2006年 01月 25日
BSE、背骨混入、カナダ4例目、日本22例目
米国から輸入された牛肉に背骨が混じっていたために、輸入禁止措置がとられたことで、アメリカ側はいちおう輸入解禁に際して日米で交わされた輸入基準の合意に違反していたことは認めつつも、21日に踊る新聞屋ー。さんが予言したとおり、逆切れ開始のようです。
来日したJ・B・ペン米農務次官は24日、米大使館で記者会見し、米国産牛肉の安全性に関して、「BSE(牛海綿状脳症)のリスクは自動車事故よりはるかに低い。日本の消費者が適切な判断をすると信じている」と述べたそうです。(読売オンライン)ついでに、「日本では22頭のBSE感染牛が確認されたと聞いている。米国では2頭だけだ」とも言っていますが、日本で前頭検査をしていることを無視し(知らない?)、日本よりもアメリカのウシの方が健康だというようなニュアンスの愚かな見解を延べています。
一方、彼がいうように日本国内では22頭目の感染牛が発見されたのですが、その発表が23日ですので良く調べているものだと感心しました。感染牛は「雌のホルスタインで、肉骨粉が餌として禁止される前の2000年9月1日に生まれ、北海道別海町で飼育されていた」ものだそうです。
さらに、アメリカのおとなりカナダでも4例目の感染牛が発見されています。意外と知られていないのですが、カナダからの輸入も米国産と同じ扱いを受けていて2003年から日本への輸入が停止されていました。そして、昨年12月の米国産の牛肉とともに輸入が再開されています。しかし、先日の背骨混入事件はアメリカのものだったので、カナダ産の牛肉の輸入は今でも継続されています。
ホリエモン事件のせいで、あまり大きく報道されていませんが、現在の日本政府の苦手な部分のひとつが外交です。しかし、せっかくアメリカに対して強く出ることのできるカードを手にしたのですから安易に輸入再開しないということが良いと思います。
アメリカ人のBSEに対する感受性の鈍さには驚くべきものがあり、学者や医者でさえも「事故という意味においては飛行機が自動車よりも安全であるのと同じように、牛肉を食べてBSEになる確率を考えると自動車事故に会うよりも確率は低い」というような乱暴なことを言いながら平気で食べる人が多いと聞きます。もちろん、牛肉は食べませんという米国人もいるようですが、おせっかいな米国人は本気になって、我々日本人がウシの全頭検査をしていることを非科学的だと哀れんでアドバイスしてくれようとしているのかもしれません。
しかし、我々の国が選んだ全頭検査はいわば日本の食文化であり、科学と非科学・迷信というようなレベルで議論されるべきものではないと思います。
靖国問題については絶対に外圧で意見は曲げないという我らが総理ですから、外圧で我々の食文化を変えるなどということを決めることは絶対にしないと信じております。
何を食べるかということくらい自分たちで決めたいものです。価格破壊という名で、貧乏人に強制的に安いものを食べさせることもやめていただけるとありがたいです。
来日したJ・B・ペン米農務次官は24日、米大使館で記者会見し、米国産牛肉の安全性に関して、「BSE(牛海綿状脳症)のリスクは自動車事故よりはるかに低い。日本の消費者が適切な判断をすると信じている」と述べたそうです。(読売オンライン)ついでに、「日本では22頭のBSE感染牛が確認されたと聞いている。米国では2頭だけだ」とも言っていますが、日本で前頭検査をしていることを無視し(知らない?)、日本よりもアメリカのウシの方が健康だというようなニュアンスの愚かな見解を延べています。
一方、彼がいうように日本国内では22頭目の感染牛が発見されたのですが、その発表が23日ですので良く調べているものだと感心しました。感染牛は「雌のホルスタインで、肉骨粉が餌として禁止される前の2000年9月1日に生まれ、北海道別海町で飼育されていた」ものだそうです。
さらに、アメリカのおとなりカナダでも4例目の感染牛が発見されています。意外と知られていないのですが、カナダからの輸入も米国産と同じ扱いを受けていて2003年から日本への輸入が停止されていました。そして、昨年12月の米国産の牛肉とともに輸入が再開されています。しかし、先日の背骨混入事件はアメリカのものだったので、カナダ産の牛肉の輸入は今でも継続されています。
ホリエモン事件のせいで、あまり大きく報道されていませんが、現在の日本政府の苦手な部分のひとつが外交です。しかし、せっかくアメリカに対して強く出ることのできるカードを手にしたのですから安易に輸入再開しないということが良いと思います。
アメリカ人のBSEに対する感受性の鈍さには驚くべきものがあり、学者や医者でさえも「事故という意味においては飛行機が自動車よりも安全であるのと同じように、牛肉を食べてBSEになる確率を考えると自動車事故に会うよりも確率は低い」というような乱暴なことを言いながら平気で食べる人が多いと聞きます。もちろん、牛肉は食べませんという米国人もいるようですが、おせっかいな米国人は本気になって、我々日本人がウシの全頭検査をしていることを非科学的だと哀れんでアドバイスしてくれようとしているのかもしれません。
しかし、我々の国が選んだ全頭検査はいわば日本の食文化であり、科学と非科学・迷信というようなレベルで議論されるべきものではないと思います。
靖国問題については絶対に外圧で意見は曲げないという我らが総理ですから、外圧で我々の食文化を変えるなどということを決めることは絶対にしないと信じております。
何を食べるかということくらい自分たちで決めたいものです。価格破壊という名で、貧乏人に強制的に安いものを食べさせることもやめていただけるとありがたいです。
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at 2006-01-25 23:16
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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ぢゅにあ
at 2006-01-25 23:25
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数日前のNPRでは「再びの輸入禁止はアメリカのミスによるもの」とかなり謙虚な内容でしたが、逆ギレしてるとは知りませんでした。
アメリカでは逆に魚(マグロやタラなど)の食べ過ぎはよくない(水銀濃度が高いため)なんてことをよく聞きます。日本人が聞いたら何言ってるの?っていうのと似てるんでしょうか?
アメリカでは逆に魚(マグロやタラなど)の食べ過ぎはよくない(水銀濃度が高いため)なんてことをよく聞きます。日本人が聞いたら何言ってるの?っていうのと似てるんでしょうか?
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chankin1 at 2006-01-26 01:50
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inoue0 at 2006-01-26 05:23
くらべるなら、西ナイル熱、マラリア、デング熱、日本脳炎といった新興・再興伝染病でしょう。間違いなくBSEよりリスクが高い。なにしろずっと多くの人が死んでいる。今、現在の危険です。
すでに日本に入ってきている感染症についても、インフルエンザワクチン接種には健常人には補助が出ませんし、結核の新規罹患者はいまだに毎年30000人もいるのです。患者総数は70000人、死亡者は2300人。
vCJD対策に国費を毎年数千億円も使うなら、既存の感染症対策にもっと金を使えよコンチクショーというのが医療関係者の大方の気持ちじゃないでしょうか。
すでに日本に入ってきている感染症についても、インフルエンザワクチン接種には健常人には補助が出ませんし、結核の新規罹患者はいまだに毎年30000人もいるのです。患者総数は70000人、死亡者は2300人。
vCJD対策に国費を毎年数千億円も使うなら、既存の感染症対策にもっと金を使えよコンチクショーというのが医療関係者の大方の気持ちじゃないでしょうか。
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stochinai at 2006-01-26 18:42
アメリカ人はビーフと車を捨てることはできません。同じように日本人はマグロやタラを捨てられないので、お互いに自分の捨てられないものを守るということになるんでしょうね。
いろいろな感染症がありますが、やはり食物ルートではいると考えられるのでBSEがこんな騒ぎになるのだと思います。統計的に考えながら日本人全体の命を守るということになると、inoue0さんがおっしゃるようになると思います。おそらく、アメリカの論理もそれと似ていると思いました。
いろいろな感染症がありますが、やはり食物ルートではいると考えられるのでBSEがこんな騒ぎになるのだと思います。統計的に考えながら日本人全体の命を守るということになると、inoue0さんがおっしゃるようになると思います。おそらく、アメリカの論理もそれと似ていると思いました。
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ハニーm
at 2006-01-28 18:43
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このテーマを拝見し、「海洋牧場」の現況が気になって検索するうち、世界汚染地図というものがあるはずだと方向転換すると、何とも私にはコメントが難しいアメリカの記事に出会いました。2000年と古いですが紹介させて頂きます。(英語の地図サイトは退却しました。)
『環境汚染地図が作成できるソフト登場』 http://hotwired.goo.ne.jp/news/print/20000925306.html 『HUD環境地図はこうした情報を誰にでも与えてくれる。最も貧しい地域に住む人にも。情報は力だ。HUD環境地図は、環境汚染から子どもを守りたくても、弁護士を雇う高額な費用を出せない人々に、新たな力を与えるために開発されたものだ」とヘイズ氏は語る。 ...』 確かに「情報は力」かもしれませんが……
「新しい高校生物」すみません、まだ手にしておりません。
『環境汚染地図が作成できるソフト登場』 http://hotwired.goo.ne.jp/news/print/20000925306.html 『HUD環境地図はこうした情報を誰にでも与えてくれる。最も貧しい地域に住む人にも。情報は力だ。HUD環境地図は、環境汚染から子どもを守りたくても、弁護士を雇う高額な費用を出せない人々に、新たな力を与えるために開発されたものだ」とヘイズ氏は語る。 ...』 確かに「情報は力」かもしれませんが……
「新しい高校生物」すみません、まだ手にしておりません。
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kamo
at 2006-01-29 00:10
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一つ質問があります。
CoSTEPというのは, 「全頭検査はいわば日本の食文化だ」と言う人達に対し, 「科学的にはこれこれこういうことなんですよ」と説明できる人間を養成することを目的としているのではないのですか?
CoSTEPというのは, 「全頭検査はいわば日本の食文化だ」と言う人達に対し, 「科学的にはこれこれこういうことなんですよ」と説明できる人間を養成することを目的としているのではないのですか?
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ハニーm
at 2006-01-29 02:11
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科学に疎いか苦手な人でも、何かを購入する時、多かれ少なかれチェックしますね。主婦だと家族の健康と安全ために注意を払い、国は自国民を守るために検査をしてくれるのだから有難いことです。
「日本の食文化」とは考えず、生き(ていた)ものを商品とする国家レベルの取引だから、かくありなんと受け止めていましたが…
会社等でも、例えば納品した報告書に問題があったり、信用を落としたら、以後、当分厳しい眼で吟味されるはずです。
「日本の食文化」とは考えず、生き(ていた)ものを商品とする国家レベルの取引だから、かくありなんと受け止めていましたが…
会社等でも、例えば納品した報告書に問題があったり、信用を落としたら、以後、当分厳しい眼で吟味されるはずです。
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ハニーm
at 2006-01-29 10:58
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これで止めますので、普通の一消費者の感想を少し知って頂けませんか。
(米国産の牛だから云々ということではなく)
日本の食生活、食習慣との違い → 栽培や製造、処理、加工方法の違い
→ 危険認識の差異、ズレ
グレーゾーン・不安を、安全・安心に導く科学技術者や然るべき機関の公正・
中立性はもちろん、分析・調査等の高度な科学技術水準の恩恵に預かり、信頼に
基づいて暮らしていることに感謝しなければと思います。
政情不安・紛争の中では、まず飢えが問題ですから。
(米国産の牛だから云々ということではなく)
日本の食生活、食習慣との違い → 栽培や製造、処理、加工方法の違い
→ 危険認識の差異、ズレ
グレーゾーン・不安を、安全・安心に導く科学技術者や然るべき機関の公正・
中立性はもちろん、分析・調査等の高度な科学技術水準の恩恵に預かり、信頼に
基づいて暮らしていることに感謝しなければと思います。
政情不安・紛争の中では、まず飢えが問題ですから。
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stochinai at 2006-01-29 17:16
kamoさん、良く読んでいただけるとわかると思いますが、CoSTEPは市民の科学的無知を啓蒙するという立場の人を養成することを目的としてはいません。強いて言えば、全頭検査を科学的に議論する場を提供できるような人を育てたいということでしょうか。(もちろん、私見ですが)
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kamo
at 2006-01-30 00:36
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CoSTEPのオフィシャルサイトを確認しましたが, 「市民の科学的無知を啓蒙するという立場の人を養成する」というようなことは一言も書いてありませんでした。私の思い込みで大変失礼をいたしました。
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stochinai at 2006-01-30 10:16
kamoさん、ご丁寧なフォローをありがとうございました。
実はkamoさんのように思われている方がたくさんいらっしゃると思います。そして、それはCoSTEPが自分たちの考え方をしっかりと広め切れていないコミュニケーション不足という責任を負わなくてはならないと思います。とりあえず、この件との関係で私の過去のエントリー「大本営発表くらい簡単にできる人材」あたりから読んでいただけると幸いです。
http://shinka3.exblog.jp/3159818/
実はkamoさんのように思われている方がたくさんいらっしゃると思います。そして、それはCoSTEPが自分たちの考え方をしっかりと広め切れていないコミュニケーション不足という責任を負わなくてはならないと思います。とりあえず、この件との関係で私の過去のエントリー「大本営発表くらい簡単にできる人材」あたりから読んでいただけると幸いです。
http://shinka3.exblog.jp/3159818/
by stochinai
| 2006-01-25 20:48
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