5号館を出て

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チューリップは花が終わる前に切り花に

 花というのは植物にとっては次世代を育てるための生殖活動のピークに出現するものです。花を咲かせ種を育て、次世代へとエネルギーを受け渡すためには、母体を犠牲にすることも厭わないしくみになっていることは、卵を産んですぐに死んでしまうサケや多くの昆虫などと同じ生き方の戦略をとっていると考えられます。逆にいうと、ここで種を実らせてしまうことは母体の枯渇や死を意味することもありますので、来年も花を楽しみたい人間側の都合を優先させようとすると花の生殖をとりあえず失敗させて、来年も頑張らせる作戦がよいということになります。

 というわけで、とりあえずチューリップは花が咲いたら花をちょん切ってしまうというのが来年の花を保証するもっともよい方法になるのですが、あまりにそれを強調し過ぎると今年の花を楽しめないということになります。

 そこでギリギリの妥協点として、花が咲いたところで切り花にしてしまうという手があります。

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 我が家にはほぼ野生化した普通のチューリップしかないのですが、それでも庭のあちこちで花を咲かせています。今朝は、それをすべて花の下の茎についている小さな葉を一枚着けて切り取ってしまい花瓶に挿してみました。

 ほとんどが単調な赤と黄色の花でした。

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 と思っていたのですが、切り花にしてよくよく見てみると、同じ赤や黄色でも実はかなり花ごとに個性があることを発見できました。

 黄色の花といっても花の底の中央部もそのまんま黄色いものと

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 そこがうっすらと赤みを帯びているものなど、一つ一つの色合いが微妙に違います。

 さらに赤いものには個性が強い違いが見られました。こちらは中央が黄色いもの。

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 こちらはなんと黒いのです。

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 朝に刈り取って食卓で楽しんでいたら、花がどんどん開いてきて今にも散りそうな危険を感じたのであわてて外に出しました。

 涼しくなったらほっとしたのか、開きすぎた花びらも少し落ち着きを取り戻したようです。さらに夕方にはまた花を閉じ気味にして眠りについたようです。

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 これなら切り花にしても数日は楽しめそうです。

 花をうしなった茎と葉と球根はまた来年の花を育てるべく養分を貯めてくれることでしょう。今年の楽しみと来年以降の楽しみを考えなければならない植物は、動物を育てる時とまったく違う対応が求められます。それはそれでたいへんではありますが、またそこがおもしろいところだとも思います。

 穏やかな夕日の中でカツラの若葉を愛でたり、

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 レンギョウの黄色に改めて見入ったり

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 (手前左にハエがいるのがわかりますか?)

 まあ、暇と言えば暇なのかもしれませんが、こういうゆったりとした時間の流れを味わえる今のありがたみを噛みしめる毎日を送らせていただいています(笑)。







by STOCHINAI | 2016-05-09 22:35 | 趣味 | Comments(0)

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