2007年 06月 02日
シンポジウム: 科学研究における「不正」の構造
朝の7時40分に家を出て、さきほど午後11時30分に家にたどり着きました。日帰りができるという意味では、東京は近くなったと思いますが、さすがにこのスケジュールはあまり繰り返したくない感じです。
白楽ロックビルさん(そういえば、時間切れで閉会の挨拶を飛ばされてしまって、申し訳ありませんでした)のお膝元である、お茶の水大学で行われた科学技術社会論学会シンポジウムに参加してきました。私はコメンテーターなどというものをやったことがないので、期待された役割は果たせなかったと思うのですが(呼んでくださったK田さん、スミマセン)、いろいろと勉強させてもらった上に、この業界におけるたくさんの「要人」と会うことができましたので、個人的にはたくさんの収穫がありました。
仙台通信さんから、すでに報告があるように、ほぼ予測された議論がなされたという印象は私も共有しているのですが、終了時間をすぎたところでロックビルさんのところの修士の学生の方が「皆さん、研究者の不正の議論の中で、被害者はどこにいるのかということをおっしゃいますがますが、論文不正などが表に出て研究室が閉鎖されたりということになった場合、最大の被害者は大学院生なのです」という話に触発されるかたちで、衝撃の発言がありました。
記憶だけに頼って書きますので、その方がおっしゃったことと少し違うことがあるかもしれませんが、私の責任において引用させていただきたいと思います。
上の大学院生さんの話には、仙台通信さんがコメントをされて、O大学の場合のように新聞などに大々的に取り上げられて大きな問題になった場合には、その研究室に所属していた大学院生やポスドクが不利にならないように、研究室や指導教員の変更を大学が一所懸命に気を配ってくれたので、まあまったく被害がないということはあり得ないのですが、「被害」を最小限にくい止めることができたということでした。
しかし、最後に発言された方のケースでは、その方が修士2年の冬に研究室ぐるみ(?)でデータのねつ造をしているのを見て、そのデータを使って修士論文を書くわけにはいかないということで退学し、今は(民間?)企業で働いているということでした。
この場合は、ねつ造がマスコミレベルで取り上げられるような「事件」にはならなかったということで、逆に大学が対応してくれなかったという「結果」になったということだと思います。退学を申し出た際に、大学院の責任者の方々と話し合いがあり、ねつ造のことを話したところ、「大学院を辞めようという学生が、指導教員のことを悪く言うことをそのまま信用するわけにはいかない」というようなことを言われたということです。
この話を聞いていて、隣にいた仙台通信さんが「これはセクハラ事例と似ていますね」とおっしゃっていましたが、私もまさにその通りだと思いました。
今や全国の大学にセクハラ相談室やアカハラ相談室が設けられているようですが、それで全国の大学・大学院からセクハラやアカハラが劇的に減ったというような話は聞いたことがありません(どなたかご存じでしたら、教えてください)。それどころか、相談にいったところ言っていることが本当かどうかを疑われたとか、教員に問い合わせたところ、「あなたの言っているような事実はない」と言われたというような「噂」が聞こえてきたりします。もちろん、こういう「噂」には不満を持っている側からの情報が多いということは心しておかなければなりません。
これについては、どこの大学でも相談室というものが主に教員が対応する組織になっているところに問題があるのではないでしょうか。こういう相談室に、全面的に学生・院生・ポスドクあるいは職員の立場にたってくれる弁護士や学生ユニオン、組合の関係者などを置いているところはあるでしょうか。
本来ならば、こういう「相談室」は「悩みを聞いてあげて、対応してあげる」という場ではなく、学生・院生・ポスドク・職員の権利が侵害されたことに対して、その事実を明らかにし、非のある人間を特定し、的確な対策を講じるためにあるべきものなのではないでしょうか。
現状では、どうしようもなくなって訴え出た被害者が「被告」もろとも2次被害を受けることに対する対策があまりにも貧弱な気がすることを、改めて考えさせられるエピソードでした。
研究室を辞めた上の院生さんは、自分の潔癖性を守るという意味で得るものがなかったわけではないでしょうか、修士論文を書かずに退学したという大きな損失を受けています。今日はあまり問題になりませんでしたが、研究室で主に実験をしているのは、ポスドクや大学院生であり、ねつ造に関しても彼らが関与している場合がかなりあるということが想像されます。これから、職を探さなければならない、学生・院生・ポスドクが自ら手を汚してねつ造をするというケースばかりではなく、目の前で行われているねつ造に目をつぶり、口を閉ざさざるを得ない状況にあるということについても考えていかなければならないと、強く思いました。
論文ねつ造の話は評価システムとカップリングして話題にされることが多いのですが、それ以上にそういう評価システムを唯々諾々と受け入れてしまった、大学・研究者コミュニティをなんとかしないと出口はないのかもしれないということも課題として浮かんできたと思います。
コミュニティの再構築となると、さらに問題が大きくなってちょっとクラクラしますね。でもまあ、地道に議論を続けていきましょう。
【付録】そういえば、シンポジウムが始まる前に参加されていた非会員の皆さんに、このシンポジウムのことをどこでお知りになりましたが、という調査をやった時に、ポスターやウェブや会員などからという他に、「その他」の方がいらっしゃって、どういう「その他」ですかと聞いたところ、なんと昨日の拙ブログをご覧になっていらしたとおっしゃったので、ぶっ飛びました。感謝するとともに、あまりいい加減なことを書けないというプレッシャーも感じております。今後とも、よろしくお願いします。
白楽ロックビルさん(そういえば、時間切れで閉会の挨拶を飛ばされてしまって、申し訳ありませんでした)のお膝元である、お茶の水大学で行われた科学技術社会論学会シンポジウムに参加してきました。私はコメンテーターなどというものをやったことがないので、期待された役割は果たせなかったと思うのですが(呼んでくださったK田さん、スミマセン)、いろいろと勉強させてもらった上に、この業界におけるたくさんの「要人」と会うことができましたので、個人的にはたくさんの収穫がありました。
仙台通信さんから、すでに報告があるように、ほぼ予測された議論がなされたという印象は私も共有しているのですが、終了時間をすぎたところでロックビルさんのところの修士の学生の方が「皆さん、研究者の不正の議論の中で、被害者はどこにいるのかということをおっしゃいますがますが、論文不正などが表に出て研究室が閉鎖されたりということになった場合、最大の被害者は大学院生なのです」という話に触発されるかたちで、衝撃の発言がありました。
記憶だけに頼って書きますので、その方がおっしゃったことと少し違うことがあるかもしれませんが、私の責任において引用させていただきたいと思います。
上の大学院生さんの話には、仙台通信さんがコメントをされて、O大学の場合のように新聞などに大々的に取り上げられて大きな問題になった場合には、その研究室に所属していた大学院生やポスドクが不利にならないように、研究室や指導教員の変更を大学が一所懸命に気を配ってくれたので、まあまったく被害がないということはあり得ないのですが、「被害」を最小限にくい止めることができたということでした。
しかし、最後に発言された方のケースでは、その方が修士2年の冬に研究室ぐるみ(?)でデータのねつ造をしているのを見て、そのデータを使って修士論文を書くわけにはいかないということで退学し、今は(民間?)企業で働いているということでした。
この場合は、ねつ造がマスコミレベルで取り上げられるような「事件」にはならなかったということで、逆に大学が対応してくれなかったという「結果」になったということだと思います。退学を申し出た際に、大学院の責任者の方々と話し合いがあり、ねつ造のことを話したところ、「大学院を辞めようという学生が、指導教員のことを悪く言うことをそのまま信用するわけにはいかない」というようなことを言われたということです。
この話を聞いていて、隣にいた仙台通信さんが「これはセクハラ事例と似ていますね」とおっしゃっていましたが、私もまさにその通りだと思いました。
今や全国の大学にセクハラ相談室やアカハラ相談室が設けられているようですが、それで全国の大学・大学院からセクハラやアカハラが劇的に減ったというような話は聞いたことがありません(どなたかご存じでしたら、教えてください)。それどころか、相談にいったところ言っていることが本当かどうかを疑われたとか、教員に問い合わせたところ、「あなたの言っているような事実はない」と言われたというような「噂」が聞こえてきたりします。もちろん、こういう「噂」には不満を持っている側からの情報が多いということは心しておかなければなりません。
これについては、どこの大学でも相談室というものが主に教員が対応する組織になっているところに問題があるのではないでしょうか。こういう相談室に、全面的に学生・院生・ポスドクあるいは職員の立場にたってくれる弁護士や学生ユニオン、組合の関係者などを置いているところはあるでしょうか。
本来ならば、こういう「相談室」は「悩みを聞いてあげて、対応してあげる」という場ではなく、学生・院生・ポスドク・職員の権利が侵害されたことに対して、その事実を明らかにし、非のある人間を特定し、的確な対策を講じるためにあるべきものなのではないでしょうか。
現状では、どうしようもなくなって訴え出た被害者が「被告」もろとも2次被害を受けることに対する対策があまりにも貧弱な気がすることを、改めて考えさせられるエピソードでした。
研究室を辞めた上の院生さんは、自分の潔癖性を守るという意味で得るものがなかったわけではないでしょうか、修士論文を書かずに退学したという大きな損失を受けています。今日はあまり問題になりませんでしたが、研究室で主に実験をしているのは、ポスドクや大学院生であり、ねつ造に関しても彼らが関与している場合がかなりあるということが想像されます。これから、職を探さなければならない、学生・院生・ポスドクが自ら手を汚してねつ造をするというケースばかりではなく、目の前で行われているねつ造に目をつぶり、口を閉ざさざるを得ない状況にあるということについても考えていかなければならないと、強く思いました。
論文ねつ造の話は評価システムとカップリングして話題にされることが多いのですが、それ以上にそういう評価システムを唯々諾々と受け入れてしまった、大学・研究者コミュニティをなんとかしないと出口はないのかもしれないということも課題として浮かんできたと思います。
コミュニティの再構築となると、さらに問題が大きくなってちょっとクラクラしますね。でもまあ、地道に議論を続けていきましょう。
【付録】そういえば、シンポジウムが始まる前に参加されていた非会員の皆さんに、このシンポジウムのことをどこでお知りになりましたが、という調査をやった時に、ポスターやウェブや会員などからという他に、「その他」の方がいらっしゃって、どういう「その他」ですかと聞いたところ、なんと昨日の拙ブログをご覧になっていらしたとおっしゃったので、ぶっ飛びました。感謝するとともに、あまりいい加減なことを書けないというプレッシャーも感じております。今後とも、よろしくお願いします。
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名無し
at 2007-06-03 06:27
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はじめまして。名無しと申します。一つ質問なのですが、
5号館のつぶやきさんが他の研究室のポスドク・学生から捏造・パワハラについて相談があったら具体的にどのように動くのでしょうか。
5号館のつぶやきさんが他の研究室のポスドク・学生から捏造・パワハラについて相談があったら具体的にどのように動くのでしょうか。
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K_Tachibana
at 2007-06-03 07:04
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つぶやきさん
私も名無しさんの質問と同じことを聞きたいと思います.
「最大の被害者は大学院生」という現状認識があるのなら,次に相談を受けた先生方は具体的にどのようなアクションがとれるのか,とっていこうとされているのかについてぜひともお聞かせ願いたいと思います.
私も名無しさんの質問と同じことを聞きたいと思います.
「最大の被害者は大学院生」という現状認識があるのなら,次に相談を受けた先生方は具体的にどのようなアクションがとれるのか,とっていこうとされているのかについてぜひともお聞かせ願いたいと思います.
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kuma
at 2007-06-03 08:58
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最後の衝撃の告発について。
大学のアカハラ・パワハラ・セクハラの対応窓口の実態は、この程度だろうと思います。
なぜそうなるかということは、自明です。つまり、こういうことが起きてしまってその対応をミスったとしても、せいぜい当該教授が停職か依願退職になるだけで、それが大学の経営にとって大きな危機となるという認識がないからです。国立大学法人は特にそれが顕著ですね。
欧米企業で、セクハラ対応が急速に進んだのは、その対応いかんで経営に大きな影響がでるからです。多額の賠償金を支払った後、経営陣の責任が直接追及されることもあります。日本でも民間企業はそれを意識し始めました。
では日本の大学といえば・・・実態を見る限り、あまり改善の見通しがなさそうです。
良心的な教員ががんばって良心的な対応をするという現状のレベルではアカハラ・パワハラ・セクハラはおそらく根絶できません。
大学のアカハラ・パワハラ・セクハラの対応窓口の実態は、この程度だろうと思います。
なぜそうなるかということは、自明です。つまり、こういうことが起きてしまってその対応をミスったとしても、せいぜい当該教授が停職か依願退職になるだけで、それが大学の経営にとって大きな危機となるという認識がないからです。国立大学法人は特にそれが顕著ですね。
欧米企業で、セクハラ対応が急速に進んだのは、その対応いかんで経営に大きな影響がでるからです。多額の賠償金を支払った後、経営陣の責任が直接追及されることもあります。日本でも民間企業はそれを意識し始めました。
では日本の大学といえば・・・実態を見る限り、あまり改善の見通しがなさそうです。
良心的な教員ががんばって良心的な対応をするという現状のレベルではアカハラ・パワハラ・セクハラはおそらく根絶できません。
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stochinai at 2007-06-03 10:34
名無しさん、K_Tachibanの質問の裏にある「不信感」は良くわかります。kumaさんがおっしゃるように、「良心的な教員ががんばって良心的な対応」をしたとこで、災いの中にいる学生・院生・ポスドクが傷つくことなくハッピーエンドになるなどという解決はほとんど望めないという現実があるからです。結局、いろいろなことをあきらめつつ、本人が「納得」するという「解決」が現実的にベストの選択になるということについては、渦中の方もわかっているということではないかと感じることがあります。
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stochinai at 2007-06-03 10:35
その証拠かどうかはわかりませんが、名無しさんがおっしゃるような「他の研究室のポスドク・学生」が私のところに、「身内の悩み」を持ち込むことはほとんど(というか、まったく)経験がありません。経験者ならご存じのように、今の大学の研究室は極端な「家族制度」あるいは「徒弟制度」の形式をとっており、権力すらもっていない「良心的な」第3者が口や手を出せる構造にはなっておりません。ですから、明らかに法的に有罪というあたりまで事態が悪化しない限り、当該の被害者はアクションをとらない(とれない)のではないかと思います。
というわけで、答にはなっていませんが、相談を受けたとしたらできる限りのことはしたいと思いますが、「できること」があまりにも限られている現実を考えると、やはり堂々巡りになってしまう現実を認めるしかないと思っています。
というわけで、答にはなっていませんが、相談を受けたとしたらできる限りのことはしたいと思いますが、「できること」があまりにも限られている現実を考えると、やはり堂々巡りになってしまう現実を認めるしかないと思っています。
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HASA
at 2007-06-03 12:11
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はじめまして。私は先生のブログの中毒的愛読者です。昨日は興味深いお話を聞かせてくださいまして、どうもありがとうございました。私も出席する気になった直接のきっかけはつぶやき先生と仙台通信先生のブログ記事を読んだことでした。
アカハラ・セクハラ問題に関する現状認識に関して、私は先生と同意見です。その上でなのですが、捏造とアカハラが連動している悪質なケースに適切に対処するためには、やはり「良心的な」第3者が口や手を出せる制度を作ることが必要ではないか、制度がすでに存在する場合にはより有効に活用するべきではないかと考えます。また、ある研究室がペナルティーを受けた場合に研究室に属する問題とは無関係な構成員の方々を救済することは必要不可欠ですが(この点は仙台通信先生が昨日ご指摘されていました)、これも制度化するべきと思います。このような見方に先生はおそらく反対されないものと推察いたしますが、先生の上のコメントがやや諦めムードなのが気になりました。(あまりにも高い解決目標を設定なされているのはないかという気もいたします。)
アカハラ・セクハラ問題に関する現状認識に関して、私は先生と同意見です。その上でなのですが、捏造とアカハラが連動している悪質なケースに適切に対処するためには、やはり「良心的な」第3者が口や手を出せる制度を作ることが必要ではないか、制度がすでに存在する場合にはより有効に活用するべきではないかと考えます。また、ある研究室がペナルティーを受けた場合に研究室に属する問題とは無関係な構成員の方々を救済することは必要不可欠ですが(この点は仙台通信先生が昨日ご指摘されていました)、これも制度化するべきと思います。このような見方に先生はおそらく反対されないものと推察いたしますが、先生の上のコメントがやや諦めムードなのが気になりました。(あまりにも高い解決目標を設定なされているのはないかという気もいたします。)
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at 2007-06-03 13:14
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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名無し
at 2007-06-03 14:34
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お返事ありがとうございます。
質問だけ投げるのはずるいのでセクハラ等の私見(というかアドバイス)を一言で「強引」に記しておきます。
「セクハラ・アカハラに対しては第三者的機関が機能不全に陥っているので、現状としてはそのような行為を日常的に受けているのであれば、とりあえずその場からできるかぎり早く逃げ出す(辞める)ことがベスト。パワハラ・アカハラだったらセクハラよりもどうにもならないことほぼ間違いなし。」
あながち間違っていないのでは?
質問だけ投げるのはずるいのでセクハラ等の私見(というかアドバイス)を一言で「強引」に記しておきます。
「セクハラ・アカハラに対しては第三者的機関が機能不全に陥っているので、現状としてはそのような行為を日常的に受けているのであれば、とりあえずその場からできるかぎり早く逃げ出す(辞める)ことがベスト。パワハラ・アカハラだったらセクハラよりもどうにもならないことほぼ間違いなし。」
あながち間違っていないのでは?
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シッポ切り
at 2007-06-03 16:06
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現状の大学システムでは教授の権限は絶大です。院生、ポスドクは自分では論文を出せず、責任著者である教授が最終的に判断します。つまり、教授がいいと言うまで、院生、ポスドクには、何も目に見える形の業績は残りません。これは業績主義の現在では非常に恐ろしいシステムです。教授は自分の気に入らない結果を論文にしないだけでいいのです。逆に業績が必要な院生、ポスドクは、望まれる結果が事実と反した場合、この2つの擦り合わせを行うことになるでしょう。あえて捏造とは言いませんが。これが一度行われれば、それを受け継いで研究する人間もこの「操作」を再現できなくてはなりません。そうやって系譜が受け継がれて行くのでしょう。このシステムの卑怯なところは、教授は「そんな指示はしてない」といえばそれで終わりの話と言うことですね。責任は「操作」をした人間だと言うわけです。業績主義とはいかに教授のために作られたシステムかと言うのがよくわかります。これをパワハラとして認められないなら、学生は、大学院など行かない、むしろ研究しない方がいいのではないですか。
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名無し
at 2007-06-03 18:05
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大学の現状、大学側の人間ができることが限られていることはよくわかりましたが、「ハラスメントをされている側の人間はどうすればよいのか」という視点が抜けていましたので、先ほどの私見を述べました。「辞める」以外で何か対応策があるんでしょうか。大学の現状を考えるとハラスメントに対して「辞める」という行為は私自身は大げさだとは思いません。上司のハラスメントあるいは不正に対して、何とか自分の中で折り合いをつけようと歯を食いしばって頑張っている若者がいることを想像すると「大学だけが世界じゃないぞ」と声をかけたくなります。仙台通信さんや5号館のつぶやきさんのように長い間大学に身を置いた人間だからこそできるアドバイスがあるのではないでしょうか。
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とおりすがり
at 2007-06-03 20:27
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なんかまた特殊例に基づいた被害妄想めいた話ばかりで、きちんとした検証に耐える話なのかどうか。そのようなものは、ここの評判を下げるだけですよ。
時折立ち寄らせて戴いています。ポスドク時代、激しいアカハラを受けた時はただそこを去るだけでしたが、大学教官になってからはそうも行きません。女性教官が少ないこともあって今まで大学内外から多くの相談を受けましたし、自分が仕えていた教授のアカハラの対処にも悩みました。大学の対策で不十分だと思うのは、訴えるか訴えないか、教授を潰すか潰さないか、という二者択一に陥りがちだという点です。教授を潰すことは、他の記事にもお書きになったように研究室の解散となり、被害者の学生をさらに傷つけることになります。また、ハラスメントを起こす教授は、単純に幼稚な方も多いですが、心の病などの問題を抱えている場合もあり、教授へのカウンセリングなどで状況が改善される場合もあります。学生が望んでいることは教授がまっとうな仕事をすることですが、そこを上手く調整する役割の方がいないんですよね。私は退職後、そういう仕事をしてみたいと思うことがあります。
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stochinai at 2007-06-05 22:33
bloomさん、いろいろと有益なコメントをありがとうございます。「そこを上手く調整する役割の方がいない」というのは、大学の経営陣あるいは文科省が、そういうものの必要性が危機感を持って認識されていないからでしょうね。皮肉なことですが、これからの大学淘汰時代の中で、ちょっとしたセクハラやパワハラで大学がつぶれるような問題になってくれれば、そうした問題が少しは解決に向かうのかもしれないと思うこともあります。
by stochinai
| 2007-06-02 23:45
| 科学一般
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