2005年 10月 02日
コミュニケーション・リテラシー
昨日はCoSTEPの開講式でした。
ようやく特任の全スタッフもそろいましたので、このメンバーでできることおよび難しそうなことも見えてきました。
本科・選科の受講生の顔ぶれも見えてきましたので、どんなことを求めているのかについてもなんとなく見えてきました。
この先、半年間に予定されている授業などについてはすでに固まっていますので、受講生は自分たちがどれを受講すれば何が身に付く(可能性がある)のかもわかると思います。それを見ると、この養成コースに用意されているものの多くは、実践を通じてあるいは実践に接することによって自らをトレーニングしていくことを指向していますので、目的意識がないと道に迷うことになるでしょう。
コミュニケーターとしての目的意識というのは、自分の伝えたいことを伝えたい相手に適切に伝えたいということに尽きると思います。
つまり、伝えたいことと伝えたい相手がいなければコミュニケーションは意味を持ちません。
伝えたいことというのは、ある意味で自分の個人的問題でもありますので、自分の中で何かか成熟してくると自然にわいてくることもあるでしょう。
しかし、伝えたい相手というのが難題です。自分の中にあるテーマが同じだったとしても相手が違うと、伝え方はまったく違ってくるからです。
私は明日、大学1年生には後期の第一回目の講義の中で、またラジオ番組で研究室訪問する予定になっている小学生にも「進化」という同じテーマの話をしようと思っています。
私の頭の中には進化というものに対しての私なりのイメージがありますし、世の中には処理しきれないほどの進化を説明するための膨大なデータがあります。その中から、大学生には大学生向けのイメージとデータを、小学生には小学生向けのイメージとお話を提示することでコミュニケーションを成立させようと思っています。
現代の生物学において、進化については誰が説明してもだいたい妥協できる一般的な説明が可能になっています。きちんと時間をかけて説明しようとすると大学生くらいのリテラシーとそこそこの時間が必要になりますが、進化を学びたいという目的意識を持って講義を受講する大学生を相手に話をする場合には、ある意味で簡単です。
一方で、すべてを伝えることは不可能なのですが、小学生には小学生向けの「進化」の説明があると思います。もちろん、生物学的にウソになってしまってはいけないのですが、彼らの頭の中におもしろいストーリーとしての進化の話を描いてもらえれば成功だと思っています。
しかし、コミュニケーションの難しさでもありおもしろさでもあるのですが、どんなに準備万端で臨んでも相手に出会った瞬間にすべての準備が白紙に近い状態になることもまた、しばしば経験することです。相手を知らずにはコミュニケーションが成立しないということをしみじみと感じる瞬間でもあります。
最大限に準備しておきながら、最後の瞬間にすべてを変更できるだけの柔軟性を持たせておくことが、コミュニケーションにおけるリスク管理と言えるかもしれません。

CoSTEP開講式と懇親会、慰労会を終わって、自転車で帰宅した昨夜は珍しく霧が出ていました。なんだか、ロマンチックだったので記念写真を撮っておきました。
追記:以下の情報が流れてきました。
# 5日の第1回目の授業は,NHK総合テレビの番組の中で生中継され
# る予定です(6時30分~50分の間で4分ほど)
ようやく特任の全スタッフもそろいましたので、このメンバーでできることおよび難しそうなことも見えてきました。
本科・選科の受講生の顔ぶれも見えてきましたので、どんなことを求めているのかについてもなんとなく見えてきました。
この先、半年間に予定されている授業などについてはすでに固まっていますので、受講生は自分たちがどれを受講すれば何が身に付く(可能性がある)のかもわかると思います。それを見ると、この養成コースに用意されているものの多くは、実践を通じてあるいは実践に接することによって自らをトレーニングしていくことを指向していますので、目的意識がないと道に迷うことになるでしょう。
コミュニケーターとしての目的意識というのは、自分の伝えたいことを伝えたい相手に適切に伝えたいということに尽きると思います。
つまり、伝えたいことと伝えたい相手がいなければコミュニケーションは意味を持ちません。
伝えたいことというのは、ある意味で自分の個人的問題でもありますので、自分の中で何かか成熟してくると自然にわいてくることもあるでしょう。
しかし、伝えたい相手というのが難題です。自分の中にあるテーマが同じだったとしても相手が違うと、伝え方はまったく違ってくるからです。
私は明日、大学1年生には後期の第一回目の講義の中で、またラジオ番組で研究室訪問する予定になっている小学生にも「進化」という同じテーマの話をしようと思っています。
私の頭の中には進化というものに対しての私なりのイメージがありますし、世の中には処理しきれないほどの進化を説明するための膨大なデータがあります。その中から、大学生には大学生向けのイメージとデータを、小学生には小学生向けのイメージとお話を提示することでコミュニケーションを成立させようと思っています。
現代の生物学において、進化については誰が説明してもだいたい妥協できる一般的な説明が可能になっています。きちんと時間をかけて説明しようとすると大学生くらいのリテラシーとそこそこの時間が必要になりますが、進化を学びたいという目的意識を持って講義を受講する大学生を相手に話をする場合には、ある意味で簡単です。
一方で、すべてを伝えることは不可能なのですが、小学生には小学生向けの「進化」の説明があると思います。もちろん、生物学的にウソになってしまってはいけないのですが、彼らの頭の中におもしろいストーリーとしての進化の話を描いてもらえれば成功だと思っています。
しかし、コミュニケーションの難しさでもありおもしろさでもあるのですが、どんなに準備万端で臨んでも相手に出会った瞬間にすべての準備が白紙に近い状態になることもまた、しばしば経験することです。相手を知らずにはコミュニケーションが成立しないということをしみじみと感じる瞬間でもあります。
最大限に準備しておきながら、最後の瞬間にすべてを変更できるだけの柔軟性を持たせておくことが、コミュニケーションにおけるリスク管理と言えるかもしれません。

CoSTEP開講式と懇親会、慰労会を終わって、自転車で帰宅した昨夜は珍しく霧が出ていました。なんだか、ロマンチックだったので記念写真を撮っておきました。
追記:以下の情報が流れてきました。
# 5日の第1回目の授業は,NHK総合テレビの番組の中で生中継され
# る予定です(6時30分~50分の間で4分ほど)
開講、おめでとうございます!!
以前も書き込みをさせていただきました、けけみと申します。来週から東大の科学技術インタープリター養成コースを受講することになっています。
北大の養成コースでは、地域密着型のサイエンスコミュニケーションがどのように展開されるか、楽しみにしています。
受講生や有志のレベルで良いので、ぜひとも情報交換して、連携していきたいです。
よろしくお願いいたします!
以前も書き込みをさせていただきました、けけみと申します。来週から東大の科学技術インタープリター養成コースを受講することになっています。
北大の養成コースでは、地域密着型のサイエンスコミュニケーションがどのように展開されるか、楽しみにしています。
受講生や有志のレベルで良いので、ぜひとも情報交換して、連携していきたいです。
よろしくお願いいたします!
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東大の情報も、こっそり(というかブログで)流してください。東大も早稲田も北大も、それぞれがそれぞれらしいコースで有為な人材がどんどん育っていって欲しいと思います。
受講生同士が連携できるのがもっとも生産的かもしれません。できれば、そういう場も作っていけたらと思っています。
CoSTEPの受講生にもなりかわって、エールを送ります。ともに、がんばりましょう。
受講生同士が連携できるのがもっとも生産的かもしれません。できれば、そういう場も作っていけたらと思っています。
CoSTEPの受講生にもなりかわって、エールを送ります。ともに、がんばりましょう。
是非この続きのお話を聞かせて下さい。
これはとても大事なプロジェクトだと思って期待しています。
以前下記のような記事を載せていました。
http://nosumi.exblog.jp/pg/blog.asp?eid=d0028322&iid=&acv=&dif=&opt=2&srl=1143563&dte=2005%2D07%2D01+14%3A24%3A55%2E000
これはとても大事なプロジェクトだと思って期待しています。
以前下記のような記事を載せていました。
http://nosumi.exblog.jp/pg/blog.asp?eid=d0028322&iid=&acv=&dif=&opt=2&srl=1143563&dte=2005%2D07%2D01+14%3A24%3A55%2E000
興味を持っていただきありがとうございます。これからも、折に触れていろいろと報告を続けていきたいと思っています。
osumi1128さんの書かれているように、ここを出た人が何をやってくれるかというところが問われるのだとはメンバー全員が自覚しておりますが、それが判断できるようになるには、やはり10年が必要だと思われます。
教育には長~い目でみてくれる政策を望みたいものです。
osumi1128さんの書かれているように、ここを出た人が何をやってくれるかというところが問われるのだとはメンバー全員が自覚しておりますが、それが判断できるようになるには、やはり10年が必要だと思われます。
教育には長~い目でみてくれる政策を望みたいものです。
by stochinai
| 2005-10-02 23:59
| CoSTEP
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Comments(4)