5号館を出て

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春の積雪と女性研究者10万人

 朝、起きてみたらなんと一面の銀世界。まるで、冬の始まりのような光景でした。
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 背中はいっそう毛並みがモシャモシャになった武蔵丸です。

 春になったと思って、ようやく起きあがってきたところにこの雪でしたので、芝草もビックリでしょう。でも、こうしてみると雪の中にたっている一本一本の草もなかなか美しいものです。
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 午後になって雪は雨に変わり、雪はすっかり融けてしまいました。

 雪はさておき、今朝の朝日新聞には意味不明な記事「女性研究者、初の10万人超え 総務省」がありました。いわゆる暇ネタというやつでしょうか。ネットの短い記事だけ読むと、そうか女性は研究の分野でも進出が著しいのか、と思わせられるような書きっぷりですが、新聞に載っているグラフを合わせて見ると何が言いたいのかまったく不明な記事であることがわかります。
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 確かに女性研究者の数は右肩上がりに増えていることは事実なのですが、男性研究者も右肩上がりで、しかも女性研究者より明らかに増加数が多く見えるのです。最初の数が圧倒的に違いますので、「増加率」で見ると女性研究者が多くなるのかもしれませんが、さすがに記事の中で文字でそう書くのははばかられたのか、そこまでは書いてありません。
 研究者全体に占める女性の割合は前年と同じ11.9%だった。

 過去10年、研究者の数は男女とも増える傾向にあり、男性は06年に75万9000人いた。
 女性研究者が増えていると言いたいのか、まだまだ増え方が足りないと言いたいのか、主張のない記事の典型と言えるかもしれません。

 しかも、「女性研究者」の定義が示されていません。さらっと読むと、研究を主業務とする定職に就いている女性と読めるのですが、おそらくポスドクや時限付きの助教などもはいっていることはまちがいなく、そういうところでは女性の比率が高く、安定した期限なしの企業研究員や大学教授・准教授では、はるかに比率が低くなっていることは間違いないと思われます。

 いやしくも新聞の記事として書くのならば、そうしたところまで踏み込んで「だからどうなんだ」という主張を持った記事を書いて欲しいと思います。

 このままならば、ただの「埋め草」に過ぎません。お金を払いたくない記事の見本です。
Commented at 2007-04-15 15:55 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by enoki at 2007-04-15 19:55 x
ご無沙汰しています。

一応ヒマネタではないようです。総務省統計局に元ネタがありました。

▼統計トピックスNo.20
我が国の女性研究者の動向
-科学技術週間にちなんで-
    (平成18年科学技術研究調査の結果から)
http://www.stat.go.jp/data/kagaku/topics/topics20.htm


●女性研究者、初の10万人超え 総務省
http://www.asahi.com/science/update/0414/TKY200704130402.html

●女性研究者、過去最高の12%・大学では5人に1人
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070413STXKF052213042007.html

●女性研究者12%で過去最高 大学への進出目立つ
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007041301000565.html
http://kyoto-np.jp/article.php?mid=P2007041300145&genre=G1&area=Z10

●女性研究者10万人突破
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070414-00000020-fsi-ind

Commented by K_Tachibana at 2007-04-15 21:17 x
stochinaiさん
いちおう暇ねたではないことを書こうとしたら...
既にenokiさんが書いていらしてましたね.
読者に求められているのは,このようなねたが新聞に載ったとき,必要に応じて元ねたを調べ,自分なりの整理をするのが望ましいということなのでしょう.
朝日の見出しをそのまま誰かに伝えたとしても,次に内訳を聞かれるのは目に見えています.
残念ながら,最近の新聞記事にはあまり期待はしていません.
Commented by stochinai at 2007-04-17 21:43
 enoki さん、 K_Tachibana さん。補足情報をありがとうございました。女性研究者が増えていることは事実ですが、逆いうと研究室あるいは研究の世界での弱者が増えているという捉え方もできると思います。男でも厳しい研究者の世界で、女性がどんなに苦しんでいるか、わかった上で増加させているのでしょうか。
Commented by stochinai at 2007-04-17 21:46
 それから、うちのネコは段ポール箱にはいってカラオケ店の前に捨てられていたので、はっきりしたことはわかりませんが、(おそらく)ヒマラヤンの血がはいった雑種ではないかと思われます。捨て猫でもかわいいものは、かわいいですが。
Commented by cony at 2007-04-19 17:21 x
元データを見てみたのですが、
http://www.stat.go.jp/data/kagaku/2006/
研究者の定義は「大学の課程を修了した者で,特定の研究テーマをもって研究を行っている者をいう。」だそうです。とすると大学院生は?と思ってしまいますし、企業ではさぞかしたくさんいるであろうことが容易に想像できます。
研究職周辺にいると実感として理解できますが、研究と関係ない仕事の方には数字で示す効果はあるのかもしれませんよ。
Commented by trickstar at 2007-04-20 11:34 x
conyさんに教えていただいたURLから統計表一覧を見たら、博士号取得者の割合がわかりました。自然科学分野で研究者数236,668人に対して博士号取得者は96,206人、自然科学分野の国立大学では同105,313人に対して44,430人と約4割ですね。この数字から察するに、大学院生も研究者に含んでいると思います。さて、肝心の女性研究者については、博士号取得者の欄がありません。おそらく慣例でこうなっているのではないかと思いますが、次年度当たりは発表して欲しいところです。
Commented by stochinai at 2007-04-21 17:59
 cony さん、trickstar さん、補足調査ありがとうございました。我々大学にいるもの(生物系はなおさら)にとっては「女性研究者」が多くなっているということはニュースでもなんでもありません。ぎゃくにそれだけ増えているのに、常勤スタッフに占める女性の割合が極めて低いということが問題になっているのだと思いますが、そちらをこそ取り上げてニュースにしてもらいたいものです。
Commented at 2007-04-21 23:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by stochinai | 2007-04-14 23:39 | 札幌・北海道 | Comments(9)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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