5号館を出て

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松江着

 明日から、島根大学で開催される第77回日本動物学会大会に参加するために、松江にやってきました。

 今朝は、台風が札幌の隣の石狩市に上陸などというニュースで目を覚ましました。しかし、風は多少強いものの雨も降っておらず、自分が台風の中にいるとは実感できませんでした。交通情報でも、千歳発着の航空機は定時運行をしているということなので、楽観的に行動できました。

 松江に行くためには、直通便がありませんので、まずは東京・羽田です。そこから、出雲行きに乗り継ぎです。羽田では、ほとんど待ち時間なしに乗り継げるのですが、降りたゲートと乗るゲートがえらく離れており、地上勤務の方に先導されて乗り継ぎゲートまで小走りです。まわりから見ると、ツアー客のように見えたかもしれません。
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 便数が少ないこともあって、久しぶりに(と言っても一ヶ月ぶりに)JALに乗りました。最近は JALもがんばっているのかトラブルのニュースもなく、そろそろ見直してもいいかなと思っていたところですが、今日コーヒーのサービスを受けてちょっと感動してしまいました。なんとミルクと砂糖が別々にもらえるようになっていたのです。前は、ミルクと砂糖とステアが一つの袋にはいっていて、砂糖はいりませんと言えなかったのですが、初めて言えました。こういう、ちょっとしたところに気配りができるようになったのは、良い兆候かもしれません。

 台風一過ということもあって、日本中に雲が比較的少なく地上がよく見え、ずっと窓際に座っていた私は、なんだか得した気分になりました。

 富士山をこんなに近くで見たのは初めてです。地上から見るのとずいぶん異なり、火口がかなり荒々しいのが意外でした。
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 出雲着陸直前に見えたこの高い山は、ひょっとすると大山なのでしょうか。山陰の山並みは、いつものように霞んでおり、こういう山並みを見て育った子どもと、北海道のようにいつもくっきりとした山の稜線を見て育った子どもの感性は、やっぱりどこかが違ってしまうのではないかと、見るたびにそう思います。
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 さて、松江で滞在しているマイ定宿チェーンのホテルは駅と寺町という文字通りお寺が軒を並べているところの中間にあります。寺町あたりをふらふらと散歩してみると、いかにも歴史のありそうな寺や神社が並んでおり、あまりの当たり前さぶりに写真を撮る気も失せてしまいました。

 それに代わって、どうしても写しておきたくなったのが、昭和時代の箱庭のような風景です。なんとも懐かしい光景だと思いませんか。
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 それに比べると宍道湖に浮かぶ温泉街は確かに美しいのですが、なんだかあざとく思えてきます。
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 過去と現在が同時に存在しているところは、予想どおり沖縄に似ている気がしました。
Commented by 花見月 at 2006-09-20 23:32 x
お写真は間違いなく大山です。大山は伯岐富士とも呼ばれ、米子側から見る姿は、まさに日本人が愛するあの均整の取れた富士山にそっくりの美しさです。確かに山陰は特に冬は天気が悪いですが、それでも晴れた、米子東高校の松並木の向こうに、どーんとそびえ立つ雪を抱いた大山の姿は圧巻です。米子市にはあまり高い建物がないですから。転校試験を受けに行って、大山に惚れてこの高校に来るぞと思いました。
Commented by GORO at 2006-09-21 00:34 x
>なんとミルクと砂糖が別々にもらえるようになっていたのです。

実はこのサービスにはカラクリがあります。
どこの航空会社でも、運行コストを如何にして切りつめるかが大きな課題になっています。その運行コストの多くを占めているのが「燃料」。
この燃料代を切りつめるためには、燃費の良い機体を使用するのはもちろんのこと、車と同じように燃料単価の安い空港(国)で多めに給油するとか、積載物をできるだけ少なくして(機体を軽くして)燃費を良くすると共に、できるだけペイロード(旅客・貨物)の比率を上げるという対策が取られます。これにおいては砂糖一本もバカにできず、1本のスティックシュガーでも、これを載せっぱなしで運行を続けると、それだけで年間数万円(確かそのくらいだったはず)の燃料代が多くかかるのだそうです。
ですから、ミルクや砂糖を全て人数分のパックで積み込むのではなく、実際には少なめに積んで、客の要求に応じて必要な分だけ提供するようにしているのです。
Commented by GORO at 2006-09-21 00:34 x
続きです。

航空会社の殆どは、わずか数日間、現金収入が途絶えただけでも倒産に追い込まれるほどギリギリの状態で運営しているので、運行コストの削減にはもの凄く熱心なのです。(9.11テロで数日間運行停止を余儀なくされただけで多くの航空会社が倒産に追い込まれましたね・・・)
Commented by stochinai at 2006-09-21 07:21
 GOROさん、私も節約のために砂糖を分離したのかもしれないと思いました(^^;)。それにしても、そのくらいギリギリの運行をしているということなら、もっと節約すべきところがたくさんあるような気はします。目に見えない安全性を削らずに、目に見える無駄を節約していくと「競争」に負けてしまうほど、客のレベルが低いんでしょうかね。ちょっとため息ですね。
Commented by GORO at 2006-09-21 07:48 x
機体故障などのトラブルが頻発している航空会社は、間違いなく安全面でのコストダウンを強行してますね。

あと、最近はCAさんも法律上、人数を減らすことができないので、正社員ではなくパート扱い(あるいは子会社出向)の人が起用されることが多いようですし、機体の塗装もデザインを簡略化し、ベアメタル(無塗装)にする機体が増えてきました。ジャンボ機一機当たりに数百kgの塗料が使われているらしいですから、これを無くすだけでもかなり運航コストが安くなりますからね。CAさんの持ち込み荷物の重量制限を課している会社もあるようです。航空機での移動は苦痛が多いですから、客離れを招くサービス削減はできるだけ避けたいというのが会社の本音なのでしょうね。
Commented by stochinai at 2006-09-22 07:09
 先日のトラブル続発でJALの利用率がかなり減っていた記憶があります。もちろん安全が保障されるならば、料金やサービスで客が動くのでしょうが、安全性の不安がないということがもっとも客を集める要素になることは間違いないと思います。そういう意味で、ちょっとしたトラブルでも公開するというシステムはとても大事なことだと思います。内部で働く社員やパートからの情報が流出するインターネット時代ですから、会社が隠そうとしたら内部告発はもはや国民の義務でさえあると言えると思います。問題は内部告発した人が逆に不幸に被害を被ってしまうことが、まだあるということですね。
by stochinai | 2006-09-20 22:39 | つぶやき | Comments(6)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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