5号館を出て

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もはやマスコミ化し始めたアメリカのブログ

 ネットは新聞を殺すのかblogにおもしろい記事を発見しました。新聞コラムニスト買収に続き、ブロガーお前もかです。

 記事を読んでいただければわかるのですが、前振りとして新聞に連載を持っているコラムニストをブッシュから提灯記事を書くことの引き換えに24万ドルをもらっていたということが書いてあって(いわゆる御用コラムニストですね)、まあ既存のマスメディアなんてこんなもんでしょうということなのですが、なんとブログも買収されていたことが発覚したのです。

 民主党の大統領候補選抜競争でケリーに敗れたディーン候補側が、複数の人気ブロガーに対して月3000ドルを支払っていたということが明るみに出てきたそうです。もと記事はアメリカのブログでPR: the dark side of blogging (but not only blogging)というものです。

 中味とは関係ないのですが、英語のブログ・ページも日本のものとほとんど変わらない雰囲気なのが、なんとなく納得というのがこのページを表示させた時の第一印象でした。

 話が横道にそれてしまいましたが、意見を表明する人がいて、市民や大衆に影響力を持ち始めたら、政治家というものはそれを利用したくなるのだと思います。

 まあ、お金で買収するのがもっとも穏やかで古典的な手段でしょうが、なにか別の形での利益供与もあり得るでしょう。場合によっては、脅迫したりすることもあるかもしれません。そういうことは、マスコミの歴史の中で繰り返し繰り返し起こってきたことで、そういうことが繰り返されてきたせいで、マスコミが信用されなくなり、ミニコミやブログというものが登場してきたのだと思います。

 しかし、そうしたものも規模が小さく影響力が小さいうちは放っておかれたとしても、だんだんと力を持ち始めると、それを政治的に利用しようと動き始める集団がいるわけです。

 たとえ3000ドルと言えども、わけのわからないお金や利益を受け取った瞬間に、その主張する人たちがジャーナリストではなくなるということは、誰もが知っていることです。そのことを、「草の根ジャーナリズムも決して『毒まんじゅう』に免疫があるというわけでもなさそうだ」と書いていますけれども、貧乏であればあるほど毒まんじゅうに負けやすいのも、また真実かもしれません。

 そして、そうしたことが表に出た瞬間に、昨日までの英雄が泥にまみれてすべてを失うなんてことは、ものを書いている人なら十分承知のはずだと思うのですが、やっぱりやられてしまう人が出るのですねえ。

 ジャーナリストであろうと思ったら、一箇所からまとまったお金をもらってはいけませんね。もしも、文筆でお金を得ようと思うのなら個々の人からは数千円以上はもらわないようにすること、それがプロのジャーナリストの出発点かもしれません。

 やっぱり、ブログで食おうなんて思わないことですかね。
by stochinai | 2005-01-19 22:09 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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