5号館を出て

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メトロポリタンミュージアムの若冲

 ちょうど1ヶ月前、メトロポリタンミュージアムで製作者著作権の切れた作品などを多数パブリックドメインとして公開したということをここで紹介しました。

 朝日新聞の今日の朝刊で「(ネット点描)デジタル時代の美術館 ウェブ公開でひらく未来」というコラムでそのことが紹介されていました。朝デジにも載っています。

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 前回の紹介記事では大量の名作を自由にアクセスできるということだけで興奮してしまって、見るだけにとどまってしまいましたが、パブリックドメインとして公開されているということはダウンロードするだけではなく、改変したり、それを発表したりすることも自由だということです。もちろん原作者と原作への畏敬の念を忘れてはなりませんが、その上で解析したり、改変したり、コラージュにして楽しんだりということが許されているということはものすごいことだと思います。

 公開されたものが40万点近くもありますので、すべてを眺めることすらできないのですが、検索機能を活用しながらアクセスしていくと実際に美術館を訪れて見ることのできる以上の鑑賞ができるだけではなく、ポイントを絞った対応が可能になります。

 というわけで、本日はミュージアムにある日本の作品の中でもちょっと気になる伊藤若冲を検索してみます。Jakuchu Public Domain で検索すると16点の作品が出てきますが、そのうち3点は若冲のものではないので13点ということになります。

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 13点とは言え、どれもかなり有名あるいは名品と呼べるものばかりで、これを高最精度でダウンロードできるだけでもドキドキしてしまいます。今回は3点をダウンロードして「遊んで」みました。まずは手描きの素晴らしい作品「葡萄双鶏図」です。申し訳ないながらも、勝手にトリミングさせていただきました。

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 このくらいのトリミングではビクともしない原図ですが、さら雄鶏の顔だけ拡大してみます。

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 掛け軸の地の布の繊維までも見えてきます。これは現地で実物を見ても見えるかどうかわからないもので、デジタルで公開されていることのありがたみを感じます。

 続いて木版画の「雪の金鶏」です。

 ここに貼ってしまうと小さくなってしまいあまりその迫力を感じることもできないのですが、ダウンロードできる原図は3788x2602ピクセルの大きなものなので、他に流用する時には重宝すると思います。

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 たとえばべったり塗られているように見える胴や羽も拡大してみるとこんなに細かい刻印からなっていることがわかります。

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 そして最後は素朴なモノクロの墨の木版画です。「若冲画帖」の「玄圃瑶華」の一部だそうですが、いかにも彼らしいシンプルでモダンな作品だと思います。

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 そして、これこそパブリックドメインならではの使い方ですが、右の版画のカエルだけを抜き出して使うこともできることになります。

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 このくらい拡大すると、版木の様子や転写された紙の様子も見えてきて興味深いことです。

 作品がパブリックドメインになるということは、私などの想像をはるかに越えた新しい「価値」が生み出される種になりそうな予感もします。

 せっかくの人類遺産ですから、どんどん活用したいものです。






by STOCHINAI | 2017-03-14 21:27 | 趣味 | Comments(0)

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