5号館を出て

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札幌も大雪

 数日前までの札幌は、ほとんどの地域で去年に比べるとかなり積雪が少ない状況でした。本州の日本海側では観測史上始まって以来の豪雪になっているニュースを聞きながら、積雪の中心が今年は南にずれているのかと思ったりもしていました。

 去年は平年よりも雪が多かったので、それと比べると今年は雪の少ない年なのかと油断していたことも事実です。

 ところが、昨日今日と降り続いている雪で、積雪はあっという間に平年並みあるいはそれ以上になってしまいそうな勢いです。少しずつ降って、だんだんと雪が増えていくというパターンだとそれほどの被害感はないのですが、こんな風に短期間にドカッと降られると、その対応にはかなり消耗を要求されます。

 今日も結局、5-6時間も雪と格闘していましたが、やるべきことがすべて終わったわけではありません。除雪作業をしている間にも新しい雪が降り積もりますし、カーポートやガレージや物置など、耐重量度に不安がある構造物の屋根に積もった雪の処理もしなくてはなりません。今日は休日だったのが不幸中の幸いなのですが、今もまだ降り続いていますので、明日の成人の日も除雪三昧ということになりそうです。

 一般道路の除雪も追いついていないようで、主要道路以外の道は夜を徹しての除雪が続くのだと思います。朝起きた時に、除雪車が除けた雪が家の玄関をふさいでいるのを見るとがっかりしますが、ズブズブと埋まりながらもそこを乗り越えて新聞を配達してくれた人の足跡を見ると、これもまた申し訳ない気がします。唐突なようですが、こんなことも印刷されて配達される新聞がいずれなくなる理由の一つになるでしょう。

 地震や台風と違ってゆっくりと進行するのでついつい油断しがちになりますが、その規模と深刻な被害を考えると雪害に対する防災対策も今後の重要な課題になるべきだと思います。タイミングの良いことに、今月と来月のサイエンス・カフェ札幌は関係の深いテーマが連続して取り上げられます。

2006年1月13日「もしものときの科学~地震防災について」
2006年2月10日「雪の有効利用」

 第4回ののサイエンスカフェは今週の木曜日です。
■第4回となる1月は、「地震と津波」がテーマ
 1月のサイエンス・カフェ札幌では、北海道大学 地震火山研究観測センターの2名の研究者、北海道大学大学院理学研究科/地震火山研究観測センター長の笠原稔さんと北海道大学 地震火山研究観測センターの谷岡勇市郎さんをゲストに迎え地震と津波について、お話をうかがいます。司会は、元NHK記者で阪神淡路大震災など豊富な災害取材の経験を持つ、北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット特任教授の隈本邦彦が行います。

 札幌で地震は起きないのか?地震情報はどう読む?地震予知の研究はどうなっているのか?わたしの家の耐震性は大丈夫?小さい津波は怖くない?など、地震と津波に関する素朴な疑問から最先端の研究成果まで、ゲストといっしょに語り合いましょう。

日時:2006年1月13日(金)午後6時~7時30分
   (開場は午後5時30分)
場所:紀伊國屋書店札幌本店 1階インナーガーデン
   (札幌市中央区北5条西5-7)
参加費:無料(申し込み不要です。当日直接会場へお越しください)

 
 黙々と除雪作業をしていると、いろいろなことを考えるものです。特に頭を使う作業ではないので、余った頭脳でついついいろいろなことを考えたりもしてしまいます。除雪をする地方の人としない地方の人では、哲学的な人間になる人間の割合が違うのではないかと思ったりもします。

 こんなふうに思索の時間として意外な利点もある除雪なのですが、残念なことに若者はあまり貢献していないという事実があります。またマンション住まいの人もあまり除雪をする必要もないようです。こうして、雪国では、すでに経験と知識を蓄えた老齢の人材だけがますます哲者的になっていき、せっかくの思索結果が次世代に伝えられることもなく断絶していくような気がします。

 孤独に除雪をしていると、ついついこんな悲観的な考えが頭をもたげます。

 さて、明朝の除雪の為の体力を蓄えるためにそろそろ寝ないとダメですね。
by stochinai | 2006-01-08 23:55 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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