5号館を出て

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さらば松江

 ようやく動物学会の全日程が終了しました。今日の午後は、動物学広場と言って、地元の子どもに動物学を広報するための催しものがありました。簡単に言ってしまうと、動物と遊んでもらう企画です。私も動物を見たり触ったりするのが好きなものですから、毎年こっそりと見にいっています。今年の収穫は、袋(卵嚢)の中で発生して、動いているサメの赤ちゃんでした。固定標本や写真や動画は見たことがあるのですが、生きたものを見たのは初めてです。すごい。

 あとは、サメの子どもを自由にさわれるコーナーとか、小学生には受けそうなものがたくさんありました。遊ぶ方は楽しいのですが、こういう企画を準備するのはほんとうに大変なのです。ほんとうにご苦労さまでした。

 さて、動物学広場がまだ続いている島根大学を後にしましたが、ここでは土日のバス運行が極端に少なくなっていますし、連日の学会ですっかり運動不足になってしまっているので、ホテルまで歩いてみることにしました。この町も基本的には碁盤の目になっているので、何となく歩いていてもいずれは目的地にたどりつけると、札幌住まいの私には思えたことも理由の一つです。

 民家の庭先を眺めながら歩くと、人々の生活が見えてくるのも楽しいものです。ある家の玄関先でおもしろいものを見つけました。
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 実の根元が枝分かれしていて、それを耳に見立てると動物の顔のようにも見えます。熟すと黄色くなるので、和製英語だという説もありますが英語ではキツネの顔(フォックス・フェイス)というツノナス(角茄子)です。これも、写真で見たことがありますが、実物を見たのは初めてです。

 実は歩いてみると、大学はそれほど遠くにあったわけではなく、駅まで40分くらいで着いてしまいました。何本もの川にかかった橋を歩いて渡るのもとても良い気持ちでした。

 学会が終わって人口が約1000人減った町は、さらに静かになったようです。夜の駅は人もぐっと少なくなっています。
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 人気のない駅というものは物寂しいものです。

 駅前にプラタナスが植わっているのですが、ここで懐かしい(?)におい(匂いというよりは臭い)に再会しました。
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 札幌でも夏を過ぎたあたりから、天使病院の横を通るたびに「なんか変な臭い」がすると思っていたのですが、それがどうやらプラタナスと関係あるらしいと気が付きました。

 あちこちにあるプラタナスの並木の近くを通るたびに同じ臭いがするのです。ここ、松江駅前のプラタナスの小さな林(?)を通る時も同じ臭いがしました。

 まだ確かめたわけではありませんが、春先には臭わなかったような記憶があるので、やはり実が臭うのかもしれません。最初に嗅いだ時には、何かが腐っているのかと思ったようなにおいですが、これがプラタナスの(実の?)においだとわかってからは、なんとなくこのにおいも悪くないと思えるようになりました。

 松江の最後の夜も更けてきました。明日の午前中には松江にさようならです。ほんとうに素晴らしい町でした。お世話になりました。
Commented by いも。 at 2006-09-26 22:47 x
プラタナスについて書いていたので足跡残しました。
どうもこのプラタナスのにおいにはうんざりなんですよー。
最近は街路樹として立ち並びすぎで、臭すぎ!

激しく食いついてしまい申し訳ありません…。
by stochinai | 2006-09-24 23:48 | つぶやき | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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