2007年 05月 04日
10ドルPCRマシン
アメリカの大学院生が、10ドルくらいでできるPCRマシンを開発したそうです。
Mini DNA replicator could benefit world's poor (NewScientst.com)
しかも、今までのPCR装置のように暖めたり冷やしたりするのではなく、液体の対流を利用したまったく新しい発想に基づく機構になっているので、20分でDNAの増幅が終わるのだそうです。
これは、PCRの世界に革命を起こすかもしれません。
Mini DNA replicator could benefit world's poor (NewScientst.com)
しかも、今までのPCR装置のように暖めたり冷やしたりするのではなく、液体の対流を利用したまったく新しい発想に基づく機構になっているので、20分でDNAの増幅が終わるのだそうです。
The device has no moving parts and costs just $10 to make. It runs polymerase chain reactions (PCRs), to generate billions of identical copies of a DNA strand, in as little as 20 minutes. This is much faster than the machines currently in use, which take several hours.暖まった液体は比重が軽いので浮き、冷えてくると重くなって沈むという原理を利用していて、液体がループの中をまわりながらPCR反応が進行するのだそうです。単3乾電池2本で駆動されるこのマシンを発明した大学院生 Nitin Agrawal さん(どこの国の人でしょう?)は、大金持ちになることでしょう。
これは、PCRの世界に革命を起こすかもしれません。
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inoue0 at 2007-05-04 02:52
PCRは、装置そのものよりも、試薬が高いんじゃいないかと思ってたんですけど、違いますか?プライマーとかプローブとか。
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inoue0 at 2007-05-04 03:16
古手の先生に聞いた話だと、登場直後のPCRは、ヒートブロックの間に人間が立って、ストップウォッチで時間計りながら、チューブを移動させてたそうです。手回し計算機みたいですね。
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ogaga
at 2007-05-04 04:23
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装置の手作り感が好きです。
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kk
at 2007-05-04 06:30
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PCRは、装置そのものよりも、試薬が高いんじゃいないかと思ってたんですけど、違いますか?プライマーとかプローブとか。
自分はbiotech companyがけっこう集中的にあるところにいるからそう思うのかも知れませんが、、プライマーの価格は昔にくらべたら安いです。1ベース当たり20セントとか。オリゴマーつくってる会社はすごい競争です。夜間受け付け、翌日配達なんてサービスもちらほら。 酵素については、業者から購入するとたしかに高いけど、うまく条件設定すれば酵素の使用量は結構減らせる。ラボによっては、taqを自分達で精製してるところもある様です。
反応時間を短縮出来て、コストパフォーマンスも悪くなさそうというのがいいですね。
自分はbiotech companyがけっこう集中的にあるところにいるからそう思うのかも知れませんが、、プライマーの価格は昔にくらべたら安いです。1ベース当たり20セントとか。オリゴマーつくってる会社はすごい競争です。夜間受け付け、翌日配達なんてサービスもちらほら。 酵素については、業者から購入するとたしかに高いけど、うまく条件設定すれば酵素の使用量は結構減らせる。ラボによっては、taqを自分達で精製してるところもある様です。
反応時間を短縮出来て、コストパフォーマンスも悪くなさそうというのがいいですね。
試薬の高さはあるかもしれませんが、これだと病院の検査室でやれそうですね。結核菌のPCRなんか結構やりますから、いいかもしれませんね。いいと思いますよ (^O^)
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inoue0 at 2007-05-04 11:06
リアルタイムPCRのような定量性はないでしょうね。ループを流れる間にサンプルは拡散してしまって、前と後ろとでは増幅回数が違うので。単に増幅するだけの装置です。
だけれども、テストチューブを加温したり冷却するんではなくて、あらかじめ、反応温度に保ったパイプ内にサンプルを流すことで温度を可変させようというアイディアは大したものです。ちょっと思いつかない。しかも、HPLCのようなペリスタポンプを使うんじゃなくて対流を利用しようとか(速度制御はどうするんだろう?パイプの太さで調節するのかな?)
だけれども、テストチューブを加温したり冷却するんではなくて、あらかじめ、反応温度に保ったパイプ内にサンプルを流すことで温度を可変させようというアイディアは大したものです。ちょっと思いつかない。しかも、HPLCのようなペリスタポンプを使うんじゃなくて対流を利用しようとか(速度制御はどうするんだろう?パイプの太さで調節するのかな?)
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alchemist
at 2007-05-05 14:24
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登場直前のPCRの先祖を知っていますけど、ストップウオッチを持っての恒温槽の往復だけでなく、DNA polymeraseが耐熱性でなかったので、反応のたびに新たに添加するという、なかなか大変なものでした。
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stochinai at 2007-05-07 00:11
PCRの原理から一所懸命考えてみると、これはコロンブスの卵のような発明だと思いました。日本の大学で、こういう発想のできる学生を育てるような教育をしているかと自問しているのですが、、、、、反省です。
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inoue0 at 2007-05-07 02:37
「流しながら反応させる」という方法論が、今までまったくなかったとは思えません。スケールはまったく違いますが、工業化学にはそんなプラントもあります。流通式管型反応器。
たぶん、致命的な欠点があって、アイディア倒れに終わっていたのが、ブレイクスルーがあったんでしょう。詳しい論文が出たら読んでみたい。
たぶん、致命的な欠点があって、アイディア倒れに終わっていたのが、ブレイクスルーがあったんでしょう。詳しい論文が出たら読んでみたい。
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chemio
at 2007-05-08 03:59
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Kai Sun, Akira Yamaguchi, Yutaka Ishida, Shigeki Matsuo and Hiroaki Misawa : A heater-integrated transparent microchannel chip for continuous-flow PCR, Sensors and Actuators B: Chemical, Vol.84, No.2-3, pp.283-289, 2002
なんてのもあります
なんてのもあります
by stochinai
| 2007-05-04 01:35
| 生物学
|
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