5号館を出て

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日本動物学会関東支部大会をのぞいてみませんか?

 以前、北海道大学にいらっしゃって、今は東京に異動された知り合いの先生から、来週末に東京で動物学会関東支部大会が開かれ、そこで一般向けの公開シンポジウムがあるので宣伝をしてもらえませんかという問い合わせがありましたので、お知らせさせていただきます。

 こちらがその公開シンポジウムのポスターです。

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 動物学の領域では古くから両生類を使って発生や再生の研究が行われてきました。もともとは卵が大きくて観察しやすいとか、いつでも実験ができるとか、ヒトではあまり顕著ではない再生が簡単に起こるなどという理由から使われてきた両生類ですが、研究が進んできていろいろなことがわかってきてみると、実は両生類とヒトは生物としてはそれほど違わないということと、それにもかかわらず再生という点から見るとなんでこんなにも違うのだろうかというほどの差があることがわかってきました。逆に言うと両生類で再生ができるのならヒトでも実はちょっとした刺激を与えてやるだけで大々的に再生ができるのではないだろうかという問題意識から、古くから使われてきた両生類を使った研究がまたちょっと盛んになってきているという面もあります。また、近年絶滅が心配されている両生類ですが、実は意外とタフな側面もあり水温40℃を越える温泉の中で生活できるものが発見されたりしているそうです。俗に「ゆでガエル」と言われるように温度には弱いと思われていたカエルがどのように高い温度に適応できたのかなどがわかると我々ヒトがどうして恒温動物になったのかとか、どうして熱がでると調子が悪くなるのかなどということもわかってくるかもしれません。このように両生類を研究することでヒトの謎に迫ることもできるということがわかってきたのが新しい生物学の成果でもあります。そうした最先端の生物学の話を馴染み深いカエルやイモリを使った研究から解き明かしているバリバリの若い研究者の話を聞ける貴重な機会に是非ともでかけてみていただきたいと思います。

 もちろん、動物学会員以外の方々から参加費をとったりはしませんし、事前の申込みも必要ありません。当日、時間と距離の制約がない方はふらりと参加してみてくださればありがたいとの主催者の方々が希望しておられます。

 また、最近の専門学会では若者の教育という面にも力をいれており、今回の支部大会でも高校生や中学生の科学研究のポスター発表も行われますので、お時間のある方は是非ともそちらものぞいてみてください。

 公開シンポジウムは10:00-12:00ですがポスター発表は14:00-16:00です。

 私個人としては、高校生や中学生のポスター発表のほうが魅力的な題材を扱っているように思えたりします(笑)。

 プログラムも公開されているので、こちらからご覧になれますが、中高生のポスターのタイトルを再掲してみましょう。

・砂の隙間のミクロな世界!? ~間隙性貝形虫の未記載種と思われる種の発見~
  都立科学技術高等学校
・農業をする細胞性粘菌の好き嫌い
  長野県屋代高等学校理数科
・プロテインが蚕に与える影響
  横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校
・都立林試の森公園における昆虫相の調査
  攻玉社高等学校生物部
・珪藻群集から見る都市河川と赤潮の関連 ~アンケート調査と珪藻群集調査に基づいて~
  世田谷学園高等学校生物部
・異なる光質環境下で生育したシソの形態変化
  玉川学園高等部 SSH リサーチ
・七転び八起き?乾眠と蘇生どっちが大変?
  横浜市立サイエンスフロンティア高等学校
・ミズクラゲの大量発生と富栄養化の関係
  横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校
・微小部蛍光X線分析方法を用いたプラナリアの元素分布
  都立富士高等学校附属中学校
・X 線分析顕微鏡(XGT)を用いた甲虫のオオアゴに蓄積する金属元素の測定
  明大中野高等学校、淑徳巣鴨高等学校、都立小山台高等学校、都立富士高等学校附属中学校
・カイコの幼虫期における赤色光 LED ライトによる成長促進の追究
  茨城県立並木中等教育学校
・セミの鳴き声から学校環境を理解できるか?(Part 2)~ 生息環境と緑被率の関係 ~
  都立富士高等学校附属中学校
・ニワトリ胚を用いた発生初期の仕組みについての研究
  茨城県立水戸第二高等学校
・塩ストレスによるブラッター細胞の活性化
  玉川学園高等部 SSH リサーチ
・養液栽培リーフレタスに及ぼす栄養濃度の影響
  玉川学園高等部 SSH リサーチ
・プラナリアの移動速度が速くなる面はあるのか
  埼玉県立浦和第一女子高等学校
・プラナリアはどの程度面の粗さを見分けられるのか
  埼玉県立浦和第一女子高等学校
・ミジンコの光走性は、集団になると変わるのか
  栃木県立宇都宮女子高等学校
・コオロギの求愛行動
  東京大学教育学部附属中等教育学校
・古典的条件付けを用いたゼブラフィッシュの学習
  埼玉県立浦和第一女子高等学校
・マウスにおける二個体間のコミュニケーションについて
  東京大学教育学部附属中等教育学校
・粘菌の走行性と摂食行動における研究
  法政大学国際高校

 もちろん、先生ばかりではなく専門の研究者や技術者からの指導を受けながらの研究も多いとは思いますが、専門家ではない若者の新鮮な問題意識から新しい研究が育ってくる可能性を感じさせられるタイトルもたくさんあるのがよくわかります。

 当日のプログラムはこちらです。

プログラム
9:30~ 受付開始・ポスター掲示
10:00~12:00 公開シンポジウム(5 号館5 階5534 号室)
12:10~13:00 関東支部総会(5 号館5 階5534 号室)
13:00~14:00 昼休み
14:00~16:00 ポスター発表(5 号館1 階5134・5136・5138 号室)
P-001~P-040 5138 号室、P-041~P-080 5136 号室
P-081~P-122 5134 号室(中・高校生ポスターはP-101 以降です)
奇数番号発表時間 14:00~15:00
偶数番号発表時間 15:00~16:00
16:00~16:30 表彰式(5134 号室)
17:00~19:00 懇親会(5 号館地階食堂)

2019 年 3 月 9 日(土曜日)
中央大学理工学部
後楽園キャンパス
東京都文京区春日 1-13-27

 興味のある方は是非とも当日会場においでください、との主催者からのメッセージです。









by STOCHINAI | 2019-02-25 23:23 | 生物学 | Comments(0)

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