5号館を出て

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老人と園芸

 今日は時折小雨がばらつく寒い一日でしたが、庭の雪もほとんどなくなったため、今年最初の本格的庭いじりをしました。外で思い切り土とたわむれることができるのは、ほんとうに幸せなことです。

 この冬の大雪で、庭木やバードテーブルなどの被害が出ています。雪対策で木をしばっていたロープはすでにはずしてありますので、初日の今日はまず被害の後かたづけでした。

 タニウツギやイチイ、カエデ、アセビなどの被害が大きく、特にタニウツギは3本あった主枝がすべて真ん中から折れてしまいましたので、回復するかどうか微妙かもしれません。何年かに一度でもこういう大雪があると、寒さや雪害に弱い木はどんどん無くなっていくのでしょう。

 折れた枝をまとめてから、バードテーブルの修理をしました。激減したとは言え、この春にスズメが繁殖するのをなんとか支援してやりたいと思って、心を込めて直しました。しかし、ひさびさの大工仕事だったために、ハンマーで指をたたいてしまい、何十年かぶりで血豆というものをこしらえてしまいました。今の子どもたちにはすでに死語かもしれませんが、私も久しぶりに現物にお目にかかってなんだかなつかしい思いをしたものです。

 あとは、プランターから凍死してしまった植物を抜いて土を出した後に、種まき用の苗床をひとつだけ作ってみました。種も少し手に入れましたが、札幌では玄関の風除室でもまだ芽の出る気温には達していないようですので、オクラなどは撒いても芽が出なさそうです。
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 私は子どもの頃から、動物を育てることだけではなく、園芸(というか植物を育てること)が好きな変なガキでしたが、昔から園芸は「年寄りの趣味」と言われていることの意味が、土とたわむれている間に天恵のごとくにひらめいてしまいました。

 人は年齢を重ねるに連れて、一年がどんどん早く過ぎると思うようになるとは良く聞く話です。これを逆に考えると、人は年寄りになるほど時間が早く過ぎると感じるようになるということではないでしょうか。

 また一方で、植物というものは、見ていても動くものではなく、一般に成長のスピードも遅いですから、気の短い人とはペースが合わないのではないかと思います。つまり、老人になると植物の成長スピードでも十分に速く感じられるようになることが、園芸を愛する人に老人が多いということと符合するのではないでしょうか。

 私は若い頃、だんだんと死へと近づいていきつつあるはずの老人が、やたらと時間のかかりそうな園芸や盆栽などの趣味を持つということに大きな疑問に持っていたのですが、自分がそちらの集団へと近づいてきてようやく悟ることができたような気がします。

 このアイディアにはなんだか自分自身ですごく納得してしまったものですから、ここに記録をとどめておきます。

 皆さんは、この「仮説」をどう思われますか?
Commented by 花見月 at 2006-04-17 03:53 x
私は、若い頃、風と共に去りぬを見て、大地と共に生きるということの意味をよく理解できませんでした。でも、その感覚が年をとるにつれて、わかるようになってきました。人間は大昔から土を触って生きてきています。人間もまた、土地に根ざして生きています。年をとって、この世が非常に移ろいやすく、不確かだということが身にしみてくると、土の確かさが恋しくなり、土いじりを始めるような気がしますが、いかがでしょうか。
Commented by stochinai at 2006-04-17 07:14
 そういう気持ちも理解できます。
 年を取ってようやく見えてくることがたくさんあることを知るにつれ、年を取るのも悪くないと思えてきます。この感覚も若い時には想像することもできなかったことのひとつです。
Commented by mm at 2006-04-17 08:48 x
植物もそうですが、赤ちゃんや小さい子を見ると、とても感動するようになりました。見しらぬ子でも「よく生まれてきてくれた。こんな生きづらい社会でごめんね」という気持ち。そして、「恙無く有意義な人生を送ってね」と思うとともに、「私もよりよく生きなきゃ」と思います。年取った証拠ですね。
Commented by habichan at 2006-04-17 14:05 x
同感です。

福岡は春に雨の日ばかりで、昨日・今日と私も庭仕事をやっています。
畝単位の輪作していて、去年のオクラの後にトウモロコシの種をまいたのですが、「そうそう一昨年はここにトウモロコシを植えたんだった」と思い出しました。
雑草を根から掘り起こしていて、除草中に蜂にさされて、すっかりやる気をなくしたのは、去年の秋じゃなくて、一昨年だったと判ってちょっとショック。

1年なんて、あっと言う間です。(笑い)

今日、初めて燕を見かけました。
今年の作業は半月遅れです。
昨日、オクラとトウモロコシの種をまきました。
(福岡ではオクラの種はもう撒いても大丈夫。)
どちらかというと、梅雨にトウモロコシの受粉が終わるかどうか??心配です。
Commented by stochinai at 2006-04-17 16:10
 ポジティブなところだけを見ると、シニアが増えると日本が良くなってきそうに思えたりもするのですが、同時に「老害」の部分もたくさん出てくるんでしょうかねえ。
Commented by ハニーm at 2006-04-18 13:20 x
大の苦手の算数をしてみました。
人生80年と仮定。自分の年齢を分母、残りの年数を分子にして計算。
30才だと16.66…、50才では0.6です。30才は1年が1.6倍と長く、
50才は6割なので〔短く→速く〕過ぎるように感じる…と。
20才の頃、30才の人たちは遥か年上に見えました。中年以降に較べ、
若い時は、年数の隔たり感覚が大きいように思います。
Commented by stochinai at 2006-04-18 19:27
 ふ~む、怪しげな計算ですが、なんとなく納得できたりします。また、若いほど年齢による差が大きく感じられるというのも、同じ「計算」で説明できますね。
by stochinai | 2006-04-16 23:41 | 趣味 | Comments(7)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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