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寒波の中、日本経済の冷え込みに思いをはせる(笑)

 「一寒一温」は今日も続き、いきなり寒くなってきました。もちろん真冬日です。今日は暗くなってから短時間ではありますが、本格的な吹雪にもなりました。

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 この寒さの中、日本も世界も経済が冷え込んでおり景気のいい話はほとんど聞こえてきません。今日のハフィントンポストには5日に行われた経団連の新年祝賀パーティーの記者会見で榊原定征会長が「過去3年賃金引上げを続けているにもかかわらず個人消費が伸びていない」というコメントをした後、子育て世帯の教育費負担や、消費者の節約志向などを一例に挙げ、「これらの点に何ら手をつけないままでは、経済界が賃金引上げに取り組んでも消費は拡大しない。こうした課題に官民あげて取り組むことが必要」などとして、政府に対しても原因分析など将来不安の解消にも取り組むよう要請するという泣き言を言ったと書かれていました。

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 これは安倍総理大臣から今年も賃上げをして欲しいという要求があったということに答えて述べたことですが、経団連としては景気のいい企業では賃上げをしているにもかかわらず日本全体の経済動向が上向かないことに対して、「もう我々の力だけでは無理」という降伏宣言にも聞こえます。

 個人消費に関しては、第2次安倍内閣になって一時的に上がった時期があったものの、調子に乗っておこなった消費税増税のあと完全に冷え込んだまま今日に至っているので、経団連にだけ給料を上げろと言ってもその解決はちょっと無理だと私にでもわかるので、会長の泣き言もちょっとは理解できるのですが、まあ経団連と政府が連帯責任を取れるのならそれが一番良いことだとは思います。

 下が上に述べた消費の落ち込みをグラフ化したものです。(内閣府のデータを使っていますので、最大限「政府寄り」のはずです。)

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 消費税を8%にして以降、個人消費が全くダメになっていることが誰の目にも明らかです。

 総理大臣や経団連が言っている「この3年間賃上げを続けてきた」というのは別にウソではなく、成績の良い企業の正社員の給与やボーナスは確かに上がっているようですが、日本全体の労働者の給与という側面から考えるとそれでは全然焼け石に水なばかりではなく、一部の社員の名目給与が上がったとしても日本人労働者全体の実質賃金は約20年の間、ひたすらに下がり続けている状況はまったく改善されていませんから、個人消費が上がるはずもないのです。(下が厚労省のデータによる、日本の実質賃金の変遷です。)

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 こんな状況の中で消費税の再増税などはもちろんできるはずもなく、アベノミクスの破綻は誰の目にも明らかなのですが、だからといって任せられるべき次の政権が見あたらない以上、我々は安倍政権と一蓮托生の泥舟に載り続けなければならないという選択の余地のない状況にあるようです。

 というわけで日本経済をどうにかすることができない以上、この状況を抜け出すのには経済のバブル化を目指すアベノミクスではなく、所得の再分配を適切に行うことでワーキングプアをなくしていくことしかないのではないかと、経済にはほとんど音痴とも言える私には思えてなりません。

 戦後の右肩上がり経済時代の日本には、超大金持ちも少なかった反面、ワーキングプアと言われる貧乏人も少なかったように思います。それは、所得がある意味で「フェアに」再分配されていたからではないでしょうか。

 大金儲けもできないかもしれませんが、貧困もない、私はそういう国が住みやすいように思えます。

 と、柄にもなく怪しい理屈をこねてみましたが、ほんとうはこんな話よりは冬越しするコケを眺めているのが好きな私なのでした。

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 春が待ち遠しいですね。







by STOCHINAI | 2017-01-10 21:08 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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