5号館を出て

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20℃差の帰札

 札幌に帰り着きました。

 午前中、予定通りに最後のパラボリックフライトをこなし、データ処理、全体の研究総括をバタバタとまとめ、検討会議を済ませて、撤収を完了、小牧を出たのが4時5分。当地はおそらく、23-24℃の気温だったと思います。

 札幌からのクルー4名だけが乗った貸し切り状態のセントレア行きのバスでは、全員が寝呆けていたようです。空港が近いというアナウンスで目が覚めると、薄暮の中に浮かび上がったセントレアの管制塔を見た瞬間、自分がどこの国にいるかわからなくなりました。
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 気を取り直して、空港にはいってチェックインしようとすると、最終便の前の便にまだ間に合うとのメッセージ。十分に余裕があったので7時の便に変更して帰ってきました。

 小牧の23-24℃から帰り着いた千歳の気温は1℃。その差は20℃を越えています。しかし、いざ北海道の冷気に触れてみると、思ったほどの寒さは感じられず、どちらかというとその冷たさはなつかしく気持ちの良いものでした。やっぱり私は北の人間だと実感した瞬間でもあります。

 今回はまるまる1週間(7日)の出張でした。一緒に言ってくれた学生達は8日です。このくらい、大学を離れていると日常生活に戻るためのリハビリに数日かかるものです。今回は、どのくらいでもとに戻れるか、今はちょっと不安です。

 いつでもどこでもネットにつながることが多くなったので、メールくらいは旅行中でもなんとか処理できるとは言え、このような長い出張の時にはどうしても対応できないことがたくさん出てくるものです。ほんの数日の出張ならば、そうしたものに対しても札幌に帰ってからすべて対応しようとしがちです。

 しかし、そういう状態が一週間も続くと、いくつかの事項は時間切れになってしまって、帰ってからの対応では遅すぎるというものも出てきます。

 対応できないということをちょっと考えると、取り返しのつかないということのように思えますが、さらに時間が過ぎてしまうと、「取り返しがつかなくても、大したことはないじゃん」ということが意外に多いことにも気が付きます。

 つまり、なまじっか「できてしまう」からどんどんこなしていたことのいくつかは、冷静に考えてみる、と実は「やる必要のない」ものだったということがわかるのです。

 そう考えると、強制的に仕事ができなくなる長期出張というものが、自分の日常を見直す貴重な機会でもあるということがわかりました。

 今後は、出張がなくても「やらなくても良いことはしない」という分別をしたいと、しみじみ思っているのですが、はたしてできるでしょうか?
Commented by 花見月 at 2006-10-25 14:45 x
かくも長き出張、お疲れ様でした。近くにいながら、そうそう頻繁におたずねできるわけでもないのですが、上階につぶやきさんがいないというのは、5号館の住人として、なんか心細いものです。
Commented by stochinai at 2006-10-25 21:27
 ありがとうございます。私などがいなくても、北大は粛々と動いていくのは間違いないのですが、ちょっとは役にたっているよと言われると、素直にうれしいものです。北大の顔になりたいとは思いませんが、土台石のひとつくらいにはなりたいものです。
by stochinai | 2006-10-24 23:56 | 札幌・北海道 | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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