5号館を出て

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雨は上がったものの晴れない変な日

 雨が降ろうが、暑かろうが、寒かろうが、一度咲き始めたら一日置きに咲き続けることをやめない「ど根性ツユクサ」は雨上がりの今朝も濡れながら律儀に咲いていました。

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 もうこうなってくるとどこで咲き止むのか、どこでこの周期が崩れるのか、見届けることが私の使命だと思えてきました。そんなことにはおかまいなしに今朝も美しく咲いています。

 オリズルランも次々に開く花が増えてきています。

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 というわけで天気も定まらないので、今日は札幌市の電子図書館でも閲覧してみましょう。

 全部合わせても6600冊くらいで、図書館としては大したボリュームではないので全部をチェックすることも可能だと思うのですが、このくらいの量でも新着でもないのに「おやこんな本があったのか?」という発見はいくらでもあります。

 今回発見したひとつめは「日本語と英語が学べる こどもの絵本ずかん」です。

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 英語がアルファベットとカタカナで表記されています。「ネイティブの発音つき」と書いてあるので音声が出るのかと思ったのですが、どうやらこのカタカナ表記がネイティブっぽいということのようです。

 ちょっと英語を知っている人なら、たしかにこのカタカナをそれっぽく読めばそうなるかもしれません。

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 植物のページをごらんください。どんぐりがacornというのは意外と知らないかもしれません。橋の欄干にある擬宝珠も英語だとacornで、見たことがないかもしれませんが進化的には重要なギボシムシ(擬宝珠虫)という動物はacorn wormということなどを思い出すページです(笑)。

 続いては「美しい人体図鑑」シリーズです。

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 各巻はたかだか50ページくらいの本ですが、豪華な大判カラー写真ばかりでできている図鑑です。全部で6巻からなっています。

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 これがほぼいつでも誰でも借りられる状況というのはうれしいかぎりです。

 第一巻の中にあったマクロファージの走査電子顕微鏡による立体写真です。

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 電子顕微鏡には色がありませんので、エディターで着色しているのですが右側の青い部分が動き回る仮足と呼ばれる部分で、オレンジ色のところに核がはいっています。

 パッと見ると「美しい」写真が並んでいるので眺めているだけで美術鑑賞として楽しめると思うのですが、生物学の専門家が見ると「すごい写真」の連続です。

 何巻目か忘れましたが耳石の走査電子顕微鏡写真もすごいです。

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 「耳石」というと、耳の中にある小さな石ころのようなものだと思っている方が多いかもしれませんが、実はこの写真のように炭酸カルシウムの結晶が砂粒のように寄り集まって塊を作っているのが「耳石」の実体なのです。こんな感じなので意外とちょっとした理由でこの粒粒がバラバラになって飛び散ってしまうこともあり、そんなときには「原因不明」のめまいに襲われるそうです。いきなり原因もわからずにひどいめまいに襲われると不安になると思いますが、そんなときには自分の耳の中の耳石がバラバラになって「重石」としての役割が果たせなくなっているのかもしれません。もしそうだとしたら、しばらく安静にしているとこの結晶の塊が再生してきますのでそれを待つだけでめまいは治ってしまうようです。

 めまいが起こった時と、治るときのことがこの結晶の塊のことを思い出すと納得できるかもしれません。

 この本をみて、ヒトの(自分の)からだの中のことをミクロのレベルで知ることができると病気なども恐ろしくなくなる(あるいは逆にもっと恐ろしくなる?)かもしれませんね。

 秋の夜長の読書の候補のひとつに挙げてもらえると幸いです(笑)。








by STOCHINAI | 2019-08-29 22:20 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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