2005年 12月 12日
安い牛肉でロシアン・ルーレット
いよいよ米国・カナダ産牛肉の輸入が再開されることになりました。なんと2年間も米国産牛肉なしでやってきたんですね。それにもかかわらず、少なくとも大多数の国民が困っているというふうな話は聞いていなかったと思います。つまり、日本という国は米国産牛肉なしでもやっていけることが証明された2年間だったとも言えるのではないでしょうか。
しかし、我々国民が選んだ政府が米国との関係を重視して、多少の不安が残っていたとしても、日米関係のためには輸入再開をするのが良いと決めたことですし、政府が決めたということは政府が責任を取ると表明したことでもありますので、賛成・反対いろいろな意見はあるかもしれませんが、決定には正当性があるのだと思います。
ただし、米国・カナダ産の牛肉については、1)生後20カ月以下の牛、2)BSEの病原体がたまる危険部位を除去するという条件が付けられていますので、それをどうやって管理・監督していくかということが問題になります。
どうも、ニュースを聞いている限りでは、そうした処置について日本が監督するのではないようなのが、気にはなります。日本政府(農水省)が米国とカナダ政府に的確な対応を要請したという共同通信発の記事がありましたが、牛肉を食べる際にBSEの心配をすることを「非科学的」とおっしゃる米国に関してはあまり信頼がおけないような気がしますので、日本政府(農水省・厚労省)による抜き打ち検査や監視をお願いしたいところです。
上のニュースでは農水省の宮腰光寛副大臣・BSE対策本部長の談話として「輸入条件の順守を確認する査察、国民への情報提供、原産地表示の推進など食の安全・安心を確保するため、全力で取り組む」とおっしゃっていますので、そこのところは是非とも徹底をお願いいたします。
2001年の国産牛BSE騒動の時には、ウシの全頭検査が始まるとともに、政府による国産牛肉の買い取り事業が始まるや、雪印・日本食品・日本ハム・ハンナンなどの牛肉偽装事件が続発したことはまだ記憶に新しいところです。
牛肉ばかりではなく、マンションやホテルの耐震データまでも偽装する我々の国のことですから、アメリカ・カナダ産の牛肉の売れ行きが悪いとなると、オーストラリア産や国産牛と偽装することなどは簡単に行われそうで、非常に不安なものがあります。
今から、牛肉産地の偽装に関しては特別立法でも作って、発覚したら雪印食品と同じように会社を解散させるくらいの強い姿勢を示しておいては如何でしょうか。
さて雪印食品の牛肉偽装問題というと、内部告発して倒産を余儀なくされた冷凍倉庫会社の西宮冷蔵のことを思い出します。今でも、時々思い出したようにテレビの報道番組で取り上げられたりもしているようですが、相変わらず苦しい状況は続いているようです。仕事を頼む会社は依然として少なく、倉庫の空きは埋まらず「内部告発」という本を売っておられる毎日なのかもしれません。
新しい情報かどうかはわからないのですが、Freelancer Like Croton Leavesブログで西宮冷蔵のことが取り上げられていました。おそろしくプリミティブなホームページなのですが、「『西宮冷蔵を再建する会』発足の案内」と、「三井環からのお願い 正義を貫く、西宮冷蔵を応援してください!!」が載っていましたので、ここにも転載させていただきます。
私としては、国民をだまし税金泥棒しようとした雪印食品を、社長さんが内部通報者として告発した西宮冷蔵という会社がに、その後仕事がこなくなったという状況を非常に寂しく思います。もちろん、それだけではなく内部通報というものが日本という国では肯定的に評価されないということになると、正義のための内部通報をしようと思っている人の勇気をそぐことになる効果の方がとても心配です。
米国産牛肉をそれと知って購入して食べる場合には自己責任ですし、たとえロシアンルーレットだとしても、宝くじに当たるくらいの確率だとするなら安い牛肉を腹一杯食べたいという方がいても、それは良いのではないでしょうか。
ただし、偽装されたりした場合は話が違います。たとえ発症の確率は限りなく低いとしても、本人がそれと知らずに食べさせられたものによって発症したなどどいうことになったら、血友病治療薬にウイルスが混入していた薬害エイズ事件を例に出すまでもなく、史上最大の食品スキャンダルになることは間違いないと思います。
それを防ぐためには、すべての牛肉に産地・輸入経路などが表示されること、食品を扱う人のモラルの向上を奨励すること、違反者は厳罰に処すること、内部通報者には手厚い生活保護がされること、食品に関しては官民を問わずに抜き取り検査を頻繁に行うこと、協定違反があったら直ちに輸入を禁止することなど、基本的に厳戒態勢を継続し続ける覚悟が必要だろうと思います。
特に、抜き取り検査に関しては政府に任せるだけではなく、安全な食品を食べたいということであれば、民間でも検査した上で安全性証明書を付けるなどすれば、付加価値がついて多少高くても売れる牛肉になることは間違いないと思います。
安全はタダでは手に入らないのだと覚悟する必要があると思います。
しかし、我々国民が選んだ政府が米国との関係を重視して、多少の不安が残っていたとしても、日米関係のためには輸入再開をするのが良いと決めたことですし、政府が決めたということは政府が責任を取ると表明したことでもありますので、賛成・反対いろいろな意見はあるかもしれませんが、決定には正当性があるのだと思います。
ただし、米国・カナダ産の牛肉については、1)生後20カ月以下の牛、2)BSEの病原体がたまる危険部位を除去するという条件が付けられていますので、それをどうやって管理・監督していくかということが問題になります。
どうも、ニュースを聞いている限りでは、そうした処置について日本が監督するのではないようなのが、気にはなります。日本政府(農水省)が米国とカナダ政府に的確な対応を要請したという共同通信発の記事がありましたが、牛肉を食べる際にBSEの心配をすることを「非科学的」とおっしゃる米国に関してはあまり信頼がおけないような気がしますので、日本政府(農水省・厚労省)による抜き打ち検査や監視をお願いしたいところです。
上のニュースでは農水省の宮腰光寛副大臣・BSE対策本部長の談話として「輸入条件の順守を確認する査察、国民への情報提供、原産地表示の推進など食の安全・安心を確保するため、全力で取り組む」とおっしゃっていますので、そこのところは是非とも徹底をお願いいたします。
2001年の国産牛BSE騒動の時には、ウシの全頭検査が始まるとともに、政府による国産牛肉の買い取り事業が始まるや、雪印・日本食品・日本ハム・ハンナンなどの牛肉偽装事件が続発したことはまだ記憶に新しいところです。
牛肉ばかりではなく、マンションやホテルの耐震データまでも偽装する我々の国のことですから、アメリカ・カナダ産の牛肉の売れ行きが悪いとなると、オーストラリア産や国産牛と偽装することなどは簡単に行われそうで、非常に不安なものがあります。
今から、牛肉産地の偽装に関しては特別立法でも作って、発覚したら雪印食品と同じように会社を解散させるくらいの強い姿勢を示しておいては如何でしょうか。
さて雪印食品の牛肉偽装問題というと、内部告発して倒産を余儀なくされた冷凍倉庫会社の西宮冷蔵のことを思い出します。今でも、時々思い出したようにテレビの報道番組で取り上げられたりもしているようですが、相変わらず苦しい状況は続いているようです。仕事を頼む会社は依然として少なく、倉庫の空きは埋まらず「内部告発」という本を売っておられる毎日なのかもしれません。
新しい情報かどうかはわからないのですが、Freelancer Like Croton Leavesブログで西宮冷蔵のことが取り上げられていました。おそろしくプリミティブなホームページなのですが、「『西宮冷蔵を再建する会』発足の案内」と、「三井環からのお願い 正義を貫く、西宮冷蔵を応援してください!!」が載っていましたので、ここにも転載させていただきます。
私としては、国民をだまし税金泥棒しようとした雪印食品を、社長さんが内部通報者として告発した西宮冷蔵という会社がに、その後仕事がこなくなったという状況を非常に寂しく思います。もちろん、それだけではなく内部通報というものが日本という国では肯定的に評価されないということになると、正義のための内部通報をしようと思っている人の勇気をそぐことになる効果の方がとても心配です。
米国産牛肉をそれと知って購入して食べる場合には自己責任ですし、たとえロシアンルーレットだとしても、宝くじに当たるくらいの確率だとするなら安い牛肉を腹一杯食べたいという方がいても、それは良いのではないでしょうか。
ただし、偽装されたりした場合は話が違います。たとえ発症の確率は限りなく低いとしても、本人がそれと知らずに食べさせられたものによって発症したなどどいうことになったら、血友病治療薬にウイルスが混入していた薬害エイズ事件を例に出すまでもなく、史上最大の食品スキャンダルになることは間違いないと思います。
それを防ぐためには、すべての牛肉に産地・輸入経路などが表示されること、食品を扱う人のモラルの向上を奨励すること、違反者は厳罰に処すること、内部通報者には手厚い生活保護がされること、食品に関しては官民を問わずに抜き取り検査を頻繁に行うこと、協定違反があったら直ちに輸入を禁止することなど、基本的に厳戒態勢を継続し続ける覚悟が必要だろうと思います。
特に、抜き取り検査に関しては政府に任せるだけではなく、安全な食品を食べたいということであれば、民間でも検査した上で安全性証明書を付けるなどすれば、付加価値がついて多少高くても売れる牛肉になることは間違いないと思います。
安全はタダでは手に入らないのだと覚悟する必要があると思います。
♪ふたたび、こんばんは。
耐震偽造の教訓からすると、内部告発者の保護なんて甘いことを言わずに、不正を告発したら表彰してあげるぐらいしても良いかも知れません。(ただし金銭的なご褒美は無しで、あくまで褒めるだけですが、笑)
しかし、たった一人の指導者のせいで、こんなにもいやな社会になるのですね。
国民の多くが望んだ結果なので仕方がありませんが。
耐震偽造の教訓からすると、内部告発者の保護なんて甘いことを言わずに、不正を告発したら表彰してあげるぐらいしても良いかも知れません。(ただし金銭的なご褒美は無しで、あくまで褒めるだけですが、笑)
しかし、たった一人の指導者のせいで、こんなにもいやな社会になるのですね。
国民の多くが望んだ結果なので仕方がありませんが。
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内部告発した人間が失業したり村八分に遭うような社会は絶対におかしいと思うのですが、どういうことなのでしょうか。正義よりも「和」を大切にするのが日本という国なのでしょうか。倫理なき国家では国際社会で名誉ある地位を得ることなど永久にできない気がします。国連の常任理事国なんて、夢のまた夢です。
世間の人間は忘れっぽいから、すでに雪印食品が何をしたのかを忘れ始めてるようですが、同様の事件は続発してます。つい先日も裁判が結審して判決を待つばかりの豚肉関税脱税事件も、似たようなものです。複雑な食肉流通制度を悪用して、不当利益をせしめた。裁判の過程で、被告は「関税の脱税ぐらいはみんなやってる」と証言してます。
食肉業界の関係者は誰も反省なんてしてないんです。詐欺罪だから最高刑は10年、初犯なら懲役3年で執行猶予つきでしょう。
食肉業界の関係者は誰も反省なんてしてないんです。詐欺罪だから最高刑は10年、初犯なら懲役3年で執行猶予つきでしょう。
脱税だけなら人は死なないかもしれませんが、プリオン汚染肉が偽装されたらたまりません。でも、今の日本なら十分に起こる可能性があると思われるのが恐ろしいです。

これはメーカーにとっては「ヤバイ」サイトかもしれません(笑)。すごいですね。玉石混淆だとしても、2チャンネルも役に立つ証明みたいなもんでしょうか。自己責任で、ご利用ください。
狂牛病で問題は危険部位の脳や脊髄の処理ですが、それがちゃんとやられているかどうか?ですね。まあ日本人は牛食べなくても平気なんですが、、、
アメリカでは、背割りしたあと大量の水で洗うんだそうですね。それで大丈夫なんでしょうか。背割りそのものが怖い気がします。

生後何十ヶ月までは検出できないからOKという理屈が分からないのです。感染していても分からないんですよね?だったら、もう少し育てて、感染していたら検出できる月齢になってから調べた上で輸入するということに、どうしてならないのでしょうか?

輸入再開のニュースは今朝のNPRでもやっていました。「日本はBSEを懸念して輸入を中止していたが…」って、よく考えるとアメリカ国内の問題としてBSEを取り上げている報道はほとんどないように思います。関心がないのか、意識して報道しないのか?鳥インフルエンザに関しては非常に賑わってるんですがね。
大統領の姿勢ですかね。トリインフルエンザは薬産業が大もうけできそうな話題ですし、BSEはアメリカでは誰ももうけることはできなさそうな話題ですものね。
halさんのおっしゃることはもっともですが、若いウシほどおいしいということもあるのでしょうね。
ニュースを見ると、アメリカの業者で全頭検査をする用意をしているところもあるようでしたので、とりあえずその業者だけからは輸入を許可するという方法もあったと思います。(まあ政治の話ですから、「理論」だけで動くものではないのでしょうが、、、。)
ニュースを見ると、アメリカの業者で全頭検査をする用意をしているところもあるようでしたので、とりあえずその業者だけからは輸入を許可するという方法もあったと思います。(まあ政治の話ですから、「理論」だけで動くものではないのでしょうが、、、。)
TBありがとうございました。
西宮冷蔵はほんとに気の毒ですね。これは国と会社レベルですが、ある会社とその従業員の場合でも、内部告発した従業員が冷遇されるということは往々にしてあります。中にはトナミ運輸の方のように裁判で地位を保全(だったかな)できるケースもありますが。確か内部告発者を保護する法もできたはずなのに、西宮冷蔵は対象外の扱いなのかな。
NHKの「クローズアップ現代」で「アメリカ産牛肉安全をどう確保するのか」という内容の放送があったようで、アメリカの管理体制が以下にずさんか指摘されたようです。詳しくは下のSo-netのブログで。
http://blog.so-net.ne.jp/cadblog/2005-12-14
西宮冷蔵はほんとに気の毒ですね。これは国と会社レベルですが、ある会社とその従業員の場合でも、内部告発した従業員が冷遇されるということは往々にしてあります。中にはトナミ運輸の方のように裁判で地位を保全(だったかな)できるケースもありますが。確か内部告発者を保護する法もできたはずなのに、西宮冷蔵は対象外の扱いなのかな。
NHKの「クローズアップ現代」で「アメリカ産牛肉安全をどう確保するのか」という内容の放送があったようで、アメリカの管理体制が以下にずさんか指摘されたようです。詳しくは下のSo-netのブログで。
http://blog.so-net.ne.jp/cadblog/2005-12-14

確かに背割りした時点で、もし、感染した牛が居たら、思いっきり(異常)プリオンが飛び散っていそうですねぇ(笑)。
プルシナー博士は、全頭検査を支持しているんですよね? うろ覚えですが、昔、全頭検査をしてでも日本へ輸出しようとした業者が、アメリカ政府の圧力に屈して断念したというような話がありませんでしたっけ?
結局、例によって、誰かの利権を守ることが政治的に優先されているんですね、きっと。
プルシナー博士は、全頭検査を支持しているんですよね? うろ覚えですが、昔、全頭検査をしてでも日本へ輸出しようとした業者が、アメリカ政府の圧力に屈して断念したというような話がありませんでしたっけ?
結局、例によって、誰かの利権を守ることが政治的に優先されているんですね、きっと。
>感染した牛が居たら、思いっきり(異常)プリオンが飛び散っていそう
電気ノコギリで切ってますから、そうでしょうね。
>全頭検査をしてでも日本へ輸出しようとした業者
テレビに出ていたのはその人だと思います。設備にビニールがかけられて使ってませんとか言ってましたから。
電気ノコギリで切ってますから、そうでしょうね。
>全頭検査をしてでも日本へ輸出しようとした業者
テレビに出ていたのはその人だと思います。設備にビニールがかけられて使ってませんとか言ってましたから。
by stochinai
| 2005-12-12 20:42
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