2007年 01月 11日
不二家は立ち直れないでしょう
不二家は今日記者会見を開き、昨年11月8日に消費期限切れの牛乳を使用したシュークリームを出荷したと発表するとともに、ほかにも期限切れ原料を使用していたケースが判明したと公表したとのことです。
今、ネットで一番詳しく書かれているのは、ロイターなので(ということは、世界に配信されたということでしょうか)、引用させてもらいます。
しかし、残念ながら発覚から2ヶ月も公表せずに、問題が起こったものと同じ製品の販売が続けられていたようですので、おそらく不二家はこれでアウトだと思います。
雪印乳業の食中毒事件の記憶がそれほど古いものではないだけに、今回の不二家の対応は非常に不思議な気がします。雪印乳業がこんなにがんばっても、まだ元の状態にまでは戻れていないという現実が目の前にあるというのに、不二家の経営陣はいったいどこに目をつけているのでしょう。
ロイターの記事によると、「不二家の洋菓子事業は、2003年3月期から4年連続で営業赤字に陥るなど再建途上にある」ということなので、消費期限切れの材料を使ってお菓子を作ったということは、あるいは会社ぐるみの節約作戦だった疑いもあります。
昨今の、いろいろなニュースを見聞きしているならば、今の日本の消費者は少し過剰ではないかと思われるくらい、安全とか健康にこだわっているのがわかるはずなのに、そうしたものに対処できなかったとしたら、会社としての寿命はすでに尽きていたと判断しても良いのかもしれません。
それにしても、不二家という老舗がこのような形で破綻しそうな雰囲気を見ると、戦後の日本の社会そのものが同じように劣化して破綻しつつあることを感じさせられます。
ペコちゃん・ポコちゃんにはかわいそうですが、不二家はこれで食品業界から引退することにならざるを得ないと思います。
今、ネットで一番詳しく書かれているのは、ロイターなので(ということは、世界に配信されたということでしょうか)、引用させてもらいます。
問題があったのは、同社の埼玉工場。昨年11月8日、前日が消費期限切れの牛乳を使ってシュークリーム2000個を製造し、関東や新潟、福島、静岡の1都9県に出荷していた。調査を進めた結果、同工場ではこのほかにも消費期限切れ牛乳を7回使用していたことが判明。最大で1万6000個のシュークリームを出荷した可能性があるという。さらに、アップルパイなどに使うりんごの加工品の賞味期限切れのものを4回使用していたこと、細菌検査で出荷基準に満たない「シューロール」と呼ばれる洋菓子を出荷していたことも判明した。また、同工場内でねずみが捕獲されたことも確認されており、2004年には1カ月で50匹が捕獲されたこともあったという。昨年の11月に問題が発覚したのは、おそらく内部告発だと思います。公益通報者保護法がありますので、内部のトップへと通報があったのでしょう。また、同じ法律により、会社が事実をもみ消したり告発した社員に不利になるような扱いをしようとした場合には、通報者が外部へ通報することの正当な理由になりますので、内部で検討した結果隠し通すことはできないと判断して、今日の会見になったのだと思います。
しかし、残念ながら発覚から2ヶ月も公表せずに、問題が起こったものと同じ製品の販売が続けられていたようですので、おそらく不二家はこれでアウトだと思います。
雪印乳業の食中毒事件の記憶がそれほど古いものではないだけに、今回の不二家の対応は非常に不思議な気がします。雪印乳業がこんなにがんばっても、まだ元の状態にまでは戻れていないという現実が目の前にあるというのに、不二家の経営陣はいったいどこに目をつけているのでしょう。
ロイターの記事によると、「不二家の洋菓子事業は、2003年3月期から4年連続で営業赤字に陥るなど再建途上にある」ということなので、消費期限切れの材料を使ってお菓子を作ったということは、あるいは会社ぐるみの節約作戦だった疑いもあります。
昨今の、いろいろなニュースを見聞きしているならば、今の日本の消費者は少し過剰ではないかと思われるくらい、安全とか健康にこだわっているのがわかるはずなのに、そうしたものに対処できなかったとしたら、会社としての寿命はすでに尽きていたと判断しても良いのかもしれません。
それにしても、不二家という老舗がこのような形で破綻しそうな雰囲気を見ると、戦後の日本の社会そのものが同じように劣化して破綻しつつあることを感じさせられます。
ペコちゃん・ポコちゃんにはかわいそうですが、不二家はこれで食品業界から引退することにならざるを得ないと思います。
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通行人
at 2007-01-11 23:46
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本当に残念ですが、不二家は退場となるものと私も思います。
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K_Tachibana
at 2007-01-12 00:22
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私もむかし食品会社に勤めていたので他人事ではありません.
食添や残農,放射線照射,遺伝子組換えに過敏になっている食品会社が食のリスクコミュニケーションに腰が引けているのも,一歩間違えば会社が存続できなくなるだけに理解できます.
食添や残農,放射線照射,遺伝子組換えに過敏になっている食品会社が食のリスクコミュニケーションに腰が引けているのも,一歩間違えば会社が存続できなくなるだけに理解できます.
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inoue0 at 2007-01-12 14:18
森永はヒ素ミルク事件で3桁の被害者を出しましたが生き延びました。なぜなんでしょうか。
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stochinai at 2007-01-12 14:31
時代の差ではないでしょうか。薬害に関しては、まだまだ製薬業界が生き残る可能性が高そうですが、食品に関する市民の反応の強さは(もちろんマスコミのキャンペーン的誘導はあるのでしょうが)、昔とは比べものにならないくらい激しいと思います。
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もも
at 2007-01-12 15:04
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stochinai at 2007-01-12 17:38
そうですね。国策企業と言われるものは、何があっても生き残りますね。ミドリ十字などは名前を変えたり、吸収合併によってうやむやになっています。政府がどんなにがんばっても、ダメなものはダメと、国民の力でつぶせるくらいに強い国民になりたいものです
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at 2007-01-12 23:52
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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skywork
at 2007-01-14 06:40
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食品の「安心・安全」や「食育」に強い関心を持っています。
昨年の12月8日にブログを立ち上げました。
こちらです。
↓↓↓↓
http://fsr.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_31a6.html
内容の説明の為の「動画」は、こちらです。
↓↓↓↓
http://www.youtube.com/watch?v=fa9BwUFMOXo
「不二家」のニュースが日本全国に飛び交っておりますが、
こちらは、日本の食品業界では、初の試みだと思いますので、
一度、ご覧頂けませんでしょうか・・・・?
昨年の12月8日にブログを立ち上げました。
こちらです。
↓↓↓↓
http://fsr.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_31a6.html
内容の説明の為の「動画」は、こちらです。
↓↓↓↓
http://www.youtube.com/watch?v=fa9BwUFMOXo
「不二家」のニュースが日本全国に飛び交っておりますが、
こちらは、日本の食品業界では、初の試みだと思いますので、
一度、ご覧頂けませんでしょうか・・・・?
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stochinai at 2007-01-14 22:29
外部機関がチェックして、「食の安全通信簿」を付けるという方式はとても良いと思いました。小規模な食品関係のところにとっては特にありがたいと思います。がんばってください。
しかし、不二家くらいに大きなところだと自前でやれていないと困りますね。
しかし、不二家くらいに大きなところだと自前でやれていないと困りますね。
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alchemist
at 2007-01-15 09:41
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チッソが倒産すると水俣病の患者さんへの補償ができなくなるので残したのでは?当時、そんな説明だったかと。
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stochinai at 2007-01-15 21:15
そうだったかもしれませんね。いまだに認定されていない患者さんがいるのを見ると、チッソを生き延びさせるためだけの「口実」だったのかと言われても仕方がないところだと思います。
雪印と不二家に共通するのは、
巨大な独自販売網を持っているということでしょう。
あのような業態だと、
営業する分野を変えるのはもちろん、
ブランド戦略を機動的に変えていくことすら難しくなってしまう。
結果として、経営が厳しくなったときに、
たとえ危険を冒してでも、
現在の業務形態を変えずに利益を上げることしか
考えられなくなってしまう傾向にあるのではないかと思います。
不二家の場合、
コンビニなど新チャンネルへの転換がうまく進んでないと思われるので、
雪印よりも、さらに環境は厳しいでしょう。
皆さんもお書きになっているように、
「退場」は現実味のある話ではないかと思います。
巨大な独自販売網を持っているということでしょう。
あのような業態だと、
営業する分野を変えるのはもちろん、
ブランド戦略を機動的に変えていくことすら難しくなってしまう。
結果として、経営が厳しくなったときに、
たとえ危険を冒してでも、
現在の業務形態を変えずに利益を上げることしか
考えられなくなってしまう傾向にあるのではないかと思います。
不二家の場合、
コンビニなど新チャンネルへの転換がうまく進んでないと思われるので、
雪印よりも、さらに環境は厳しいでしょう。
皆さんもお書きになっているように、
「退場」は現実味のある話ではないかと思います。
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stochinai at 2007-01-16 00:37
情報学ブログさん。トラックバックをありがとうございます。トラックバックを頂けるだけで事情はわかりますので、わざわざコメントでお断りをいただく必要はありません。こうして議論が広がっていくのは、とてもありがたく、うれしいことです。今後ともよろしくお願いします。
by stochinai
| 2007-01-11 23:10
| つぶやき
|
Comments(14)