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190年間行方不明だったキューバの植物を描いた手稿本が発見された!

 Facebookページで知り、National Geographicのサイトで読みました。

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 190年間も探し続けていたというだけあって、手稿本といってもノートのようなものではなく手書きの原稿であるとはいえ、見た目は立派な図鑑と言えるようなものです。中身はアメリカの女性科学者Wollstonecraftさんがキューバの植物(花や果物)を描いたみごとな植物画と植物学的解説です。しかも立派な表紙がついた3巻本で、原稿なので1セットしかありません。

 Specimens of the Plants & Fruits of the Island of Cuba by Mrs. A.K. Wollstonecraft

 現代の研究者が190年間も探し求めていたものがどこにあるのかわからなかったものなのですが、このたびニューヨークのコーネル大学の書庫で見つかりました。

 これを見つけた人は震えたと思います。それがこんなメジャーな大学の書庫にありながら190年間も誰の目にも触れなかったという事実にも驚きます。

 それよりなにより驚くのはその中に描かれた植物画です。

 そしてさらに嬉しいことに、この手稿のすべてがデジタル化されて世界中の誰でもが自由に見ることができるようになっているのです。こちらからアクセスできます。


 せっかくですので、いくつか馴染みのある植物を再掲させていただきましょう。

 これはトケイソウですね。

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 チョウセンアサガオです。

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 最近は日本の園芸屋さんでも買うことができるクレオメ。

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 ルピナスです。

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 園芸植物としては定番のナスタチウム。

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 そして、なんとナスもありました。

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 最近、日本で栽培されている植物のかなりのものが200年前のキューバにもあった(むしろ、そこから伝来してきた?)ということに改めて不思議な感覚を覚える出会いでした。

 本にすらなっていない手稿本がこうしてデジタルで公開できる現代のテクノロジーにも感謝です。









by STOCHINAI | 2019-04-24 21:32 | 生物学 | Comments(0)

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