきりしてくるというのは、化石の研究がとてもエキサイティングな先端生物学だということを如実に示す成果ですね。

 それにしても、5億年以上前の化石がおいしそうに見えるくらいきれいに保存されているというのもすごいことです。

 中国はやはり化石の宝庫と言えそうです。






by STOCHINAI | 2016-03-01 19:44 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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