5号館を出て

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自民党を止めることができるのは見えない「民意」

 共謀罪が委員会で強行採決されそうな気配があると、あちこちでささやかれているようです。

 教育基本法にしても国民投票法・憲法改正にしても、自民党(と公明党)がその気になれば、とりあえず国会を通すことは技術的(人数的)に可能な状況なのですから、野党が一所懸命がんばったとしても、反対しきれるものではないのでしょう。

 それにもかかわらず、なぜあらゆる法案がどんどんどんどん機械的に多数決で決められていかないのでしょうか。

 それは自民党(と公明党)が何かを恐れているからだと思います。

 その何かというものは具体的に見えないものであるからこそ、絶対多数の力を簡単に行使できないのでしょう。

 それは何かというと、いわゆる「民意」というものではないでしょうか。

 自民党(と公明党)は、野党や我々などのようにものを言う人間はそれほど恐ろしくないに違いありません。その証拠に、何を言っても聞く気はまったくないという風情です。

 それにもかかわらず、あの能天気な首相でさえも、なんとなくこの「民意」を怖いと思っているフシが感じられます。逆に言うと、野党や我々が怖くないのは「民意」を代表していないからなのかもしれません。

 一時はうるさいほどに繰り返されていた世論調査というものが、最近ちょっと静かになってきている気がします。その理由のひとつに、やはりあれが「民意」を反映していないからということわかってきたからではないでしょうか。

 とらえどころがないからこそ恐ろしい、この「民意」をつかんだり動かしたりできると国を動かすことなど簡単にできるのかもしれません。

 小泉さんが自分でも不思議なくらいの支持を集めていた時、彼は「民意」を吸い上げることに成功していたのだと思います。最近はその自信がなくなってきたので、彼も弱気になっている(あるいはやる気が失せている)という面もあるのではないでしょうか。

 この実態のない「民意」をつかむもっとも確実な方法は、それを作り出すことなのかもしれません。民意を知ろうとする努力が民主主義だとするならば、民意を作り出すことは独裁を目指していると言えるのかもしれません。最近の日本の政治家を見ていると、与野党を問わず民意を作ることに熱心な気がします。

 民意を「作る」ということ、私にはやはり恐ろしい仕業だと感じられます。
Commented by rabbitfootmh at 2006-05-15 14:31
民意がもし「作られていた」としたら、それはマスコミの仕事?
マスコミに煽られない健全な民意が生まれて、政治を動かすことができるようになるのでしょうか?
Commented by stochinai at 2006-05-15 14:43
 多数の人に支持されるように訴えることは民主主義の基本なので、政治活動とはそういうものだと思うのですが、衆愚状態で形成された「民意」も民主主義なのかと言われるとにわかには肯定できない自分がいます。
 誰からも働きかけられずに「民意」などという総意ができるのも考えにくく、私もこの件に関してはうまく議論できないでいます。
 そもそも、国家などという巨大なものをひとつの意志で動かすこと自体に無理があるような気もしています。
Commented by ハニーm at 2006-05-17 11:03 x
日経5/15のコラム「続・常識を疑う」の見出しは、『ネット=自由にあらず』
『規制・監視技術が忍び寄る』でした。米スタンフォード大L・レッシグ教授が
グーグルについて論評しています。
想像するに…巨大な水槽の中で民意がざわめく… 餌(情報)は毒味済み。
もしかして2チャンネルは、コンピュータ解読を潜りぬける高度なわい雑風
暗号会話だったりして… (すみません、度々)
by stochinai | 2006-05-14 23:51 | つぶやき | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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