5号館を出て

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雪 ゆき 雪 ゆき 雪 【追記 中原中也】

 今年の雪はほんとうに変な降り方をしています。GOROさん情報によると、仙台でもこの冬「まだ一度もまともな積雪がありません」とのことです。

 「雪といえば新沼謙治」と言っても、わかってくれる人は少ないでしょうが、「津軽恋女」という歌の中に、とても印象的なフレーズが出てきます。
降りつもる雪 雪 雪 また雪よ
津軽には七つの 雪が降るとか
こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪
みず雪 かた雪 春待つ氷雪
 この歌の元になっているのは、太宰治の「津軽」の冒頭にある引用だと思われます。
津軽の雪

  こな雪
  つぶ雪
  わた雪
  みづ雪
  かた雪
  ざらめ雪
  こほり雪

    (東奥年鑑より)
 話は変わりますが、「津軽」全文がネットで読めるのは著作権の期限切れのおかげです。

 雪が降るたびに私が思い出す曲としては、「津軽恋女」のほかに、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」と中島みゆきの「札幌SNOWY」がありますが、最近は中島美嘉の「雪の華」が加わりました。「札幌SNOWY」といえば、最近しょっちゅうテレビの番組予告の中で流れてくるのですが、聞く度にちょっと胸が揺すられるのが困ったものです。

 雪ついでに、気象用語としての雪のこともメモしておきましょう。お天気おじさんの森田さんのサイトからの引用です。
 降る雪と積もった雪にいろいろと名前が付いているとのことです。
降る雪

  たま雪
  こな雪
  はい雪
  わた雪
  もち雪
  べた雪
  みず雪

積もった雪

  新雪
  こしまり雪
  しまり雪
  ざらめ雪
  こしもざらめ雪
  しもざらめ雪
  氷板
  表面霜
  クラスト
 積もった雪の分類中の最後の3つは森田さんのページにはないのですが、日本雪氷学会北海道支部のホームページで見つけましたが、さすがに学会用語だけあって、言葉に情緒が足りないのはやむを得ないのでしょうか。

 いずれにせよ、単なる自然現象と片づけることができないほど人の心に入り込んでくるのが雪ですね。

【追記】
 実はもうひとつはずせないのがあったのですが、思い切って出しておきます。中原中也の「生ひ立ちの歌」です。

     I

   幼年時
私の上に降る雪は
真綿のやうでありました

   少年時
私の上に降る雪は
霙のやうでありました

   十七ー十九
私の上に降る雪は
霰のやうに散りました

   二十ー二十二
私の上に降る雪は
雹であるかと思われた

   二十三
私の上に降る雪は
ひどい吹雪と見えました

   二十四
私の上に降る雪は
いとしめやかになりました……


    II

私の上に降る雪は
花びらのやうに降つてきます
薪の燃える音もして
凍るみ空の黝む頃

私の上に降る雪は
いとなびよかになつかしく
手を差し伸べて降りました

私の上に降る雪は
暑い額に落ちくもる
涙のやうでありました

私の上に降る雪に
いとねんごろに感謝して 神様に
長生きしたいと祈りました

私の上に降る雪は
いと貞節でありました

 ソースは、こちら「テキスト・年譜は、『中原中也詩集』(大岡昇平編 1981年6月 岩波書店)からの引用」となっております。
Commented by さなえ at 2007-02-08 23:16 x
若い頃、中原中也は身にまといつき、振り落とそうとがんばりました。ずっと忘れていましたが、今でもやはり胸を刺します。
Commented by もも at 2007-02-09 09:07 x
さなえさんのおっしゃるように、私も中也は嫌いでした。つらくて。
でもいま、こうやって読むと、美しい。
新沼健治の唄、いいですよね。「雪、雪、また雪よ」て、南国人にはロマンです。
でも、出典が太宰治だったとは。「斜陽館」も訪れる人がないとか。
いまどきの人は、中也や太宰は読まないでしょうね。
Commented by 花見月 at 2007-02-09 09:13 x
私の好きな雪の歌は
「雪がすべてを 真っ白につつむ
冬がそれだけ よごれやすくなる
よごれをつつもうと また雪が降る」
というある歌の中の一節です。
Commented by ぜのぱす at 2007-02-09 14:14 x
私が好きなのは、

やけに真っ白な雪がふわふわ
真っ裸の木をこごえさせ
せみの子供は土の下
    .
.
.

N.S.P の『さようなら』の出だしです。知るひとぞ知る名曲だと思うんですが、N.S.P 自体を知らないひとが多いかも。
Commented by ヨシダヒロコ at 2007-02-09 23:03 x
中也の詩は高校生のときに特に好きでした。ランボーの訳書もあるそうで、できれば古本で、詩集ともども買ってみたいものです。
Commented by stochinai at 2007-02-10 17:09
 来るとは思っていましたが、雪と中也はやっぱり来ますね(^^;)。NSP(ニューサディスティックピンク)が出てくると、いるか(あるいは伊勢正三)の「なごり雪」も思い出しますね。

 こんな記事もありました。
http://blog.drecom.jp/akogi-rensyutyo/archive/277
by stochinai | 2007-02-08 21:55 | つぶやき | Comments(6)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai