2007年 06月 19日
【ブログでバイオ】 maruさん第23回へのコメント
リレーエッセイというのを、今ひとつ使いこなせていませんが、maruさんが書かれた「ブログでバイオ リレーエッセイ 第23回「理系の院生のキャリアの選択肢は狭いのか?」」にコメントしたくなったんで、順番を無視して書いています。
実はmaruさんのエントリーにコメントしようと思ったのですが、字数オーバーではねられてしまったので、こちらに転記しておきます。
実はmaruさんのエントリーにコメントしようと思ったのですが、字数オーバーではねられてしまったので、こちらに転記しておきます。
maruさん。よろしくお願いします。まだリレーエッセーの「作法」がわからないので、いろいろへまをやらかすかもしれませんが、しばらくは暖かく見守ってください。もともとコメントとして書き始めたものなので、なんだかまとまりのないものになってしまいましたが、言いたいことが伝わると良いのですが・・・・。
さて、ブウさんとmaruさんの社長の資質論議を眺めていて、これだけの能力があれば、社長はおろか研究者でも政治家でも、なんでも「できるヤツ」だと思いました。つまり、「できるヤツ」は何でもできるから「できるヤツ」なのですね。実は、大学院あたりには高校などよりは遙かに高密度でこの「できるヤツ」がいることは間違いないと思います。しかし残念ながら、そうした「できるヤツ」が起業しようとおもったり、社長になろうと思ったりしにくい「風土」(さまざまな環境)に問題があるのだろうというのが私の理解です。ブウさんの意見
1.会社というものに対する常識的な知識がある
2.社長の責任を理解している
3.絶対にやり遂げるという強い意志を持っている
4.精神的に強い
5.頭が良い
6.日本語が書ける
7.社会人として普通
8.仲間、友達が多いmaruさんの意見さて、maruさんが書かれていた、院生だった頃自分のラボを持ちたいと思ったというところにはとても強く共感しました。研究者になりたいと思った人のほとんどすべてが、そう思うのではないでしょうか。そして、自分のラボが持てるということならば、大学院生やポスドクは迷わずどんどん大学を出るでしょうね。どんなことをしてでも良いからお金をかせいで、それで自分の研究所を作るのだというアジテーションなら、今でもかなりの人間を動かせそうな気もします。(そのための方便として、ベンチャーをやるのだ、という人がいてもいいように思います。)
1、目的をもち、日々を楽しめる人
2、自ら目標を設定し、それを達成するために努力し続ける人
3、時には効率にこだわり、時には無駄を楽しむことのできる人
4、精神的に弱いがために、人とうまくやり続ける自信のある人
5、夢を見続け、それを具体的にイメージでき、周りに話すことのできる人
6、日々自ら課題を見つけ、変化に対応することのできる人
7、リスクを理解し、細分化し、どのリスクならとってもいいかを判断できる人
8、行動の原点が自分の内側にあり、それを自分自身でマネージメントできる人
私は前に「彼らは研究を捨てることに抵抗する」というようなことを書きましたが、その原因のひとつは大学・大学院教育における「研究至上主義」あるいは「専門バカ育成主義」のせいだとも、うすうす思っています。
maruさんがおっしゃるように、大学院にはいったからといって「研究者にしかなれない体」になってしまうのではなく、さまざまなスキルを身につけ、それを活用したたくさんのキャリアがあるのだという実例が入学直後から提示されていればずいぶん状況は違ってくると思っています。
私も大学院生には、いろんな能力を身につけてもらいたいし、できれば大学でそうしたカリキュラムを提供できれば良いと思ってはいますが、それこそ研究しかできないスタッフが大学には多すぎて、そう簡単ではなさそうです。でも、maruさんたちを始めとした外からの力も借りて「できるヤツ博士」を作っていければいいな、と思っています。(昨日、取り上げたグローバルCOEプログラムの一部は、実はそんなふうに活用することを想定している文科省の思惑があるようにも読めました。大学がどのくらい本気でそれに取り組むのかが試されているのかもしれませんね。)
小さな窓で書いているので、文脈の整合性は怪しいと思いますが、この点についてはこれからも息長く議論していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
by stochinai
| 2007-06-19 21:37
| 科学一般
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