5号館を出て

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単位偽装の高校長が自殺

 まさか2日も続けて自殺を取り上げることになるとは、自分でも思っていませんでした。

 つい、今し方ウェブで報道され始めましたが、茨城県立高校の校長先生が自殺してしまったようです。

 同校は、一連の必修逃れ問題で今年度、3年生80人に世界史Aと理科基礎の2科目を教えず、日本史と生物、物理に振り替えていたことが発覚。理科基礎は3年前から履修していなかった。
 この校長先生は、今年の4月に当の高校に赴任してきており、今年のカリキュラム作成には直接タッチしていなかったとも言われていますが、もちろんその中で単位偽装があることは認識していたはずで、自殺とその問題に関係があると考えるのが普通だと思います。

 昨日取り上げた、いじめが原因の自殺と違って、校長先生のケースは企業汚職などで起こりがちな、事情を良く知っている重要な関係者の自殺と似ているような気がします。

 いずれにしても、人が自殺に追い込まれるということは、その人に非常に大きなプレッシャーがかかっていることを意味していると思われ、逆にほんとうの責任者が自殺するということは少ないのではないかというのが、私の偏見です。

 今回もその偏見に従って邪推してみると、ほんとうの責任者(あるいは悪人)は校長先生の近くにいて、大きな権力を持っていた人間が怪しいということになります。この場合は、文科省は大きな力を持っているとしても、ちょっと遠すぎますのでどうも教*委*会あたりがあやしいと思えてなりません。

 どんな根拠があるのだと言われても、根拠のない推測にすぎないのですが、亡くなった人が追いつめられていたことは間違いないのではないでしょうか。もちろん、最大の被害者である高校生にも責められていたでしょうが、彼らに対する責任の取り方として「死んでお詫びする」ということは、どうも腑におちません。

 そうなると、やはり校長先生に上からプレッシャーをかけていたところを疑うのが自然ではないでしょうか。

 まあ、私のつまらない推理はどうでも良いのですが、今日もまた書かなければなりません。

 これ以上、何の解決にもならない校長先生が死ぬようなことは、断固阻止してください。その責任は、とりあえず各地の教育委員会にあると思います。責任をもって、校長先生の命を守ることと、高校生の人生と教育を守ってください。もちろん、その上にいる文科省が、教育委員会にプレッシャーをかけるだけだと、こんどはそちらから自殺者が出る恐れがありますので、それも避けなければなりません。

 みんなで協力して、死ではなく、未来へつながる形での解決を模索していきましょう。

 教育基本法の改正などと、暢気なことを言っている時ではないでしょう。
Commented by kshojima at 2006-10-31 02:31
昨日記事と同様なコメントをNews23でもしていました。あまり似ていたのですが。。。この学校長には教委からもですが保護者また内部の教員からもプレッシャーがあったと思われます。実は後者の方がしんどかったりします。教委は教員と人事交流をしているのでカリュキュラムは暗黙の了解です。今回の件は先日の記事のように時期だけにマスコミへのリークがあるでしょう。結局教育再生委員会の権限を文科省をも超えて揮いたいので、責任をどんどん下部の組織へ丸投げされているのが現実ではないでしょうか?受験戦争も教育政策を変えれない政治家に諸悪の根源があるのですが。組合や教委の力なんて高が知れている。これでは弱いものいじめも極みです。そしてそれを投影しているのが子どもの世界でもあります。これでは美しい国なんて絵に書いた餅です。
Commented by kumi at 2006-10-31 06:42 x
上のURLでも明らかなように,理科総合などの必修科目の形骸化,標準単位数では「**Ⅰ科目が終わらない実態。
文科省は見て見ぬふりをしている。
ここは,学習指導要領の全面改定あるいは,撤廃しかない。
Commented by もも at 2006-10-31 09:00 x
今朝、若い女性教師が「パワハラ」で自殺しました。先生のおっしゃる自殺の連鎖ですね。
自殺するなら、闘ってほしかった。それが将来のためにもなったはずですし。誰かにつらさを訴えられれば、誰かが支えてくれていれば、と思います。
校長から平まで、育児中のママからリストラ男性まで、つらい苦しいときのよりどころがないのが、この国なのでしょうか。
Commented by おが at 2006-10-31 10:11 x
Stochinaiさんと逆ですが私の偏見では、声高で感情的な親達に囲まれ糾弾されて精神的に追いつめられたんじゃないかと思っています。もちろん、上は場当たり的な指示しか出さず責任を校長一人に押しつけ庇おうとしない傾向があった、というのもいかにもありそうな話です。校長になるのは教師として最高の出世の筈ですが、こんなしんどい目に遭うなら一生教頭か学年主任でいいや、と思ってる先生も多いでしょうね。
Commented by stochinai at 2006-10-31 21:36
 どうしたらいいんでしょうね。

 政府の中には、今回の騒ぎを機に教育権限を教育委員会から取り上げようという意見もあるようで、民主党ももともと教育委員会を廃止するという意見ですから、一気に教育委員会がなくなるというような可能性もあるのかもしれません。

 教育制度における急激な変化は、生徒達に過大な負担を強いることになりますので、あまり賛成はできません。そもそも、この10数年教育制度があまりにもいじくりまわされた結果が今出ているとも言えるわけで、ここで最後の一押しをして「おしまい」になるのが最悪のシナリオだと思うのですが、、、、。
Commented by rabbitfootmh at 2006-11-01 01:15
深刻な事件が起きると、「心の闇」とか「あってはならないこと」という言葉で片づけられますが、人間はそういう弱さや暗い部分を持っているということ、なぜ闇へと足を踏み入れしてまうのかを直視しなければ、それらを克服してゆく道も開かれないのでは?
「自死」によっては、本人も遺された人たちも、何も解決できないと思います。
Commented by taketombow at 2006-11-03 09:19
今回の校長先生の自殺はご本人やご家族の方々には大変お気の毒と思い、お悔やみ申し上げます。
 しかし、少し腹立たしい気分もします。
ご本人はさぞかし辛かっただろうし、ご心痛だったと思います。しかし、

「残された者の身にもなっていただきたい」
と思うのです。校長先生が自殺なさっても、何の解決にもなりません。一昔前の疑獄のように、「誰か一人が死んでうやむやに」という時代ではないのです。問題は問題として残った上に、自殺の後処理の仕事が発生します。残された者にとっては堪ったものではありません。ご家族のご心痛もひとしおだと思います。
 それに、「命の大切さを」と指導してきたその高校の教職員は生徒に何と説明したらよいのでしょう。「悲しみ」よりも「困惑」が先に立ちます。
by stochinai | 2006-10-30 22:48 | 教育 | Comments(7)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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