5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

復活するミニパピルス

 夏になると屋外でもグングン成長するミニパピルスですが、マダガスカルあたりが原産地というこの植物はさすがに寒さには弱く、冬は屋内に取り込まないと枯死してしまいます。

 パピルスというとエジプトで紙の起源となった植物という印象が強いですが、エジプトのパピルスは高さが2-3メートルにもなる巨大な抽水植物です。Wikipediaから借りてきたこの写真はロンドンのキューガーデンで栽培されているパピルスです。

復活するミニパピルス_c0025115_22030570.jpg

 この茎を薄く切って繊維を交差するように縦横に重ねて圧縮乾燥して作ったのがパピルス紙です。

復活するミニパピルス_c0025115_22445340.jpg


 同じくWikipediaからの引用ですがこちらは3世紀頃につくられたギリシャのヘラクレス伝説が書かれたパピルス紙です。

復活するミニパピルス_c0025115_22071361.jpg

 パピルスの繊維が縦横に組み合わされている様子がよくわかりますね。

 我が家で栽培しているのは、この紙を作ったエジプトの巨大なパピルスではなく、マダガスカル原産と言われる園芸用の小さなミニパピルスで、大きさはずいぶん違いますが見た目はそっくりです。栽培し始めたころは冬越しするかと思って一部を外に放置してみたこともありますが、さすがにアフリカの植物は札幌の雪の下で生き延びることはできませんでっしたので、冬は室内に取り込んでいます。

 夏と同じように泥の中で栽培することも可能なのですが、去年は高子(タカゴ)という茎の先端のぼんぼりのような部分だけを水の中に入れて栄養生殖で維持して、春になってそこから出てきた新しい芽を泥の中に戻して再生させました。この冬は、株の一部をそのままハイドロボールの中に移して水栽培で過ごさせようと思ったのですが、室内に取り込むタイミングがちょっと遅れたせいでほとんどを枯らしてしまいました。半ば諦めつつもそのまま室内で乾燥しないように維持していたのですが、どうやら中心部は生き延びてくれたようです。

復活するミニパピルス_c0025115_22201379.jpg

 数本、新しい芽が伸びだしてきました。ハイドロボールから新しい芽が2本ほど上に伸びてきています。

復活するミニパピルス_c0025115_22215332.jpg

 まだ白っぽいですが、枯れた茎とは明らかに違うものが伸びてきています。上からのぞきこんで撮ってみました。

復活するミニパピルス_c0025115_22215551.jpg

 右側の白い2本のものがそれです。秋に取り込んだ植物体の茎はみんな枯れているのですが根(地下茎?)が生き残って新しい芽を出してくれたのだと思います。

 まだ上までは顔を出していませんが、ハイドロボールの深いところでも新しい芽が伸びてきています。

復活するミニパピルス_c0025115_22244857.jpg

 あちこちに白い新しい根も見えるので、復活は確実だと思われます。

 一時はあきらめていただけに、これはうれしい知らせでした。

 すぐ近くでは去年の春に花を咲かせたエアプランツのチランジア・カプトメデューサがどうやら今年も花芽を伸ばしはじめているようです。

復活するミニパピルス_c0025115_22290869.jpg

 この株は去年は6月ころに花を咲かせたのですが、こちらはその株の根本から分かれて出てきた新しい株です。この写真をよく見ると向こう側に去年咲いて枯れた花殻がまだそのままになっているのがわかります。2つの株は根本でつながっています。

 植物も調子がいいと毎年咲いてくれますが、いい調子を保たせるのはなかなか大変なのが難しくもあり、また楽しくもあるのがこの世界です(笑)。









by STOCHINAI | 2019-03-05 22:42 | 趣味 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai