2023年 05月 21日
5月21日法事(追伸:暦が変わりました)
今回の秋田への旅行の主目的は21日日曜日に行われた、義父の13回忌と義母の3回忌のためでした。










両親のお墓は浄土宗の本念寺というお寺にあったのですが、非常に歴史の古いお寺で元和2年(1616年)に良無文廓上人という方が開基されたとも言われていますが、はっきりとした歴史的資料は残っていないそうです。それでも、現在のところにお寺が移ってきて寺院が新築されたのは400年くらい前だと言われていた名刹でした。
それが昨年の11月4日に日中の火災であっという間に焼け落ちてしまったことは、ライブ映像を含めて全国ニュースになったので記憶しておられる方もいるかもしれません。
これがその時の読売新聞ニュースの映像スクリーンショットです。

築400年の木造寺院ですから、お察しの通りあっというまに燃え落ちてしまいました。日中の火災だったことも幸いしてか、軽い怪我をした方はお二人ほどいたようですが、犠牲者は出ずにすんだとのことです。
本堂は全焼してしまいましたが、他の建物への延焼は阻止され2時間ほどでほぼ消火され、5時間半くらいで完全に鎮火されたということです。
焼け落ちたお寺でどうやって法要を行うのかと、私も不安だったのですが、本堂の横にある小さな建物(阿弥陀堂?)が延焼を免れており、10人くらいの参列する法要などはかろうじてできるようでした。
焼け落ちた本堂はすでにきれいに片付けられており、まわりの墓石だけを見ると、閑静な墓地のようにも見えます。

しかし、本堂があったところは更地になっておりましたが、いまだに生々しい火災の跡がはっきりと残っています。

本堂の周りにはびっしりとお墓があったので、建物の近くにあった墓石はかなりの熱を浴びたものと思われます。当日の秋田放送のニュース映像でも火のそばにある墓石が映っていました。

この左側に見える黒い墓石はさすがに焼け落ちることはなかったようですが、そばで見るとやはりかなり火によってダメージを受けているようでした。この映像のキャプチャー画面の火に近い側の墓石と思われるものがこれだと思います。

熱を浴びて割れているようでした。なかなかショッキングな火災の爪痕です。
そんな火災があったところでも、植物は再生していて、こちらはちょっと和まされる気分でした。

おそらくヒメジョオンだと思います。たくさんの花を咲かせていました。
驚いたことに本堂の横にあった庭園の木々もほとんどが無傷で残っていました。

石灯籠なども倒れたのか、土台から外されて横に置かれていましたが、これもまた積み直せば再建できそうにも思えます。
木でできた本堂は跡形もなくなったとしても、生き物である植物などは意外なほど強く、復活もできているようでした。
寺院の復興はなかなか難しいようすが、信仰する人間が生き残っていさえいれば、この先も何百年も浄土宗は途絶えることなく続く可能性はあると思いました。これが、宗教ですね。
木と紙で作られてきた日本の建物はあっさりと燃え尽きてしまうことを繰り返しても、伝統というものは子孫さえ生き残れば何百年でも何千年でも意外とタフにつながっていくのかもしれません。
宗教の強さを感じさせられる旅でもありました。
この日は、夜に札幌に戻ってきましたが、新千歳空港が霧で降りられなかったら秋田に戻ります、という警告を受けながらも飛んで戻ってくることができました。霧で降りられないかもしれないという警告があながち誇大ではないかもしれないと思わせられるほど、新千歳空港は霧の中に沈んでいたのでした。

ともかく、日曜日中には我が家にたどりつけました。
自分にお疲れさまでした、を(笑)。
【追伸:季節が変わりました】
夏も立夏から小満へと移り、初候は「かいこおきてくわをはむ 蚕起食桑」です。

送られて来た絵が素敵なので、そちらも転載します。

by STOCHINAI
| 2023-05-21 23:59
| その他
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