2018年 02月 18日
シラサギスゲ
今日は最高気温こそマイナス4.1℃ではあったのですがこれが記録されたのは日付が変わった午前0時1分でした。正午の気温はさらに下がってマイナス5.2℃とまた厳しい真冬日に戻りました。








それでも日が当たると窓際の植物は元気に見えます。

左側の赤い花はハナキリン、そのすぐ右にあるのがシラサギスゲの花(というか実というか)です。ちょっと引いて見ると、シラサギスゲはただのイネ科の雑草のように見えますが、カヤツリグサ科の抽水植物です。

根本を見ると水の中です。

外は寒いのですが、水の中から生えている草を見ると「みずぬるむ」という春を感じる季節になったことは実感できます。

この草はアメリカ合衆国南部に自生しているものが日本に園芸植物としてはいってきたらしいです。
アメリカでの分布はこちらにありました。

ごくごくありふれた草のようです。日本ではその姿が白鷺に例えられていますが、あちらでは星に見られているようでstarrush whitetop、white star sedge やwhite-topped sedgeと呼ばれています。sedgeはスゲのことです。確かに湿原に密生していると星空のように見えなくもありません。

Robert H. Mohlenbrock. USDA SCS. 1991. Southern wetland flora: Field office guide to plant species. South National Technical Center, Fort Worth. Provided by USDA NRCS Wetland Science Institute (WSI).
標本のデータもネットで見られるのですが、フロリダのサイトにある254の標本のうちもっとも古いものは1881年に採集されたものでした。

こちらが100年以上前に採集されたフロリダのシラサギスゲの標本です。

古い時代の実物が残っているということはなんとなく感動するだけではなく、この標本からDNAを抽出して調べると、現在のシラサギスゲがどのように変異しているかも簡単にわかる時代になりました。
実物標本の価値は科学技術の進歩とともにどんどん高まってきています。
by STOCHINAI
| 2018-02-18 21:57
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