5号館を出て

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そんなことはつまらないからやめろと言い

 8日に「「天下りあっ旋全廃に反対したらもう自民党には票を投じない」バトンに賛同します」というごく短いエントリーを立てました。もともとのバトンは、Life is beautiful (永遠のパソコン少年の理科系うんちく)のエントリーから投げられたものだったのですが、私はそれほど深く考えることもなくバトンを受け取りエントリーを立て、トラックバックを返しました。

 その後、私の予想を越えて大物のブロガーの皆さんが続々とバトンに賛同するエントリーを立てられ、予想通りとも言えるのですが、ある程度の盛り上がりになっています。

 そして、またこれも想定内の出来事なのですが、それに対して大物・小物を取り混ぜて、かなりの方が「天下り斡旋反対」という内容だけではなく、天下りそのもの、そして「バトン祭り」という「政治的行動」を批判あるいは否定するするエントリーを立てられているのもおもしろい現象だと思います。さらには、それらの批判エントリーに反論するエントリーまでも出てきています。

 それらへのリンクを、いちいちここに再掲することはしませんが、私にはこのバトン祭りをめぐるブロガーの反応がとても興味深くおもしろいことのように思えました。逆に、このバトン祭りを通じて現在の日本のブロゴスフェアの状況が垣間見える気がするのです。

 ある意味では「天下り斡旋」などという、自民党政治の下で連綿と続いてきた高級官僚の「普通のキャリアパス」に対するNo!の表明などというのは、今このタイミングで特に強く訴えるべきことなのか、それよりは教育基本法や共謀罪さらには憲法改正などに対する政治的行動の方がはるかに優先度の高いことなのではないかという指摘は、かなり正論だと私も思います。

 それにもかかわらず、今ここで「天下り斡旋反対」に対してブログという仮想の世界において、仮想のバトンを伝達してみようという、その「ゆるさ」に私は共感したのだと思います。

 その行為に対して、本当の政治的力があるのかどうかとか、そもそも天下りに反対してどうなるんだとか、とかいう議論はどこかなにか違うところを突いていると思えてなりません。

 ネット上に作られた仮想世界に対して、人それぞれにいろいろな思い入れや判断があると思いますし、まだまだ発展途上のこのメディアについて、これが正解というようなものがあるとも思えないのです。

 というわけで、今回の天下り斡旋反対バトンには、私を含めて素直に乗った人、反対などさまざまな理由でスルーした人以外に、天下り斡旋反対という意見には賛同あるいはニュートラルな立場でいながら、バトン運動そのものにとても強く反応して「釣られた」大物が何人かいらっしゃったのが、とても興味深かったというわけです。

 「それがどうした」と言われると困るのですが、それもまた今のブロゴスフェアなのだなあとなんとなくニヤニヤしている私なのでした。
Commented at 2006-12-15 18:03 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by stochinai | 2006-12-11 23:59 | コンピューター・ネット | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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