2007年 07月 01日
レイチェル・カーソン生誕100年記念パネル展
7月1日ということで北海道大学総合博物館では今日から2つの大型企画展示がスタートしました。日曜日なのですが、そのうちのひとつ「レイチェル・カーソン生誕100年記念パネル展」の開会式が行われました。

私も展示にほ~んのちょっとだけかかわっているということでご招待を受けたのですが、開始時間を勘違いしてかなり遅れて到着してしまいました。時間を間違えていたことに気が付いて、あわててすべり込んだ時に、ちょうど私と関係のある部分が始まるところで、なんとか穴をあけずに乗り切れたのは不幸中の幸いでしたが、関係の皆さまには、ご心配及びご迷惑をおかけしました。伏して、お詫び申し上げます。<(_ _)>
パネル展の意義については、こちらをご覧下さい。

レイチェル・カーソンと言えば、「沈黙の春(サイレント・スプリング)」と「センス・オブ・ワンダー」が日本でもベストセラーになっているので、ご存じの方も多いと思います。

こちらでは映画「センス・オブ・ワンダー」が上映されています。

沈黙の春の出版がケネディ大統領のアメリカ政府および世界を動かして、DDTやBHCなどの有機塩素系殺虫剤の使用中止へと追い込むことになったストーリーはあまりにも有名なので、レイチェル・カーソンはいまでいうサイエンス・ライターの先駆者のように思われることも多いのですが、彼女がもともとジョンス・ホプキンス大学の大学院修士課程でサカナの腎臓の発生および比較組織学の研究をしていたという経歴は意外と知られていないようです。
私も全然知らなかったのですが、今回この企画を準備された有志の方々が、彼女の修士論文の所在をつきとめ、ジョンス・ホプキンス大学に依頼して全文を取り込んだCD-ROMを手に入れただけではなく、池田さんという方が全文を翻訳されて展示するという日本で初の試みに挑まれたのが、今回の展示をひと味違うものにしてくれました。

池田さんは、北大理学部の地学出身で、今は工学系のお仕事をされている方で、生物学はまったくの素人とお聞きしていますので、情熱だけは人に負けないものがあるとしても、動物学の修士論文という学術論文の翻訳が適切であるかどうか自信がないところがあるので、見てもらえないだろうかというところで、ほんのちょっとだけなのですが、私が登場したわけです。もっとも、その論文の原著と翻訳文はうちの研究室の修士の学生であるH田さんが、とても丁寧に読んでくれたので、私がしたことはそれを池田さんに語り言葉にしてお伝えしただけというのが実情ですので、偉そうなことは言えません。
展示を見ていたら、彼女はメリーランド州ボルチモアにあるジョンス・ホプキンス大学に行く前にしばらくウッズホールの海洋生物学研究所(MBL)で臨海実習に参加していることも知りました。ちょうど今、うちの研究室の博士研究員のY田さんがMBLにクシクラゲの研究のために滞在しており、「レイチェル・カーソンが、1929年の7-8月にそっちで臨海実習をしていたようです」とメールで書いたら、「写真が残っているかもしれないからチェックしてみます」という返事がすぐに届きました。不思議な時空感覚です。
さて、今日から始まった総合博物館のもうひとつの展示についても触れないわけにもいきません。そちらの方は、「『昆虫記』刊行100年記念日仏共同企画 ファーブルにまなぶ」という国際企画展示です。北海道総合大学博物館を皮切りに、国内の5つの博物館(国立科学博物館、北九州市立いのちのたび博物館、琵琶湖博物館、兵庫県立人と自然の博物館)で開催した後、フランス国立自然史博物館でも開催される予定という、文字通りグローバルな企画です。

ファーブル・北大と言えば、この人を思い出さなくてはいけません。北大が誇る日本のファーブル、坂上昭一先生です。北大の動物学教室に入学した時に、助教授だった坂上さんは生きている神様のような人でした。100年に1人出るかどうかわからないと言われる、坂上さんのような人を北大はもう一度生み出すことができるでしょうか?


パネル展の意義については、こちらをご覧下さい。



私も全然知らなかったのですが、今回この企画を準備された有志の方々が、彼女の修士論文の所在をつきとめ、ジョンス・ホプキンス大学に依頼して全文を取り込んだCD-ROMを手に入れただけではなく、池田さんという方が全文を翻訳されて展示するという日本で初の試みに挑まれたのが、今回の展示をひと味違うものにしてくれました。

展示を見ていたら、彼女はメリーランド州ボルチモアにあるジョンス・ホプキンス大学に行く前にしばらくウッズホールの海洋生物学研究所(MBL)で臨海実習に参加していることも知りました。ちょうど今、うちの研究室の博士研究員のY田さんがMBLにクシクラゲの研究のために滞在しており、「レイチェル・カーソンが、1929年の7-8月にそっちで臨海実習をしていたようです」とメールで書いたら、「写真が残っているかもしれないからチェックしてみます」という返事がすぐに届きました。不思議な時空感覚です。
さて、今日から始まった総合博物館のもうひとつの展示についても触れないわけにもいきません。そちらの方は、「『昆虫記』刊行100年記念日仏共同企画 ファーブルにまなぶ」という国際企画展示です。北海道総合大学博物館を皮切りに、国内の5つの博物館(国立科学博物館、北九州市立いのちのたび博物館、琵琶湖博物館、兵庫県立人と自然の博物館)で開催した後、フランス国立自然史博物館でも開催される予定という、文字通りグローバルな企画です。



中学3年の英語の教科書でレイチェル・カーソンの話題がでてきます。ファーブルも子供たちにはとても興味のあるテーマに思います。ただ、なんとなく敷居が高いような気がするので、子供向けに分かりやすいパンフレットやちらしがあると訪れやすいのかなーと思いました。
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おっしゃるとおり、これらの展示は高校生以上向けに作られているのだと思います。ジュニアサイエンスカフェで、小学生にもわかりやすい展示をしてくださいって、さんざん言われていたんですけどね・・・。
ジュニアサイエンスカフェはこちら:
http://shinka3.exblog.jp/5804058
ジュニアサイエンスカフェはこちら:
http://shinka3.exblog.jp/5804058
by stochinai
| 2007-07-01 23:58
| 生物学
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Comments(2)