2006年 12月 05日
CoSTEP Week!
今日から、CoSTEPが、公開講義を連日打ち抜くCoSTEP Week!が始まりました。
初日ということで、最初にCoSTEPの紹介が行われたようですが、第2講目にCoSTEPが誇る科学技術コミュニケーション・デザイナーのO津さんの体験型授業「科学をデザインしよう」があるというので、O津ファンの私としては取るものも取りあえず駆けつけたのでした。
科学技術に限らず、コミュニケーションの入り口にはビジュアルなコンタクトがあるものです。このファーストコンタクトの正否が、必ずしも目的意識や強い興味を持っているわけではない「普通の人々」に対するコミュニケーションが始められるのか、拒否されるのかを大きく左右する重要なポイントになります。
それにもかかわらず、科学者・研究者・大学の先生と呼ばれる人には、内容さえ確かなものであるならば、そのプレゼンテーションの仕方や包装に気を遣う必要などないのだと考えている人が、まだまだたくさんいらっしゃいます。確かに、今までのように付き合う相手が、同じ科学者・研究者・大学の先生あるいは彼らに逆らうことのできない学生だけという閉じた空間においては、それでも問題なくやってこられたという事情はあるのでしょう。
学術研究員としてデザイナーが参加しているプロジェクトは珍しいかもしれません。しかし、過去1年あまりのCoSTEPの活動を広報するポスター、報告書、広報チラシなどを振り返ってみてみると、科学コミュニケーションにおけるデザインの重要性が強く印象づけられます。
最近は、研究者も自分の研究を市民に説明する義務があるということで、ホームページや市民講演会、サイエンスカフェなども盛んに行われるようになり、さすがに大きなお金を持っている組織やプロジェクトでは、プロが作ったそれなりに立派なポスターやホームページも多くなってきました。しかし、残念ながらまだまだデザインにまで気を(お金を?)使って、ホームページやポスター、チラシなどを作っている例は少ないように思われます。
お金がないならば仕方がありませんが、ある程度お金を使える、組織の顔のようなサイトやポスターまでもが、素人のやっつけ仕事のようなものではいけないと思います。
一方、ではそれを専門家に頼もうかという時に、科学技術コミュニケーション関係のデザインを専門にやっておられる方はまだまだ少ないのが現実です。そこで、CoSTEPの出番ということですね。今日の授業の中でも、CoSTEP受講生の方が作った作品(ポスター)がいくつか紹介されていましたが、短期間の実習の中からなかなかスゴイものが出てきています。
せっかくそうして、身に付いた(あるいは開発された)能力を持った人が養成された一方で、大学や研究所などではそのような能力を必要としている状況があるのですから、後はあまり深く考えることなく、そうした人材をどんどんと使うことで、両者のハッピーな関係が築かれるところまできていると感じます。
デザイナーも含めせっかく養成した科学技術コミュニケーターが活躍できる場を用意することで、大学や研究所の抱えている問題がひとつ解決するのですから、そうしたところを運営なさっておられる方は積極的に科学技術コミュニケーターを使わないと損をすると思います。
まだまだ使えるコミュニケーターは少ないですから、他に取られる前につかまえておいたほうが良いでしょう。全国の、大学・研究所のみなさん、真剣に考える時期ですよ。
-------------------
ちなみに、CoSTEP Week!明日からのスケジュールを転載しておきます。
12月6日 (水) 日本国際賞受賞記念講演
18:30~20:00 「奇跡の高脂血症薬スタチン発見への道のり」
遠藤 章 (株式会社バイオファーム研究所 所長)
12月7日 (木)
18:30~20:00 「最近話題の人獣共通感染症」
高島郁夫 (北大大学院獣医学研究科公衆衛生学教室 教授)
12月8日 (金)
18:30~20:00 「天プラの挑戦~地域の力を活かした天文学普及活動」
高梨直紘・平松正顕
(東京大学大学院生・天文学普及集団「天文学とプラネタリウム」)
12月9日 (土)
14:00~15:45 第15回サイエンス・カフェ札幌 「眠れない私と生物時計」
本間研一 (北大大学院医学研究科長・教授)
他はすべて学術交流会館ですが、サイエンスカフェ札幌だけは紀伊国屋で行われます。
また翌12月10日(日)の午後1時30分からは、CoSTEP Week!の催しというわけではありませんが、「北のくらしを護る ~小樽生まれの不凍給水栓~」をテーマに、ウイングベイ小樽で、CoSTEPが共催する“ビズ・サイエンスカフェおたる”が開かれます。
初日ということで、最初にCoSTEPの紹介が行われたようですが、第2講目にCoSTEPが誇る科学技術コミュニケーション・デザイナーのO津さんの体験型授業「科学をデザインしよう」があるというので、O津ファンの私としては取るものも取りあえず駆けつけたのでした。
科学技術に限らず、コミュニケーションの入り口にはビジュアルなコンタクトがあるものです。このファーストコンタクトの正否が、必ずしも目的意識や強い興味を持っているわけではない「普通の人々」に対するコミュニケーションが始められるのか、拒否されるのかを大きく左右する重要なポイントになります。
それにもかかわらず、科学者・研究者・大学の先生と呼ばれる人には、内容さえ確かなものであるならば、そのプレゼンテーションの仕方や包装に気を遣う必要などないのだと考えている人が、まだまだたくさんいらっしゃいます。確かに、今までのように付き合う相手が、同じ科学者・研究者・大学の先生あるいは彼らに逆らうことのできない学生だけという閉じた空間においては、それでも問題なくやってこられたという事情はあるのでしょう。
学術研究員としてデザイナーが参加しているプロジェクトは珍しいかもしれません。しかし、過去1年あまりのCoSTEPの活動を広報するポスター、報告書、広報チラシなどを振り返ってみてみると、科学コミュニケーションにおけるデザインの重要性が強く印象づけられます。
最近は、研究者も自分の研究を市民に説明する義務があるということで、ホームページや市民講演会、サイエンスカフェなども盛んに行われるようになり、さすがに大きなお金を持っている組織やプロジェクトでは、プロが作ったそれなりに立派なポスターやホームページも多くなってきました。しかし、残念ながらまだまだデザインにまで気を(お金を?)使って、ホームページやポスター、チラシなどを作っている例は少ないように思われます。
お金がないならば仕方がありませんが、ある程度お金を使える、組織の顔のようなサイトやポスターまでもが、素人のやっつけ仕事のようなものではいけないと思います。
一方、ではそれを専門家に頼もうかという時に、科学技術コミュニケーション関係のデザインを専門にやっておられる方はまだまだ少ないのが現実です。そこで、CoSTEPの出番ということですね。今日の授業の中でも、CoSTEP受講生の方が作った作品(ポスター)がいくつか紹介されていましたが、短期間の実習の中からなかなかスゴイものが出てきています。
せっかくそうして、身に付いた(あるいは開発された)能力を持った人が養成された一方で、大学や研究所などではそのような能力を必要としている状況があるのですから、後はあまり深く考えることなく、そうした人材をどんどんと使うことで、両者のハッピーな関係が築かれるところまできていると感じます。
デザイナーも含めせっかく養成した科学技術コミュニケーターが活躍できる場を用意することで、大学や研究所の抱えている問題がひとつ解決するのですから、そうしたところを運営なさっておられる方は積極的に科学技術コミュニケーターを使わないと損をすると思います。
まだまだ使えるコミュニケーターは少ないですから、他に取られる前につかまえておいたほうが良いでしょう。全国の、大学・研究所のみなさん、真剣に考える時期ですよ。
-------------------
ちなみに、CoSTEP Week!明日からのスケジュールを転載しておきます。
12月6日 (水) 日本国際賞受賞記念講演
18:30~20:00 「奇跡の高脂血症薬スタチン発見への道のり」
遠藤 章 (株式会社バイオファーム研究所 所長)
12月7日 (木)
18:30~20:00 「最近話題の人獣共通感染症」
高島郁夫 (北大大学院獣医学研究科公衆衛生学教室 教授)
12月8日 (金)
18:30~20:00 「天プラの挑戦~地域の力を活かした天文学普及活動」
高梨直紘・平松正顕
(東京大学大学院生・天文学普及集団「天文学とプラネタリウム」)
12月9日 (土)
14:00~15:45 第15回サイエンス・カフェ札幌 「眠れない私と生物時計」
本間研一 (北大大学院医学研究科長・教授)
他はすべて学術交流会館ですが、サイエンスカフェ札幌だけは紀伊国屋で行われます。
また翌12月10日(日)の午後1時30分からは、CoSTEP Week!の催しというわけではありませんが、「北のくらしを護る ~小樽生まれの不凍給水栓~」をテーマに、ウイングベイ小樽で、CoSTEPが共催する“ビズ・サイエンスカフェおたる”が開かれます。
先生!!
シンポジウムのポスターのデザインについて、「そろそろアイディアを・・・」と連絡がきました!!!
助けてください!!!
シンポジウムのポスターのデザインについて、「そろそろアイディアを・・・」と連絡がきました!!!
助けてください!!!
0
私は、デザインセンスゼロで、とんとダメなんですよ。デザイナー頼みましょう!
by stochinai
| 2006-12-05 22:12
| CoSTEP
|
Comments(2)