5号館を出て

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テレビ放送はいらない 番組があればよい

 今朝、FPNで「YouTubeの競合になるか?Joost、ついに本格稼動」という記事を読んで興奮してしまいました。
 "Goodbye television. Hello, Joost"と、Skypeの創業者が立ち上げたJoostというオンラインTV番組視聴サービスがついに本格稼動しました。
 この「オンラインTV番組視聴サービス」とは、YouTubeのようなユーザーの投稿による短く質の悪い動画ではなく、テレビ局が作成した長い番組を全部そのまま専用のアプリケーションで購読するオンラインサービスのことです。

 喜多川さんという著者の方は、「約1ヶ月前にbeta版への申し込みをしていた」そうで、ようやくJoostという会社から、視聴が可能になるインビテーションをもらって立ち上げてみたところ、なんと「チャンネル数はMTVやNational Geographicを含む20以上あり、更にチャンネルごとに抱える番組数はそれぞれ10個を超えております。また全てが1時間近い"full episodes"で視聴することができ、解像度も記述通りかなり高い」とのことで、私もその場でJoostのウェイティング・リストに登録してしまいました。

 日本で、同じようなサービスが立ち上がるはまだまだ先のような気はしますが、もはやこの流れに抗することはできないのではないかと思います。

 タイミング良く午後には、「スカパー!、2011年度にスカパー!光を80万加入に。IP・モバイル対応も」というニュースも飛び込んで来ました。「スカパー!光は現在のRF方式に加えて、IPを利用したコンテンツ配信サービスとの連携を2007年度中に進め」て、「IP放送に関しては、Bフレッツ上の総合的な放送体制や次世代ネットワークへの対応を関係各社と協力して進め、スカパー!光を含めて全国をカバーする光ファイバによるコンテンツ配信体制を構築する計画としている。このほか、無線LANなどを利用してテレビやモバイル端末、PC、ゲーム機器、PDA、カーナビなどに対して多チャンネルコンテンツを配信する“Lightなスカパー!サービス”の開発も行なう。なお、IP・モバイル分野の累計加入件数は 2011年度で130万加入を目標」にしているとのことです。

 そうなんです。この2011年度というのは、地上波テレビの電波がなくなる年です。そこに焦点を合わせて、放送なしにテレビが見られる体制を作ろうということだと思います。一方で、2011年までにテレビ受像器ハードウェアのすべてが切り替わることは無理だろうという見通しが立っており、それに危機感を抱いた政府・与党は「低所得者への受信機の無料配布を検討し始めた」というニュースもありました。
 地上デジタル放送は03年12月から東京、大阪、名古屋の3大都市圏でスタート、06年末で全国の3,950万世帯(全国の84%)に電波が届くようになった。しかし、地上デジタルを視聴できる受信機の普及は1月末時点で1,792万台。日本のアナログ受信機は約1億台あり、2010年までの切り替えは困難な見通しになっている。
 無理だとしても、350億円とも言われる税金をつぎ込む価値があるほどテレビ放送って大事なんでしょうか。

 なぜ買い換えが進んでいないかを冷静に考えると、2011年を機にテレビをやめようと思っている人がたくさんいるということではないでしょうか。そんな人に、デジタルチューナーをタダで上げる代わりにNHKの聴取料を集めたり、広告収入を確保しようというのは、ヤクザの商法です。

 さらにタイミング良く、池田信夫さんblogで「テレビが終わってるのに気づかない人々」というエントリーが上がっております。
業界の楽観的な予測に従っても、2011年段階でアナログテレビは5000万台以上残る。この状態で電波を止めたら、サブテレビは高価なデジタルハイビジョンに買い替えないで捨てられ、若者はPCや携帯で動画を見るようになると予想される。彼らは受信料を払う義務もなくなるので、NHKの経営基盤は崩壊するだろう。民放の広告収入は半減し、特に地方民放の経営は破綻するだろう。これって、なかなかいい未来像ではないだろうか。
 こうして、テレビ放送はなくなるでしょうが、ネット配信される番組はさまざまなルートで視聴されるようになるでしょう。その時のために、今から垂れ流すのではなく選ばれる番組作りを心がけることが生き残る唯一の道なのだと確信します。
Commented by もも at 2007-03-03 17:58 x
ネットを活用してテレビの面白くなさやインチキ臭さに気づきました。
音がほしいだけだったみたい。だから今はネットラジオで音楽を流してます。ファドとか。
でも母がテレビを買い換えるかどうかで悩んでいます。田舎の人って律儀だから、「みんな替えてるのよ」って。まさか「そのころ死んでるよ」って言うわけにもいかないし。まだ受像機としては十分使えるし。電気やさんのためのデジタル化か、って勘ぐってしまう。
Commented by ダビング at 2007-03-12 15:46 x
地上波デジタル放送を導入したはいいですけど、コピーワンスとか言うのが邪魔して楽しみにしていた地デジの特番がきちんと録画できません。
こんなことならもうちょっと待てばよかったなー、と思ってたんですが
友人からコピーガードキャンセラーって言うのを使えばいいよと
言われました。ちゃんと使えるのかなーと思ったんですが、届いて
使ってみると、ちゃんと何回でもダビングができるようになりました。
ワンセグにも使えるみたいで、ずいぶんと得した感じです。
Commented by stochinai at 2007-03-12 21:49
 いろいろとテクノロジーが進歩していきますけれども、テレビなどの利用者はそうしたテクノロジーについていけない人が大多数で、その人達を巻き込んでの全国レベルでのシステム改変は影響が大きいと思います。聞くところによると、既に地デジ対応の地方で地デジ対応のテレビを導入したにもかかわらず、あいかわらず今まで通りの地上波のアナログ電波を受信しているご家庭もかなりあると聞きました。
 リテラシーのある人は、どんどんテクノロジーを乗り越えて便利な使い方ができるのでしょうが、それをできない人とのデジタル・ディバイドはどんどん大きくなりそうですね。
by stochinai | 2007-03-02 23:22 | コンピューター・ネット | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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