5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

ノロウイルス

 「ノロウイルス」とローマ字入力して最初に出たのが「呪う居留守」と出てしまいました。本当にノロウイルスは呪われた恐怖の疫病なのでしょうか。

 広島県の特別養護老人ホームでの老人集団死亡事件の調査の中で、発症した入所者と職員からノロウイルスが検出されて、どうやら集団死亡の原因がそれらしいということになるや、日本中でノロウイルスが検出され大騒ぎになっています。

 北海道では、去年くらいから冬になるとはやる「お腹に来る風邪」というのが、実はノロウイルスによるものであるということが知れ渡っておりまして、冬にはごく普通に見られる軽い症状の感染症であると言われてきました。

 つまり、それは普通の風邪と同じウイルスによる感染症で、下痢や吐き気を訴えて苦しいものではあるけれども、まさか死に至るものだという感覚はまったくと言って良いほどありませんでした。

 確かに老人や乳幼児は、普通の風邪やインフルエンザでも重篤な症状になることがあり、風邪と言ってもバカにしてはいけないと言われてはいましたが、昨日今日のニュースでは、老人がノロウイルスに感染されるとかなりの確率で死んでしまうと思わせるような報道がなされているように聞こえます。

 報道の皆さん、少し冷静になってください。

 もちろん、全国の高齢者施設でノロウイルスが原因と見られる感染性胃腸炎が蔓延しており、あちこちでお年寄りが亡くなっているのは事実かもしれません。

 しかし、まずはノロウイルス感染が今年になっていきなり増加したのかどうかの検討が必要です。上にも書いたように、昔から「お腹に来る風邪」というものがはやることは何度もあったはずで、その頃のものも単に特定されていなかっただけで、実はノロウイルスだったということはないのでしょうか。

 それと、もう一点。ちょっと不謹慎な発言になることを許していただきたいのですが、かなりご高齢のお年寄りは昔から冬になると単なる「風邪」が原因で亡くなられるケースがままあったと思います。

 そう考えると、そうした高齢の方がたくさん入っておられる高齢者施設で、冬になると亡くなられる方がある数増えるのは、大事件ではないかもしれません。

 特定の施設で7人も相次いで亡くなったということは事件かもしれませんが、その原因はノロウイルスであるというよりも、その施設におけるご老人の扱い方のほうにあったと考える方が自然ではないでしょうか。

 もちろん、今年のノロウイルスが昔のものよりも毒性が高くなっており危険であるという可能性は捨て切れませんが、私にはどうも必要以上のフレームアップに見えて仕方がありません。

 この冬は、昨年のようにSARSやトリインフルエンザで事件が起こらないので、その代わりに恐ろしげな名前を持つノロウイルスをターゲットにしてマスコミが騒ごうとしているように思えるのですが、考えすぎでしょうか。
by stochinai | 2005-01-11 23:09 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai