5号館を出て

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冬に逆戻り

 札幌へ帰って来るなり、気温は下がり雪も降り出しました。昨日の夜から本格的な雪になり、今朝起きてみると我が家の前は吹きだまりということもあり、20センチくらいの積雪となっており、ほんとうにひさびさに本格的な除雪作業をすることになりました。

 一昨日まで徳島にいて、サクラの花などを眺めてのんびりしていたことなど夢のようです。でも札幌の人は、やはり雪の降る量というものは毎年そんなに変わるものではなく、ここへきてつじつま合わせの大雪になったと、比較的冷静です。

 今日は神戸からキッズラボのI岡さんがいらして、夏のサイエンスキャンプの打ち合わせや、キッズラボの教材に関するディスカッションなどをした後、食事をしながら日本の教育シーンにおける理科教室の役割などについて語り合いました。

 キッズラボでは、単に小学生に理科の実験をやらせるだけではなく、科学を日本語で理解し、結果および考えたことを日本語で記述し、それを人前でプレゼンさせるということに力を入れているそうです。今の大学生や大学院生を見ていると、科学を日本語で理解し、日本語で説明し、日本語で議論するという力が弱いと感じます。日本語の読み書き能力は小学生の頃から不断の訓練によって身に付けなければならないと感じていたのですが、理科の分野で日本語で読み、考え、議論し、書き、説明するという訓練をしていると聞いて、非常に感銘を受けました。

 きちんとした日本語で理科する、科学することができる人材は大学でもとても欲しい人材です。小学生からそうしたことを鍛えられているところがあるとは、心強い限りです。日本全国にキッズラボ・クローンが増殖中という話もあるようなので、是非ともがんばって欲しいと思います。

 とは言え、こうした理科教室に通うことのできる子は、経済的に恵まれているだけではなく、(受験一辺倒ではない)かなり意識の高い親を持った家の子に限られるという現実はあると思います。ある程度の利益が確保されたならば、意志と将来性がありながら家庭状況に恵まれないせいで、こうした教育を受けることができない子どもたちにも、そういう機会が与えられる民間奨学制度のようなこともできるようになれば理想的だなあと考えたり、なかなか有意義な夕食会になりました。

 今や子どもの理科教育を真剣に考えているのは、こうしたプライベートスクールと、wisdom96のような自主的に運営されている理科サークルだけなのかもしれません。

 そう考えると、政府の主催する公教育というものは何をやっているんだろうと思えてきます。教育再生会議とか中央教育審議会とかのやっていることは、教育とは関係のないことなのではないか、という気分になってきます。

 そんなことを考えながら、雪に埋もれた我が母校「札幌中学校」の前を通ると、学校もなんだか元気がなさそうに見えます。
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 ここらで発想を大転換して、学校が元気になる政策を出して欲しいものです。
Commented by YS-11k at 2007-03-14 10:57 x
5号館階下のCoSTEP出前授業チームも真剣に理科教育を考えてがんばってますよ!
Commented by stochinai at 2007-03-14 11:29
 これは失礼!もちろん、出前授業も意味のある活動だと思いますが、理科カリキュラム全体を考え、継続的な活動をするということはなかなか難しいのではないかと思います。上に書いたのは、文科省の理科教育に対する対案としてのカリキュラム全体を組み立てていく取り組みについてでした。
 もちろん、出前授業プログラムもカリキュラム全体を見据えた上でプランを立てているのだと思いますが、教育を考えるのであれば「継続」は重要なキーワードになると思います。
by stochinai | 2007-03-13 23:59 | 札幌・北海道 | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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