5号館を出て

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祭りの後

 今日は科学技術コミュニケーター養成元年シンポジウムの2日目です。昨日の怒濤の卒業作品発表会と比べると、落ち着いた一日になりました。

 午前中はスウェーデンデンマークのGert Ballingさんの講演会。英語であるということを除くときわめて教科書的な科学コミュニケーションのおさらいといったものだったのですが、さすがに自分で運営しているサイエンスカフェの話になると熱がはいってくるとともに、現場で実践している人ならではのノウハウ満載の話はそれりにおもしろいものでした。

 ところで昨日の懇親会の時から、頭の左右から髪を中央に集めて東京タワーのように盛り上げている、昔のロックンローラーのような彼の髪型が気になっていたのですが、講演を聞きながらアクセスした彼のホームページを見て納得しました。

 髪型を除くと服装など見たところは極めてまじめで誠実そうな人に見えますし、科学コミュニケーションの話も特に奇をてらったところなどまったく感じられなかったのですが、ホームページでターミネーターになっている彼の写真を見ると、あの髪型の謎は氷解します。

 実はかなりのおもしろ人間だったようで、今回のレクチャーでそれを見られなかったのは返す返すも残念でした。

 そういえば、彼は昨日のCoSTEPの卒業制作発表会を見てかなり感動していたようなので、それとかぶるような「遊び」は敢えてはずしたというのが本当のところなのかもしれません。

 いずれにせよ、もう一度日本に呼んで、一緒にクレージー・サイエンス・カフェでもやりたいと思いました。

 午後は、「科学技術コミュニケーション教育の現状と課題」と題してのシンポジウム。たった2時間で5名の方に講演をしてもらい、さらにディスカッションというのはどう考えても無理な企画でした。このような、講演ととって付けたようなディスカッションという「シンポジウム」のやり方はそろそろ改めるべき時期に来ているのではないかとつくづく感じました。

 講演も物足りなければ、ディスカッションはもっともの足りません。これでは、個々人で議論を継続させる力のある人以外は、宙に放り投げられて着地点には誰もいないという状況に置かれてしまうことになってしまいます。ウナギ屋の店先で匂いだけかがされ、それに惹かれて店に入ろうとしたらすでに閉店でシャットアウトされたようなものです。

 科学技術コミュニケーションの研究者達同士がやっているコミュニケーションの手法が旧態依然のこういうことではうやっぱりいけないのではないかと自戒を込めて感じております。

 例えば参加者には前日までに資料を渡しておいて読んできてもらい、会場での講演は、ひとり5分くらいにしてもらい、徹底的にディスカッションをするというような形も良いのではないでしょうか。

 サイエンスカフェなどの市民を相手にしたコミュニケーションに関しては、細かいところまで気にして会の進行をデザインする人々が、自分たちのコミュニケーションにはこんなに無頓着ということでは、どこまで信じて良いのかわからなくなります。

 もちろん私も責任者の一人として批判されるべき側の一人だとは思うのですが、まずは自分たちの会議から変えていかなければ何を言っても聞いてもらえないのではないかというようなことを感じた一日でした。
Commented by K_Tachibana at 2006-03-20 06:39 x
stochinaiさん
私は,今回はCoSTEPの最初の一歩ということと,一年間かけて行うことを半年に凝縮して行ったということ(科振費の結果が出るのがそもそも遅かった),さらに自分でやれと言われても時間的にきついだろうなということで,今回の企画をもとにPDCAサイクルをまわしていければと思います.第2期のCoSTEP選科生に応募する予定でおりますので,選科生がどこまでCoSTEPの運営に関与できるかわかりませんが,できる限り理想型に近づけるようにお手伝いできればと思いました.
Commented by stochinai at 2006-03-20 17:19
 K_Tachibanaさん、遠いところをわざわざお訪ねくださり、ありがとうございました。ネット上でのおつきあいがありますので、やはり初対面とは感じなかったですね。
 今年の反省から来年の教育はちょっと変わることになっていますが、初年度の情熱の火をどこまで燃やし続けることができるかは、次年度の受講生にかかっているような気がします。
 蓋をあけるまではドキドキですが、すでにこれだけの「大物」が手を挙げてくださったということは、ちょっと心強いです。
 よろしくお願いします。

 
by stochinai | 2006-03-19 23:38 | CoSTEP | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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