5号館を出て

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クラゲの駆除法に関するちょっとした心配

 水産庁が日本海に大発生しているエチゼンクラゲの駆除に乗りだしたというニュースが出ています。(共同通信)

 食べられるクラゲなのでなんとかならないかという気もするのですが、あまりにも量が多すぎるようです。

 ニュースの中でちょっと気になったところに突っ込んでおきます。

 10月までに「駆除装置」を完成させるそうで、その装置というのが「底引き網の後方にクラゲを追い込むスペースを設置し、クラゲをピアノ線や刃物などで解体して外に排出する仕組み」で、クラゲをバラバラにして海にまく仕組みのようです。

 解説では「エチゼンクラゲはかさが最大直径1メートルにもなるが、一度解体すれば蘇生(そせい)しないという」と書いてありますが、ここは重要なポイントです。

 私もカサが1メートルにもなる巨大なクラゲですから再生はしないと思うのですが、クラゲと同じ腔腸動物には切っても切っても再生するヒドラがいますし、あるクラゲでは平滑筋細胞を培養していろいろな種類の細胞を作ったという論文もあります。

 昔、貝を食べるヒトデに手をやいた漁師さんが、ヒトデの腕をバラバラにして海にまいたところ、バラバラの腕のすべてから新しいヒトデが再生してとんでもないことになったという逸話もあります。

 多分大丈夫だとは思いますが、ほんとうにバラバラにしたクラゲが再生しないかどうかは実験によって確かめておいて欲しいものです。
Commented by inoue0 at 2005-09-01 14:23
 クラゲを陸揚げして、干して肥料にでもするのがいいと素人には思えるんですが、たぶん、網から剥ぎ取って持っていくことに手間がかかるんじゃないでしょうかね。食材にする場合だってペイしないらしいし。
 こんな繁殖能力の高い生物は、個体をいくら捕まえても焼け石に水でしょう。クラゲがひっかかっても切れない魚網を工夫した方がよい。
Commented by stochinai at 2005-09-01 16:30
 きちんと生物学的調査をすれば、どこでどうやって繁殖しているか(おそらく特定の場所にポリプと呼ばれる根のようなものいると思います)がわかると思うので、そこをなんとかするのが根本的解決へつながると思います。
Commented by blue at 2005-09-01 20:03 x
 あのクラゲ 中国のある湾から来るんですね 増え方がなかなかユニークですね クラゲは98%が水だから肥料になりがたいし、重いので輸送費がかかるそうです
Commented by blue at 2005-09-01 20:04 x
 99%だったかな
Commented by stochinai at 2005-09-01 21:37
>中国のある湾から来るんですね
 そこまでわかっているのですか。それならば、対処法はあると思います。ユニークな増え方とおっしゃいますが、クラゲはだいたいそんなもんじゃないでしょうか。
 ともあれ、ここでも中国と仲良くする理由がひとつ見つかりましたね。
Commented by stochinai at 2005-09-01 22:15
 まあヒトでも新生児は体重の約75~80%、幼児は約70%、成人男子で約60%、成人女性は約55%、高齢者で52~55%、肥満者は50%程度が水分ということですので、98%や99%でも驚くほど水ばかりというほどでもないですよね(^^)。
Commented by さなえ at 2005-09-01 22:15 x
あと10年足らずで世界的な食糧危機が来るという話しですので、どんどん増えるクラゲというのは私には福音にしか聞こえないのです。10年後にあのとき、クラゲを食べずに処分してしまったなんてと嘆かずに済む世の中であればいいのですが。
Commented by stochinai at 2005-09-01 22:37
 ですよね。
 私も食べられるものをただ捨てるのには抵抗があります。クラゲはそこそこおいしいし、成分はコラーゲン(あるいは類似物)でしょうから、コラーゲンが化粧品の宣伝文句のようにお肌に良いかどうかはさておいても、女性に受けるのは間違いないと思うのですが。
by stochinai | 2005-08-31 18:52 | 生物学 | Comments(8)