2005年 02月 02日
やられ損
「盗撮」司法修習生、無実
こういうニュースを聞く度に腹が立ちます。
最初に逮捕と容疑事実を発表したのは東京地裁で、その時は建造物侵入容疑で警視庁丸の内署が逮捕しています。東京地方裁判所内の女性用のトイレ個室内でビデオカメラが発見されて、東京高裁と東京地裁が建造物侵入の被害届を出し、捜査をした丸の内署が「修習中に席を離れがちで不審がられていた」という理由で司法修習生のひとりを逮捕し、自白させたということのようですが、発表の時点ではなにひとつ物証(カメラに付いた指紋)がなかったことが後でわかります。
たとえ本人の自白(容疑を認める上申書)があったとしても、物証もなしに限りなく犯人に近い存在としての「容疑者」として、身元を発表するなどということが、どうして許されるのでしょう。
東京地検は、偉そうに「処分保留」のまま釈放したと言っていますけれども、それは誤認逮捕ということを意味していないでしょうか。共同通信によれば、修習生は「逮捕前、容疑を認める上申書を出していたが、間もなく否認に転じ『自分はビデオを置いていない』と主張」しているということなので、地検に多少は情状酌量の余地はあるとも言えますが、物証がないまま発表するという勇み足については猛省すべきでしょう。あるいは処罰されてもおかしくない人権侵害だと思います。
だいたい誤認逮捕された「元」容疑者はすでに実名を報道されてしまっていますので、地検が誤認逮捕を処分保留と言い張り続けることで、世間には「証拠がないだけで、あいつは犯人だ」と思わせ続けることになります。
こういう場合、被害者となった「元」容疑者が原状を回復するためには裁判に訴えるしかないのですが、大変な努力をして勝訴したところで「裁判には勝ったけど、やっぱりあいつが犯人なのさ」という風評を消すことはできないと思います。つまり、原状回復は不可能なのです。
逮捕の発表の時点で懲罰まで済んでしまうというこの状況は、法治国家としては失格でないでしょうか。
独裁国家であるイラクに民主主義を与えるための「十字軍」の一員となっている国としては、やっぱり恥ずかしすぎると思います。
こういうニュースを聞く度に腹が立ちます。
最初に逮捕と容疑事実を発表したのは東京地裁で、その時は建造物侵入容疑で警視庁丸の内署が逮捕しています。東京地方裁判所内の女性用のトイレ個室内でビデオカメラが発見されて、東京高裁と東京地裁が建造物侵入の被害届を出し、捜査をした丸の内署が「修習中に席を離れがちで不審がられていた」という理由で司法修習生のひとりを逮捕し、自白させたということのようですが、発表の時点ではなにひとつ物証(カメラに付いた指紋)がなかったことが後でわかります。
たとえ本人の自白(容疑を認める上申書)があったとしても、物証もなしに限りなく犯人に近い存在としての「容疑者」として、身元を発表するなどということが、どうして許されるのでしょう。
東京地検は、偉そうに「処分保留」のまま釈放したと言っていますけれども、それは誤認逮捕ということを意味していないでしょうか。共同通信によれば、修習生は「逮捕前、容疑を認める上申書を出していたが、間もなく否認に転じ『自分はビデオを置いていない』と主張」しているということなので、地検に多少は情状酌量の余地はあるとも言えますが、物証がないまま発表するという勇み足については猛省すべきでしょう。あるいは処罰されてもおかしくない人権侵害だと思います。
だいたい誤認逮捕された「元」容疑者はすでに実名を報道されてしまっていますので、地検が誤認逮捕を処分保留と言い張り続けることで、世間には「証拠がないだけで、あいつは犯人だ」と思わせ続けることになります。
こういう場合、被害者となった「元」容疑者が原状を回復するためには裁判に訴えるしかないのですが、大変な努力をして勝訴したところで「裁判には勝ったけど、やっぱりあいつが犯人なのさ」という風評を消すことはできないと思います。つまり、原状回復は不可能なのです。
逮捕の発表の時点で懲罰まで済んでしまうというこの状況は、法治国家としては失格でないでしょうか。
独裁国家であるイラクに民主主義を与えるための「十字軍」の一員となっている国としては、やっぱり恥ずかしすぎると思います。
初めまして。TBさせていただきました。この話題、すでに風化気味ですが、こう考える方がいてちょっと安心しました。
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TBありがとうございます。話題の風化が早いのは、マスコミさんにも責任ありますよね。
我々は、ブログでそこを補完していかなければならないのかもしれません。
最近、あちこちで記者さんがブログを立ち上げていらっしゃいますね。風当たりも強そうですが、さすがにプロが書いているだけあって、読み応えもあります。
いろんな理由で新聞には書けないことも、どんどん取り上げていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
我々は、ブログでそこを補完していかなければならないのかもしれません。
最近、あちこちで記者さんがブログを立ち上げていらっしゃいますね。風当たりも強そうですが、さすがにプロが書いているだけあって、読み応えもあります。
いろんな理由で新聞には書けないことも、どんどん取り上げていただきたいと思います。
よろしくお願いします。

他に犯人がいるという可能性はどうでしょう。
もちろん冤罪だという証拠をつかんでいるわけではありませんが、犯人であるという証拠も弱すぎないか、というのが印象です。
裁判で冤罪が確定した時だって、犯人がわからないことが多いと思いますので、他に犯人がつかまらないからと言って、その人が犯人であるということには全然ならないです。警察も容疑者を複数ピックアップするようにしたら良いと思うのですが、なかなかそうはならないようですね。
もちろん冤罪だという証拠をつかんでいるわけではありませんが、犯人であるという証拠も弱すぎないか、というのが印象です。
裁判で冤罪が確定した時だって、犯人がわからないことが多いと思いますので、他に犯人がつかまらないからと言って、その人が犯人であるということには全然ならないです。警察も容疑者を複数ピックアップするようにしたら良いと思うのですが、なかなかそうはならないようですね。
by stochinai
| 2005-02-02 18:36
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Comments(4)