5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

入学を認めた大学に学生の学力低下を嘆く資格はない

 もう耳にタコができる話題なので、書く側も刺激を強めようとする文調になるのかもしれません。

 全国の国公私立大学の教員に「大学生の学習意欲と学力低下」のテーマでアンケートした結果が発表されたという記事です。タイトルは「大学生の学力低下 教員の6割問題視」で、内容は読まなくても想像できるとおりのものです。

 これに対して、今日行く審議会さんがおっしゃっています。短いので全文引用させていただきます。(おそらく著作権法に違反ですが、お許しください。)

 いつも言うことだが、入学を認めた側の責任は無いのだろうか。学力よりも経営を優先したのはどこの誰か。それを棚に上げてこの問題を議論しても良いのだろうか。大学側が幅広く学生を集めようとするなら、学生の学力が保たれなくなるということは予測できることではないか。それを一方的に学生やそれ以前の教育へ責任を押しつけるのはおかしい。


 まったくその通りだと思います。しかし、アンケートに答えた個々の教員に入学試験で合否を決める権限があることはあまりないだろうと思いますので、この場合の責任は大学当局と文科省が取るべきものだと思います。

 取った以上は、どうやって教育してどこまで引き上げて送り出すのかというしっかりとして「製品管理仕様書」を出すことが必要ですね。

 私も機会がありましたら中から声を出していますが、定員に満たなくても良いではないかという声はいつも笑い飛ばされます。私の印象では、大学当局がもっとも恐れていることのひとつが「定員割れ」のようで、文科省からの指導およびペナルティ(経費削減)もそこと関連づけて行われていることが多いと「聞きます」。(私は小物過ぎて、その件に関する事実にアクセスできません。すみません。)
Commented by kaikai at 2005-11-14 15:40 x
この話題を取り上げていただきありがとうございます。おっしゃるように教員を責めても仕方のないことだと思います。博士の問題でもそうですが、このような状況をつくりだした人が結果に対して責任をとらずに、新しいものを導入したり責任転嫁をしているように思います。
Commented by inoue0 at 2005-11-14 15:47
 定員割れを甘受すべきは学部ではなく大学院でしょう。大学院定員が少なければ、オーバードクターの苦難も、院生指導に大学教員が振り回される多忙さもなくなるのです。
Commented by さなえ at 2005-11-14 19:03 x
ばんばん入れてどんどん落とせばいいのになぜできないのか素人はいつも不思議に思います。入学金も授業料もしっかりと手に出来、しかもやる気のある人間だけが残る。欧米の大学(米の一部の私大は除きます)では当たり前のことがなぜできないのでしょうね。以前書いたかもしれませんが、上の娘の同級生が翌年下の娘の同級生になっていたことがありました。小学生です!学ぶべきことを学んでいないからという理由でした。大学では入学時私の専攻科目は2クラス60人ずつに分かれていましたが、卒業時には合計30人未満に減っていました。そんなものです。
Commented by stochinai at 2005-11-14 19:31
>ばんばん入れてどんどん落とせばいいのに
 教員にもそういう意見の人はかなりおります。入試の苦労もなくなるし、入りたい人ははいれるのだから公平性も保たれると思います。しかし、そうならないのは「上」からのしばりがあるからだと思います。そういう意見を提案すると「上の事情」を知っている方々は「そうはいかないよ」とおっしゃいます。
 「上」にいる方に尋ねると、きっと「国民の声」がそれを許さないとお答えになると思います。国民の声ってどこをつつくと聞こえてくるのでしょう。
Commented by stochinai at 2005-11-14 19:34
 inoue0さん。大学院定員はまだ、増員を続けています。春からは理学部大学院周辺も組織が変わるのですが、我々は妥当と思って申請した以上の数の大学院学生を入学させるように指導されました。信じられますか?これが、日本という国の大学院政策です。
Commented by ぢゅにあ at 2005-11-15 00:11 x
そもそもの高等教育機関としての大学の意義はどこにいっちゃったの?というかんじですね。
記憶はあやふやですが、私立大学で定員が3分の1に満たない場合、国からの補助金はカットされるようになりましたよね?そんな大学が多数あるということに最初驚きましたが、日本の少子化と大学の飽和状態を考えると、大学が定員獲得に躍起になるのも当然ですね。
アメリカの大学がばんばん入学させてるという印象は私にはないのですが、どうなんでしょう。むしろ、大学入試に関してはアメリカの方がシビアでそれなりの大学に入るためには小学校から心構えが必要と聞いたことがあります。学力だけでなく、どのようなアクティビティ(習い事やクラブ活動など)に参加してきたかなど個人としてのプラスアルファが評価の対象になるからです。親のPTA活動も評価対象になるからと親も必死です。一発勝負で入れてしまう日本の大学の方がある意味寛容であるといえますね。心構えという点で大きく違ってくるのかもしれません。
余談ですが、日本の学生が勉強しないのは自分で学費を払ってないのも一因かも(ハハハ)
Commented by さなえ at 2005-11-15 07:28 x
アメリカとカナダしか知りませんが、昔の共通一次のような試験がありそれに通るとその点数をもって大学に申し込みます(米とカ共通です)。カナダは公立のみで学費は安いが入ってからが厳しいです。学校のランクなどの情報を見ながら数校に出せば、いくつか受け入れ校が見つかります。最上位に位置するIVリーグは学費も敷居も高く、それなりの活動をしていなければなりませんが。奨学金の種類もローンも多いですし、社会人も多く混じっています。日本の親は甘く、子供は当然と甘え、政治は厳しいといったところでしょうか。
by stochinai | 2005-11-14 14:31 | 教育 | Comments(7)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai