5号館を出て

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お寒うございます

 昨日はなんと最高気温が15.3℃までしか上がらなかった札幌です。今日はそれほどまでは寒くありませんでしたが、それでも最高気温は20℃に届かない19.5℃でした。

 このくらい寒くなると、屋外の植物の代謝速度もかなり落ちますので、25℃くらいの時には1日で起こっていたことも、2日くらいかかったり、あるいはまったく起こらなくなったりということが起こってきます。

 というわけで私の夏休み自由研究「ツユクサの開花周期について」も結果がぐちゃぐちゃになってきたような気がします。とはいえ、今日も一輪咲きました。これは最初に咲いた枝の先です。

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 寒さのせいか、花も葉もすこし縮こまっています。咲いてくれただけでも感謝したい寒さではあります。

 寒くなってくると夕焼けがきれいになったくるのかもしれません。屋根の間からですが毎日のように姿を変える西の空は見飽きることがありません。

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 反対側の窓から見える丘珠空港の方角にあたる北西の空もぜんぜん違う風景です。

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 昨日、Nature で見ていた論文ですが、今日はAFPのニュースになっていました。

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 以前から帝王切開で生まれた子はアレルギーや喘息になりやすいと言われており、それは腸内細菌が通常分娩で生まれた子と違うことが原因になっているのではないかと言われていたのですがそれを確かめようと行われた長期にわたる研究をまとめた論文です。

 こちらが原著のタイトル部分です。

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 帝王切開で出産すると赤ちゃんは産道を通らないので、通常ならばそこで初めて出会う細菌を飲み込んでそれが赤ちゃんの最初の腸内細菌になるはずのものを飲み込むことができないので新生児の腸内細菌がうまく成立しないことがいろいろな不都合の原因になっているのではないかと、以前から言われていました。

 それでも、そのあと母乳を飲んだりすることでだんだんと腸内細菌も普通の赤ちゃんと同じになると考えられていたのですが、この論文で詳しく解析されています。

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 左のグラフが通常分娩で生まれた赤ちゃんの生後4日、7日、21日そして離乳後の幼児期の腸内細菌の変化です、赤っぽいのが普通の大人(お母さん)の腸内に見られる細菌で青や灰色のものは普通の腸内細菌ではなく、赤ちゃんの状態によっては「日和見感染」を引き起こす可能性もある環境中(外界)にある細菌です。通常分娩で生まれた赤ちゃんの生後すぐの頃から普通の大人が持っている腸内細菌と同じものが便の中に見られるのですが、帝王切開の赤ちゃんは生後すぐに便の中に見られるのは病室内に見られる環境中の細菌が大多数であるという大きな違いが見られます。

 この違いは赤ちゃんを母乳で育てていると離乳期までには正常分娩の赤ちゃんと変わらないくらいになってくるのですが、この新生児期の腸内細菌が赤ちゃんの免疫系などに影響を及ぼして赤ちゃんが将来アレルギーや喘息になりやすくなる原因になるという可能性は否定できないかもしれません。

 話はここまででは終わらず、この出産直後の腸内細菌の違いは今までは赤ちゃんが産道を通る時に飲み込む細菌の有無によると思われていたのですが、この論文ではなんと「出産時、新生児の口が母親の肛門の近くを通過し、ほぼ確実にそこで新生児は細菌を取り込むと思われる」と結論づけています。

 要するに母親の肛門付近に存在する細菌(母親の便の中にいる細菌)が赤ちゃんの腸内細菌のもとになるという衝撃的な結果です。

 今までもウサギやコアラの子どもが母親の便を食べて自分の腸内細菌を確立するという話は聞いていたのですが、なんとヒトでも同じことが起こっているということのようです。

 まあ、考えてみれば合理的な話なのですが、改めて知らされるとかなりインパクトがありますね(笑)。








by STOCHINAI | 2019-09-20 23:03 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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