2006年 04月 03日
ジャッキー・マクリーン没
ジャッキー・マクリーンが亡くなったと新聞に載っていました。モダン・ジャズと呼ばれることもある、いわゆるジャズは50~60年代にかけてもっとも盛んで、その頃の演奏はジャズ・クラシックスと呼ばれる「歴史」になっているのですが、最近になって亡くなるその頃の伝説的巨人の年齢が意外なほど若いことに驚くことが多いです。ジャッキーもまだ73歳の「若さ」でした。
ジャッキー・マクリーンと言えばマル・ウォルドロンが亡きビリー・ホリディに捧げた「レフト・アローン」で競演していることが有名です。私も記憶は定かではないのですが、あの演奏でジャッキーの「音」にのめり込んでしまい、一時期彼のレコード(CDではなく30センチLPレコード)を買いあさった記憶があります。
ジャッキーのアルト・サックスは音が「汚い」のが特徴です。汚いというと語弊があるかもしれませんが、リードが雑音を巻き込みながらビリビリと響くような音です。野性的あるいはパワフルという風に表現することもできると思いますが、雑音のないきれいな音を出すのが正しい音楽だという立場の人が聞くと耳をふさぎたくなるような音かもしれません。
リード楽器ならば、私はそういう音が好きなのです。
彼もチェット・ベイカーと同じように麻薬にはまった時期があり、ジャンキー・マクリーンなどと呼ばれたりもしていましたが、The Connection という麻薬の売人達の生態を描いた前衛的な舞台や映画にも出演し麻薬の悲惨さを訴える活動に参加するなど、麻薬との関係も紆余曲折だったようです。
60年代にはいってほぼ活動を停止していたようですが、70年代から活動を開始、時折日本にも来ていたようですが、太りまくった彼から往時のパワーを感じることはできませんでした。ご冥福を祈りたいと思います。
どんどん知っているジャズ・ミュージシャンが亡くなっていくなあと思いながら、週末DVD劇場でトム・ハンクスのターミナルを見ていましたら、なんとこれもある意味でジャズ映画でした。
トムが演じるターミナルに閉じこめられる東欧系の旅行者が、アメリカに来ようと思った動機が、彼の父親が精力を傾けていたジャズ・ミュージシャンのサイン・コレクションを完成させるため、たった一つ集め損ねたベニー・ゴルソンのサインをもらうためだけにアメリカに来て、カフカの小説のようなややこしい状況にとらわれてしまうという筋です。
映画としては、まあまあよりちょっとダメという出来だと思うのですが、最後に本物のベニー・ゴルソンが出てきたのには驚きました。というか、映画の中程でトムがベニー・ゴルソンのサインをもらいにアメリカに来たのだということがわかった時に、私はベニー・ゴルソンはもう死んでいてこの望みがかなわないというストーリーを思い描いてしまったのです。ところがどっこい、その彼がまだ現役でいたとは、本当に驚きました。
調べてみると、ベニー・ゴルソンは1929年生まれなので「まだ」78歳、確かに生きているだけではなく演奏活動を続けていても不思議はない年齢です。
ジャズは遠い昔の伝説だと思いがちですが、実はまだかなりの数の当時活躍していたプレイヤーが生きているくらいしか時間は経っていないということを改めて確認させられる、ニュースと映画でした。
なお、マル・ウォルドロンは2002年12月に亡くなっています。
ジャッキー・マクリーンと言えばマル・ウォルドロンが亡きビリー・ホリディに捧げた「レフト・アローン」で競演していることが有名です。私も記憶は定かではないのですが、あの演奏でジャッキーの「音」にのめり込んでしまい、一時期彼のレコード(CDではなく30センチLPレコード)を買いあさった記憶があります。
ジャッキーのアルト・サックスは音が「汚い」のが特徴です。汚いというと語弊があるかもしれませんが、リードが雑音を巻き込みながらビリビリと響くような音です。野性的あるいはパワフルという風に表現することもできると思いますが、雑音のないきれいな音を出すのが正しい音楽だという立場の人が聞くと耳をふさぎたくなるような音かもしれません。
リード楽器ならば、私はそういう音が好きなのです。
彼もチェット・ベイカーと同じように麻薬にはまった時期があり、ジャンキー・マクリーンなどと呼ばれたりもしていましたが、The Connection という麻薬の売人達の生態を描いた前衛的な舞台や映画にも出演し麻薬の悲惨さを訴える活動に参加するなど、麻薬との関係も紆余曲折だったようです。
60年代にはいってほぼ活動を停止していたようですが、70年代から活動を開始、時折日本にも来ていたようですが、太りまくった彼から往時のパワーを感じることはできませんでした。ご冥福を祈りたいと思います。
どんどん知っているジャズ・ミュージシャンが亡くなっていくなあと思いながら、週末DVD劇場でトム・ハンクスのターミナルを見ていましたら、なんとこれもある意味でジャズ映画でした。
トムが演じるターミナルに閉じこめられる東欧系の旅行者が、アメリカに来ようと思った動機が、彼の父親が精力を傾けていたジャズ・ミュージシャンのサイン・コレクションを完成させるため、たった一つ集め損ねたベニー・ゴルソンのサインをもらうためだけにアメリカに来て、カフカの小説のようなややこしい状況にとらわれてしまうという筋です。
映画としては、まあまあよりちょっとダメという出来だと思うのですが、最後に本物のベニー・ゴルソンが出てきたのには驚きました。というか、映画の中程でトムがベニー・ゴルソンのサインをもらいにアメリカに来たのだということがわかった時に、私はベニー・ゴルソンはもう死んでいてこの望みがかなわないというストーリーを思い描いてしまったのです。ところがどっこい、その彼がまだ現役でいたとは、本当に驚きました。
調べてみると、ベニー・ゴルソンは1929年生まれなので「まだ」78歳、確かに生きているだけではなく演奏活動を続けていても不思議はない年齢です。
ジャズは遠い昔の伝説だと思いがちですが、実はまだかなりの数の当時活躍していたプレイヤーが生きているくらいしか時間は経っていないということを改めて確認させられる、ニュースと映画でした。
なお、マル・ウォルドロンは2002年12月に亡くなっています。

レフトアローンと聞いただけで、頭の中でメロディーが反復しまくっています。音楽の印象って強烈ですね。よく聞いていたはずなのにジャッキ−マクリーンが競演していたとは知りませんでした。
ターミナル、私も最後に「わあ、まだ生きてる(失礼)!」とのけぞった一人です。
ターミナル、私も最後に「わあ、まだ生きてる(失礼)!」とのけぞった一人です。
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レフトアローンの最初の1節、強烈ですよね。私の頭でも鳴り響きました。私もLP持ってますよ。聞くこともできないのに捨てられずに数十枚のジャズのLPが本棚に鎮座しています。

なるほど、The Terminalはジャズを知っているとそう云う楽しみ方もあった訳ですね。
私は、あの映画は、これはあり得んだろうと思いつつも結構楽しめた方です。名作ではないでしょうが、スピルバーグはやはり上手ですね。
私は、あの映画は、これはあり得んだろうと思いつつも結構楽しめた方です。名作ではないでしょうが、スピルバーグはやはり上手ですね。

by stochinai
| 2006-04-03 01:36
| 趣味
|
Comments(4)