5号館を出て

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原田のポカ:ルールは守るために作る

 特に一所懸命に追いかけているわけではないのですが、やたらとオリンピックの中継番組が多く、裏番組に特におもしろいものがないとついついオリンピック放送が流れているわが家のテレビです。

 昨夜は連休と言うこともあり夜更かししてしまい、見るともなく横目で女子モーグルの決勝まで見てしまいましたが、上村愛子さんの素晴らしいジャンプ(コークスクリュー)は見て良かったと思います。結果的に彼女は5位に終わってしまったのですが、空中演技よりもスピードが重視されていたせいなのか、本人を含めひいき目で見ていた人にはちょっと納得がいかない順位だったかもしれません。

 本人には思い通りのジャンプができたという実感があったようですし、私も素晴らしいジャンプだったと思いますが、ルールに則った判定の結果の5位だということだと思いますので、我々日本人は順位にかかわらず(メダルに届かなかったということにこだわらずに)彼女の健闘(演技の成功)をたたえるべきだと思います。

 一方で、おそらくコーチを含め選手団には、どんな競技でも今年はどのような基準で採点をするかというルールが知らされているはずですし、もし変更があった場合には予め詳細に伝えられているはずです。ですから、もしそのルールが守られずに判定が行われたということならば正式に抗議をすべきだと思いますが、そうでないならおかしな疑問は持つべきではないと思います。特に、素人を含め大量に投入されている日本の報道の方々はルールに関して、しっかりとした知識をもった上でのコメントをお願いしたいと思います。

 そんな感想を持っていたところ、今日の夕方にはジャンプ(ノーマルヒル?)予選で原田さんが失格という結果に終わったとにニュースが流れていました。記憶だけで書きますので、不正確なところがあるかもしれませんが、昨年(昨シーズン?)からルールが変更になって、それまでは身長の違いだけだったものが、体重の違いによっても使用できるスキー板の長さに制限がかかるようになっていたにもかかわらず、違反する長さの板を使ったというもののようです。

 体重が61キロあれば使ってもよい2メートル53センチの板を使って飛んだのですが、ジャンプの後に体重を量ったところ60.8キロしかなかったということです。その場合には、2メートル51センチまでの長さの板しか使えないというルールだそうです。NHKのアナウンサーはたった200グラムのミスで失格は厳しすぎるのではないかというようなニュアンスで解説をしていましたし、おそらくそれが日本人の多くの正直な感想なのかもしれませんが、報道する側としてはルールに対する姿勢が甘すぎると思います。

 そもそも、ルールというものは厳密に守ることを前提に作られています。スポーツの場合にはそのルールこそがすべての競技の大前提として存在するわけですがら、結果の出た後でルールに対して疑義を表明するくらいなら最初から競技に参加すべきではないだろうと思います。

 別にそれが日本人の特性だと論じるつもりはありませんが、先日の東横インの社長の「60キロの制限速度の道を65か67キロで走っちゃったようなもの」という発言に見られるように、最近はルールを破ることに罪悪感がないケースを良く見聞きするような気がします。

 法律が悪いから破っても良いのだという生き方を選ぶのは、ある意味で自己責任だという気もしますので、警察に捕まったり裁判で有罪になったりすることを覚悟してやるのならそれはそれでとやかく言うことでもないかもしれません。罰すれば済むことだと思います。

 スポーツでも、それとまったく同じでルール違反をした場合には、どんなに実力があると推測される選手でも、最大の罰則である失格を宣告されるのは当然だと思います。

 あくまでもルールに従って正々堂々とプレイをしたならば、たとえ敗北しても褒め称えるファンの存在があれば、選手も勝つことよりも自分の持っている実力を出し切ることだけに集中できるのではないでしょうか。

 人生と同じようにスポーツも、勝つことができなければ意味がないというわけではなく、それぞれの人が満足して参加でき、お互いに結果を納得し合え、理想としてはさまざまな能力を持つ人が、お互いの多様性を尊重しながら平和に共存できるように、という「オリンピック精神」を思い出しながらこれからの競技を楽しんでいければ、と思います。
Commented by 佐藤秀 at 2006-02-12 23:27 x
TB有難うございます。
もしKONISHIKIさんだったら一体どれぐらい長いスキー板で滑れるのかな、とあらぬ方向に想像を逞しくさせてしまいました。
Commented by bunga3 at 2006-02-12 23:30
上村愛子さんのジャンプは本人も納得のいく結果だった
のに、5位とはちょっと意外でした。
でもそれが世界のレベルということでしょうね。
原田選手のミスは、信じられませんでしたよね。
ほんと?まさか!と思ってTVをみていましたが、きちんと
ルールを押さえていたのでしょうか?
これはプロとして、本人はもとよりスタッフも恥ずかしい出来事
ですよね。
オリンピック報道にしても、日本は、あまりにも自分の国の若い選手を
持ち上げすぎじゃないでしょうか?
競技をみていても、実力の差をまざまざと見せられて
メダルが6個なんてほんとうなの?と疑いたくなります。
Commented by マルセル at 2006-02-12 23:31 x
ボクは大斗の棄権が一番残念です、本人が一番悔しいだろうと。。。
愛子たんは明らかにスピードが欠けていたような気がします
競技そのものの全体のレベルが上がっていたような感じですね
Commented by マルセル at 2006-02-12 23:35 x
まぁ、このようにルールを変えさせたのがあのギングオブノルディックとヨーロッパに人からも言われた世界の荻原健司さんですからネ
Commented by さなえ at 2006-02-13 07:42 x
おっしゃる通り、>スポーツも、勝つことができなければ意味がないというわけではなく、それぞれの人が満足して参加でき、お互いに結果を納得し合え…<なんですが、個人で楽しんでいる分には良いのですが、また全力を尽くした結果であれば惨敗であれ責めませんが、オリンピックはその人個人の競技ではありません。それにかけられている税金と周囲の努力、時間を考えれば、ルールを知らなかったからミスしたというのはひどすぎます。国が行うというのはどういうことなのかを日本人全体が甘く考えすぎているような気がします。
by stochinai | 2006-02-12 23:14 | つぶやき | Comments(5)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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