5号館を出て

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働くコーステッパー

 最近あちこちで、CoSTEPの修了生はどうしていますか、という質問を受けます。第一期の修了生が出たので、要するに彼らがどういう職に就いていますかという意味だと思います。

 CoSTEP修了生(名付けてコーステッパー)の多くの人は、大学院生だったりすでに職を持っていらっしゃる人だったりしますので、その方たちの多くはもとの研究室や職場に戻って、身につけた科学技術コミュニケーション・スキルを有効に活用していると思います。その一部は、新しく開始された修了生の勉強会を覗いてみるとうかがい知ることができます。

 M姫さんのようにはっきりと目に付く形で北大の創成研のコミュニケーターとして活躍しておられる方もいらっしゃいますが、目につかないところで活躍しておられるかたの方が多いと思います。

 ライティングなどでは、すでに原稿料や謝金という形で賃金が発生しているケースもあると聞きますが、CoSTEPの修了生が中心となった企画が「商品」となって発売されたということは、結構なニュースと言えるかもしれません。

 私も少しずつは情報をもらっていたのですが、全体像はあまり把握しておらず、また商業ペースで発売されるものの情報をうかつに漏らすわけにもいかず少なくともウェブ上では情報を出したことはありませんでしたが、今回その仕掛け人ともいうべき方のブログで公開されておりますので、こちらでも宣伝させていただきます。

 北大のリエゾンオフィスで働くS副部長さんの記念すべき実用化第1号になったのが「楽しくわかりやすい科学教室 in 北海道大学」というJTBとコーステッパーの共同企画商品というわけで、21日に発売開始になったようです。(JTBのサイトを見ても、まだ発見できませんでした。)

 エントリーによると、この企画が成功した陰にはSさんの涙ぐましくも巧みな努力があったようで、私もCoSTEP関係者としてこの成功を心から喜びたいと思います。

 そこまで大変だとは私も認識していなかったのですが、㈱JTB→㈱北海道TLO→リエゾン部→創成研Mさん→CoSTEP S教授→A先生→北大副学長→北大事務局という連鎖が一カ所でも切れていたらこの企画はボツになっていたのだそうです。

 もしボツになっていたら、いかにも旧帝大の大学らしい硬直した話として語り継がれることになったかもしれませんが、今回は逆にその鎖が見事につながったということで、北大という大学の意外な柔軟性を示すものとしての伝説になるのかもしれません。

 いずれにせよ、私としてはコーステッパーが公式にお金を稼ぎながら、身につけた科学技術コミュニケーション・スキルを最大限に活用できる場ができたということを素直に喜びたいと思っています。

 そして、この企画を成功させてくれたリエゾンマンのSさん、および北大リエゾン部に拍手を送ります。

 さらにもうひとつ、こうした情報を内部から公開してくださったSさんの行動は、秘密のベールに閉ざされがちな大学というものにきわめてさわやかな風を吹かせてくれるものとして、素直に感動しています。

 願わくは、こうした活動を含め大学の風通しをよくしてくれる個々人の活動を大学が暖かく見守ってくれることを期待します。

 北大もなかなかやるじゃん!
Commented by M姫 at 2006-04-25 10:17 x
がびび~ん!プロジェクトJ(CoSTEP修了生からはそう呼ばれています)については5月中旬のプレスリリースの後にブログに書こうと思っていたのですが、先を越されてしまいました。
この企画は4月21日に首都圏のみで発売され、5月中旬に全国販売されます(全国のJTB代理店にパンフレットが80万部も並ぶのですよ!)。プレスリリースもその頃行われ、おそらく全国紙で掲載される事になると思いますのでお楽しみに!
実際にお客様をお迎えするのは7月下旬から・・・。それまで我々「こーすてっぱー」は、本当に楽しく!わかりやすい!企画を作りこんで行かなければならないと思っています。科学技術コミュニケーターの意義が試される時です。
北大リエゾン部Sさんのことは私もブログの「ノミュニケーター」のところで紹介しております。ほんとにネットワーク作りの達人!科学技術コミュニケーターの先輩と尊敬しております。
Commented by Salsa at 2006-04-25 14:08 x
さっそくのご紹介、TBありがとうございます。大学、企業、そして科学技術コミュニケーター三つ巴のコラボレーションとして面白い挑戦です。それらをつないでくださっているのがリエゾンマンさんです。
そして、何を隠そうリーダーシップをとってくれているのが、最強にして無敵のM姫なのです。(笑うところではありませんが・・・笑)
現在まで水面下ではありましたが、CoSTEPでの学習とネットワーク、そして関わるコミュニケーター一人ひとりの経験値が総動員されるプロジェクトとしても早く世に発表したかったのは言うまでもありません。
Commented by stochinai at 2006-04-25 16:33
 M姫さま、すみません。抜け駆けしてしまいました。ブログの世界でも特ダネは奪い合いなのです(ウソです、もっと良い内部からの声を聞かせてください)。

 Salsaさん、いつもいろいろお世話になっています。コーステッパーのデ・ファクト・リーダーとして期待しております。できることなら、なんでもお手伝いしますので、お申し付け下さい。

 姫とSalsaさんと今出張中のもうひとりが揃うと、ほんとうに無敵トリオだと感じます。コーステッパーもフェミニン上位ですね。
Commented by M姫 at 2006-04-25 22:00 x
つぶやき先生、私も先生のように適切にこの企画の魅力を伝えられるよう頑張ってみます。
CoSTEPでは、おとなしく、ほんわかしたイメージを貫こうと思っていた私ですが、半年もちませんでしたね・・・。いつのまにか最強・無敵といった呼ばれ方をするようになってしまいました。商売あがったりです。
Commented by リエゾンマン at 2006-04-25 23:02 x
 皆さんからこんなに書いて頂いて・・・ウ、ウ・・・(涙) M姫さんを始めとってもいけてる方々との仕事はとても楽しんで進めることができました。ありがとうございました。
 リエゾン部は私など足下にも及ばない仕掛け人集団です。北大から世のためになるプロジェクトをおもしろおかしくドンドンと仕掛けましょう!
Commented by stochinai at 2006-04-26 12:11
 コミュニケーターの大切な資質のひとつが、コミュニケーションそのものを楽しめる人であるかどうか、ということのような気がします。その点、M姫さんや(まだお会いしたことはありませんが)リエゾンマンさんは天賦のものを持っておられるような気がします。無理をしてコミュニケーションするのではなく、楽しみながらそして着実に仕事をこなしてくれるお二人がいらっしゃるだけでもS領域研は得をしていますね。
by stochinai | 2006-04-24 21:30 | CoSTEP | Comments(6)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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