2006年 03月 28日
子どもたちの安全互助会を禁止する法律改正
先ほど問題になったPSE法が、なんだか訳のわからない「運用」で、PSEマークの無い電気用品の中古品の販売を、とりあえずレンタルと見なすことで許容することになりました。
そもそも、作った法律が運用で骨抜きにできるということなら、法律ってなんのためにあるのでしょう。また、骨抜きができるということは、逆に必要以上に強く運用することもできるということではないかと不安にもなります。
我々の生活に関係の深い法案が、反対する力を失っている野党の目の前を通り過ぎてどんどんと成立していって、気が付いたら4月1日から施行や完全実施になるものが目白押しという状況なのかもしれません。
そんなの知らなかったという、大きな声を結集することができたPSE法に関してはとりあえず妥協が成立したと見えますが、ここに来て考えようによってはもっと大きな問題が起こっていることを八国山だよりさんのブログで知りました。
読売新聞くらいしかまともに取り上げていないというのも問題だと思うのですが、法律改正の影響によって、全国の小中学高校生の子どもを持つ親御さんにとっては大変な問題が持ち上がっているようです。「PTA安全互助会が存続の危機、改正保険業法の影響で」によると、「4月1日施行の改正保険業法の影響を受け、無認可共済が保険会社と同水準の管理体制が求められることになったため」「児童・生徒が事故などに遭った場合に備え、事前に集めた負担金を見舞金として支払うPTAの「安全互助会」が存続の危機に立たされている」というのです。このままでは「長年続いた子供たちの事故保障制度が途絶える可能性もある」というのです。
つまりほとんどの小中高の互助会は違法状態になり、廃止の憂き目にあうのです。
どこの学校にも年間何百円かを納めておくと事故があった時などに補助金が分配される互助会があります。そうした素晴らしい相互扶助体制が「マルチ商法のような形で掛け金を集める無認可共済対策」のために改正された法律によって違法つまり禁止されてしまうということはどういうことでしょうか。
これは角を矯めて牛を殺すというような生易しい問題ではなく、廉価な相互扶助保険体制を破壊して、それに依存していた小中学生を民間の保険会社に囲い込むための策謀としか思えないと言うと、またお前は過激なことを言うと叱られるのでしょうか。
そもそもこの互助会制度は義務教育においては貧富の差無く、事故に対する備えが持てるようにという趣旨で行われているものだと思います。それを破壊して、みんなが大きな保険会社に入ればいいじゃないかというような乱暴なやり方が、「民間にできることは民間に」とか「痛みをこらえて」という改革の狙いなのでしょうか。
法律があるのだから従いなさいという前に、法律を作り運用するのは人間であって欲しいと思います。
PSE法で示されたように、この国の法律は運用次第で骨抜きにできるもののようですから、この法律改正によっても小中学校の安全互助会だけは例外として扱うこともできるのではないでしょうか。
文部科学大臣そして総理大臣、なんとかしてください。
そもそも、作った法律が運用で骨抜きにできるということなら、法律ってなんのためにあるのでしょう。また、骨抜きができるということは、逆に必要以上に強く運用することもできるということではないかと不安にもなります。
我々の生活に関係の深い法案が、反対する力を失っている野党の目の前を通り過ぎてどんどんと成立していって、気が付いたら4月1日から施行や完全実施になるものが目白押しという状況なのかもしれません。
そんなの知らなかったという、大きな声を結集することができたPSE法に関してはとりあえず妥協が成立したと見えますが、ここに来て考えようによってはもっと大きな問題が起こっていることを八国山だよりさんのブログで知りました。
読売新聞くらいしかまともに取り上げていないというのも問題だと思うのですが、法律改正の影響によって、全国の小中学高校生の子どもを持つ親御さんにとっては大変な問題が持ち上がっているようです。「PTA安全互助会が存続の危機、改正保険業法の影響で」によると、「4月1日施行の改正保険業法の影響を受け、無認可共済が保険会社と同水準の管理体制が求められることになったため」「児童・生徒が事故などに遭った場合に備え、事前に集めた負担金を見舞金として支払うPTAの「安全互助会」が存続の危機に立たされている」というのです。このままでは「長年続いた子供たちの事故保障制度が途絶える可能性もある」というのです。
全国高等学校PTA連合会(約240万人)によると、50団体のうち3分の2以上の道府県市で安全互助会を運営。小・中学生の保護者対象の日本PTA全国協議会(約1000万人)も61団体の大半が制度化しているという。負担金は、年間1人数十円~数百円程度で、給付金も各団体で異なる。
全国普及の先駆けとして1973年に結成された大阪府立高等学校安全互助会(約12万人)の場合、入学時に1人600円の負担金を徴収。昨年度は382件の事故に1762万円を給付しており、設立から今年1月までの給付総額は5億342万円。基金の残高は約1億4000万円。
この運営に待ったをかけたのが、保険業法の改正。マルチ商法のような形で掛け金を集める無認可共済対策のため、保険金額が少額であっても参入条件として原則、株式会社か相互会社にしたうえで、最低資本金1000万円や供託金1000万円などを義務づけた。2年の経過措置期間があり、団体が4月1日の施行日までに公益法人になっていれば適用は免れるが、法人化された団体は、高校が全体の4分の1程度、小中は数団体という。
つまりほとんどの小中高の互助会は違法状態になり、廃止の憂き目にあうのです。
どこの学校にも年間何百円かを納めておくと事故があった時などに補助金が分配される互助会があります。そうした素晴らしい相互扶助体制が「マルチ商法のような形で掛け金を集める無認可共済対策」のために改正された法律によって違法つまり禁止されてしまうということはどういうことでしょうか。
これは角を矯めて牛を殺すというような生易しい問題ではなく、廉価な相互扶助保険体制を破壊して、それに依存していた小中学生を民間の保険会社に囲い込むための策謀としか思えないと言うと、またお前は過激なことを言うと叱られるのでしょうか。
そもそもこの互助会制度は義務教育においては貧富の差無く、事故に対する備えが持てるようにという趣旨で行われているものだと思います。それを破壊して、みんなが大きな保険会社に入ればいいじゃないかというような乱暴なやり方が、「民間にできることは民間に」とか「痛みをこらえて」という改革の狙いなのでしょうか。
法律があるのだから従いなさいという前に、法律を作り運用するのは人間であって欲しいと思います。
PSE法で示されたように、この国の法律は運用次第で骨抜きにできるもののようですから、この法律改正によっても小中学校の安全互助会だけは例外として扱うこともできるのではないでしょうか。
文部科学大臣そして総理大臣、なんとかしてください。
TBありがとうございました。
ごぶさたしております。
先ほどブログを検索(キーワード"安全互助委員会")をしたのですが、ヒットしたのは古いものも入れて7件。とりあげるメディアが少ないせいかもしれませんね。
「小中学生を民間の保険会社に囲い込むための策謀」はなるほどと思いました。ありうるかもしれませんね。
PSE法も、経産省の外郭団体(天下り先ともいう)である電気安全環境研究所(JET)と日本品質保証機構(JQA)の売上を増やすためとしか思えない突然の中古品適用対象発言でしたから。
ところでそのPSE法、中古品が対象とは記載されていないことが明らかなのに経産大臣もマスメディアもそのことにまったく触れないのはどうしてなのか不思議です。通達があればOKで、それも法として有効ということなのかな。私が無知なだけなのかな。
ごぶさたしております。
先ほどブログを検索(キーワード"安全互助委員会")をしたのですが、ヒットしたのは古いものも入れて7件。とりあげるメディアが少ないせいかもしれませんね。
「小中学生を民間の保険会社に囲い込むための策謀」はなるほどと思いました。ありうるかもしれませんね。
PSE法も、経産省の外郭団体(天下り先ともいう)である電気安全環境研究所(JET)と日本品質保証機構(JQA)の売上を増やすためとしか思えない突然の中古品適用対象発言でしたから。
ところでそのPSE法、中古品が対象とは記載されていないことが明らかなのに経産大臣もマスメディアもそのことにまったく触れないのはどうしてなのか不思議です。通達があればOKで、それも法として有効ということなのかな。私が無知なだけなのかな。
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問題は、>逆に必要以上に強く運用することもできるということではないかと<思います。あらゆる場面で、どういう訳か、法や規制、規則は恣意的に運用しても良いと考えられている節があり、それが日本的な弾力的運用であり、融通が効くということにもつながるのですが、権力者が自分が法律だと思い込む危険性も同時に含んでいますね。公正とか法という意識が希薄なのは政治家だけかと思っていたら、経団連や東証のトップまでもそうですので、声が大きく、仲間だと思われる人の権益を保護する方向で当分物事は進むのでしょう。あーあ。
今日になっても、やはりニュースにあまり出てきませんね。保険業界というのはマスコミにとって大きなスポンサーなので報道に腰が引けているのかもしれません。
>あらゆる場面で、どういう訳か、法や規制、規則は恣意的に運用しても良いと考えられている節があり
ですよね。公務員に品と節度があった時代にはうまく機能していたのかもしれませんが、こんなあいまいなことしか書いていない法は偽装天国の今の日本では凶器ですね。
>あらゆる場面で、どういう訳か、法や規制、規則は恣意的に運用しても良いと考えられている節があり
ですよね。公務員に品と節度があった時代にはうまく機能していたのかもしれませんが、こんなあいまいなことしか書いていない法は偽装天国の今の日本では凶器ですね。
by stochinai
| 2006-03-28 20:43
| 教育
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Comments(3)