5号館を出て

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ポスドクをやっている方々と同期でアカデミックポストに就いた人 【追記あり】

 定職とは言えないポスドクが問題になっていますけれども、その方々と同期ですでに各地の大学や研究所でアカデミックポストに就いた人も、実はけっこういるはずです。

 そういう方々が、どうやって職をゲットしたの化という話が是非とも聞きたいところです。

 ご本人でもかまいませんし、ウォッチャーとしてでもかまいませんが、是非ともお聞かせ下さい。

 *お願いしておいて申し訳ないのですが、現在このエキサイトのサーバーが不調で外部からのトラックバックができなくなっていると思います。その場合には、リンク先情報をコメント欄に残しておいていただければ、こちらで手作業でリンクを張らせていただきます。よろしくお願いします。

【追記】
 コメント欄にありますように、早速まさぷーさんがエントリーを寄せてくださいました。エキサイトのトラックバックが不調なので、ここにリンクさせていただきます。

 『ポスドク考 その1(再掲)』

 このエントリーすごく良くわかります。というか、私の場合は大昔でポスドクも経験していませんけれども、同じように「今なら、確実に競争に負けているだろうと思われる私が、コネもないのになんでこのポストにつけたんだろう」って思うことは多いです。是非、お読み下さい。
Commented by まさぷー at 2007-07-05 11:54 x
こんにちわ、いつもブログ読ませていただいております。
先日のクローズアップ現代も見ました。先生の仰るように企業側の言い分の方が強調され、ポスドクの企業に対する言い分などが蔑ろにされている印象を受けました。番組の作りとしても、ちょっと粗雑かなと・・・本当の問題点が何処にあるのかと言うことについて言及されていないと感じました。

私は現在某研究機関で常勤の研究員として働いています。多分、自分自身のことをもの凄くラッキーな人間だと思っています。依然別のブログに書いた記事を再掲して先生の記事にトラックバックさせていただきました。先生の質問に正面から答えた記事ではないのですが、常勤職を得た人間のつぶやきとしてご参照いただければ幸いです。
Commented by まさぷー at 2007-07-05 12:19 x
つぶやき先生>

さっそく私のブログの方にコメント頂きありがとうございました。
頂いた2つのコメントのうち、もう一つの方のコメントを間違えて削除してしまいました。申し訳ありませんでした。もし可能だったら、もう一度コメントを頂けますでしょうか?お手数をおかけして申し訳ありません。

なお、私の経歴についても簡単に申し上げておきます。修士終了後しばらく民間企業で働き、その後博士課程に入りなおして学位取得、しばらくポスドクをした後現職です。あまり詳しく書いて私自身を特定されたくないのでこれだけにしておきますが、一般的な研究者の方とはちょっと違う経歴を辿って来ているような気はします。
Commented by stochinai at 2007-07-05 12:23
 おそらく重複してコメントを送ったので、消していただいて良かったです。お気遣い、ありがとうございます。

>ちょっと違う経歴
 というところが評価されたのかもしれませんね。実はアカデミックポストでも現在は、昔のようにひたすら研究業績だけで採用するというところは減ってきているような印象も持っています。

 時代(評価基準)はどんどん動いていますので、職探しの博士・ポスドクはたいへんだと思います。
Commented at 2007-07-05 13:00 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by C at 2007-07-05 14:09 x
私は修士課程を終了した後に地方大の助手に就職しました(6年前)。
私の業界(いちおう医学系)ではそのような人はいまだにぱらぱらと存在します。ただ、助手が助教に変わってからは博士号の所得を必須とする大学が増えているかも知れませんが。
Commented by C at 2007-07-05 14:12 x
このような就職では勿論コネクションが重要になってきます(というよりも、ポスドク、助教の就職でもそのような要素は重要でしょうが)。
知合いの教授はコネに対して好意的な考えを持っています。公募よりも確実に良い人材を雇うことができると考えているようです。
Commented by Motomu Shimaoka at 2007-07-05 14:57 x
stochinaiさん、
「ポスドクの本来の強みとは」
でトラックバックさせていただきました。
島岡
Commented by stochinai at 2007-07-05 16:55
 島岡さん、ありがとうございました。「苦悩する博士たち」の方から、リンクを張らせていただきました。おっしゃるとおり、攻めの姿勢も大事ですね。
Commented by 該当者 at 2007-07-06 09:59 x
私は「10年以内にアカデミックポストに2度就いた人」です。コネがあったとは、少なくとも自覚はしていませんが、ポスドクを2年終えた時点で地方国立大(当時)の助教授に採用されました。採用後に伺った話と、私自身が加わった人事委員会での内情から、私が採用されたのは(1)先方が担当してほしかった講義科目に該当する研究分野だった、(2)研究業績が先方の大学で設定してた助教授に必要な基準(内規)を満たしていた、ことが大きな理由だったと分かりました。

つぶやき先生もご存知と思いますが、多くの大学では、自然科学系の助教授になるためには最低15編(とか20編とか)の査読付き原著論文が必要とする内規があります。私の人事の場合、応募者総数は約40名だったそうですが、上記2条件を満たす応募者は2名しかおらず、私のほうが若かったそうです。そして、私と同じ分野の教員が少ないために、研究業績の質に対する評価はほとんどおこなわれなかったそうです(1stか、英語の論文か、という程度)。
Commented by 該当者 at 2007-07-06 09:59 x
2度目の採用でも、やはりコネはありませんでしたが、教育歴や学内活動歴をアピールしたところ、別の大学の助教授に採用されました。上記基準を満たす応募者が少なかったことは前回同様であり、さらに経験者であることが有利に働いたようです。最初の採用後、研究業績の上積みはできていませんでしたが、教育や学内活動はきちんとこなしたつもりなので、そのあたりの人物評価を私の知らないところでおこなったようでした。
Commented by stochinai at 2007-07-06 12:48
 Cさん、ありがとうございました。
 思い出しましたが、私のいた動物学教室からも医学部の解剖学の助手になったかたが、けっこういらっしゃいました。医学部でも解剖だと理学部出身でも、助教授にはなれることが多かったようですが、さすがに教授になるのは難しいという話も記憶にあります。確かに、そのルートは常に一本釣りで、公募などという話は聞かないですね。そういう場合は、推薦する側の信用問題にかかわることもあり、それほど予想外の結果にはならないということなのでしょうか。
Commented by stochinai at 2007-07-06 12:54
 該当者さん、ありがとうございました。
 たとえ地方国立大とは言え、公募で集まった40名のうち、条件を満たす業績のあった応募者が2名しかいなかったというのは衝撃です。おそらく、公募条件として明示されていなかったということなのかもしれませんが、なんだかフェアではないような気がします。(38名の人は出すだけ無駄だったということになります。)

 2度目の場合は、職歴がものを言ったということですが、ここでも基準を満たす応募者が少なかったということに、またまた驚きました。

 最近は、准教授や教授の公募でも数十人から100人の応募があるという噂を良く聞きますが、その中のほとんどの人が基準以下だということになるのでしょうか。なんだか、キツネにつままれたような気分です。
Commented by 該当者 at 2007-07-06 15:03 x
私は上記の「内規」の存在を知らない人が多いのではないかと推察しています。業績数が内規を満たさない人は超一流誌にでも業績がないと助教授としては採用されないはずですが、数編しか研究業績がないポスドクの人にも「無邪気に」助教授人事に応募したり、「相変わらず」一流誌を目指して良い論文を書くことにしか関心をもたない人が多いのです。私はできるだけ多くの人に助言していますが、私自身も含めて、ポスドクのほとんどの人が「内規」の存在を知りません。大学への就職情報は、各教員が院生に明確に伝えるべきだと思います。
Commented by stochinai at 2007-07-06 16:34
 そうでしたか。それは貴重な情報をありがとうございました。まあ、論文の「数」だけを判断基準にするというのもどうかと思うのですが、現実問題としてそれをルールにしている組織がたくさんある以上、それを知り、対策を立てるということもキャリアパスにとっては重要な作戦になります。また、無駄な応募を防止するために、採用する側でももっと情報を提供する必要があると思います。(採用されるはずがない人の条件についての情報提供です。)
Commented by M at 2007-07-06 17:09 x
私の場合は、ポスドクの時に流行ものの論文をいち早く出したら、声がかかりました。よく見ればその前はろくな論文書いてなかったので、運だけの奴だと分かったと思うのですが、、。
Commented by stochinai at 2007-07-06 17:31
 すごい論文を書いた人が、バタバタと何人か日本のあちこちで採用された時期もあったように記憶しています。しかし、その後NatureやScienceなどに論文を持つポスドクの数も急増して、その威光も急速にしぼんでいるのが現状ではないでしょうか。
Commented by at 2007-07-07 01:50 x
いつも興味深く読ませて頂いております.私は工学系で現在ポスドクをやっており今回の話題は他人事ではありません.まだアカデミックポストについたことはありませんが,周囲の傾向を書いてみます.工学系ということでstochinaiさんの周辺とはかなり事情が違うかも知れません.
助手(助教)までは出身研究室やその周辺のコネが比較的多い気がしています.私も一本釣りの声がかかったことが何回かあります.また学振以外のポスドクも同様です(教授の参加するプロジェクトで雇う等).その先はそのまま上がることはあまりなく,准教授や国研常勤ポストの公募にガチ応募するケースが多いようです.しかしいずれの場合も全く見知らぬ人間を採ることは稀で,学会等で事前にある程度顔を覚えてもらわないと厳しいはずです.理学分野と比べて一般に論文数が少ないせいか,論文数の縛りはそれほど厳しくありません(もちろん数が多いほうが有利ではありますが).
Commented by Site at 2007-07-07 05:14 x
わたしは今の期限付きの職に変わる前に8件の助教授公募に応募しましたが、論文数(13報)の少なさが災いしたのか、面接までに至ったのはたった一件でした(最終面接で落とされました)。助手であった5年で責任著者の論文を4編出しており(もちろんそれ以外の論文も同じくらいあります。また責任著者論文のうち2報はいわゆる一流紙です)、自信もあったのですが、箸にも棒にもかからない状態でした。

研究資金もそれなりにあるので現状に不満はないのですが、community での評価と大学人事は必ずしも一致しないように思います。上記の公募はいずれもほとんど知り合いのいないところに出したものなので、やはり評価してもらえる人がいないところに就職するのは難しいのかもしれません。

ちなみに、助手で就職できたのは、知り合いの方の推薦があったからです。業績の質・量が揃っている人なら問題ないのでしょうが、そうでなければ、事前に対策を練る時間があるならまだしも、自分をアピールできる時間がないような短期勝負は難しいのでしょう。
Commented by stochinai at 2007-07-07 16:42
 Pさん、Siteさん、コメントをありがとうございます。

 いずれの場合も、人事というものの複雑さ、難しさがにじみ出る文章だと感じました。コネとまではいかなくとも、その人となりを含めて学術コミュニティで「認知」されていることは重要だとしても、その後の個別大学の人事の結果が「客観的に予想可能」なものではないということは一般的に言えるのかもしれません。
 しかし、そうなると応募する側はかなり大変だと思います。もう少し、予想可能性というか「透明性」がなんとかなると良いのでしょうが・・・。
Commented by n at 2007-07-09 07:24 x
地方で准教授をやっております。人事に関わることもあります。最近は非常に多くのポスドクの方々が応募してきますが、まず業績が全く足りない人で半分は切れます。また、研究はある程度できそうに見えても、教育経験が全く無いのに准教授に応募する人も多く、そういう人はまず採れません。さらに、競争的資金をとった経験が無かったり(学振PD含む)すると、これもまた安心して採用できません。
 言いたいのは、研究能力のあるポスドクはある程度いますが、教育や大学運営までできそうな人材は少ない、ということです。若いうちに准教になり、経験を積むことが次のステップになるでしょうし、ポスドクから准教授に応募するなら、相応の経験を積んでからにしてほしい、と思います。厳しい時代なのに自信過剰なポスドクが多い印象です。
Commented by inoue0 at 2007-07-09 18:33
>経験を積むことが次のステップになるでしょうし
 それはどのような経験を指しますか?論文数が何よりも重要であるなら、ひたすら実験室に張り付いてデータを出して論文を書くだけで精一杯でしょう。
 非常勤講師のクチがポスドクにも回ってくるなら、教育経験になるのかもしれませんが、あまりそんな話は聞いたことがありませんし。
 昔のように助手(助教)に院卒後すぐなれるならともかく、それすら難しいのですから、教育経験など積みようがありません。
 結局、競争が激化しすぎて、ハードルが高くなって飛び越しようがないってことではないでしょうか。
Commented by 匿名希望 at 2007-07-10 00:02 x
無記名で失礼します。
ポスドク時代に「代講」はつとめましたが、講義を担当する資格はありませんでした。今は代講すら認められないのかもしれません。非常勤講師の依頼があり、所属先と交渉したものの「専任義務」のため、断らざるを得ませんでした。私自身の体験です。
ボスの新たな分野開拓目的のプロジェクトのため、自分のそれまでの経験ともボスの経験とも異なる手法で、装置のデザインからひきうけ、ようやく軌道に乗せると、後はボスの学生に引き継いで、プロジェクト終了とともにその場を去る。これもあるポスドクの現実です。
その短期評価で、「長期的に必要な人材と認められない」実力だったといえば、それまででしょうが。
Commented by kk at 2007-07-10 05:21 x
そうか、日本では、ポスドクは助手(助教)になるためのものなのですか。経験を積んでからと言うならば、公募の際の年齢制限をはずしてほしいなあ。自信過剰なポスドクはいけませんか。
Commented by alchemist at 2007-07-10 12:40 x
kk様
名称だけですが助教と変更して独立して研究できるようにした(但しスタートアップの資金の裏付けはありません)のは米国のassistant professorにあわせたモノでしょう。年令制限をつけるかどうかは個別の募集によるのではないでしょうか?私は年令制限を付けたことはありません。もっとも、これまで4回行った人事は自分で研究をやっていることを良く知っているヒトを採用してますので公募したことはありませんが。
知人の大学ではポストドックが教授選考の最終段階まで残ったこともあるそうですし、私は別に自信過剰のポストドックがダメとは考えていません。論文を読みこなす力があれば、違った分野の学生相手の講義くらいはできるようになるのが普通でしょうし。まあ、こういう意見が多数派かどうかは存じませんが。
Commented by kk at 2007-07-10 14:59 x
alchemist 様、ありがとうございます。どこの世界で生きていくにしても人のつながりは確かに大切ですね。腐らずもう少し頑張ってみようと思います。
Commented by alchemist at 2007-07-10 17:11 x
kk様
がんばって下さい。
平凡なことしか言えませんが、人事というのは採用した責任の大半は採用した側にあると考えていますが、その結果は好むと好まざるとにかかわらずお互いが分担することになります。より良き結果を分担できるように・・・と考えると、自分の知っている中でベストの人材を選ぶということになります。私たちもヒトのつながりを大事にします。これは日本でもアメリカでも変わらないのではないでしょうか?
Commented by kk at 2007-07-11 04:28 x
alchemist様。 ありがとうございます。どこにいっても人のつながりの大切さを痛感します。アメリカにきてまだ3年程ですが、いろいろな人を見ていて、何かを長く続けている人は、それなりの人脈をつくっていて、それをきちんともち続けていくための信用を失わないような努力をしているようにみえます。
Commented by t at 2007-07-16 22:46 x
ポスドク1年足らずで、地方の公研究所です。
後にも先にも1回だけ公募したらしくて、たまたまそれに応募して採用されました。
アカデミックポストでは有りませんが、学生を数人受け持っています。
よほど大きな研究費でも当たらない限り、自分の好きな研究は出来ません。
アカデミックでもなく、利益追求とも言えず、誰ともなしにこう言う様になったようです。
「アカデミックは夢。企業は現実。公的研究所は悪夢」
まったくですよ。クビにならないのだけがありがたいです。成果を出したい。
Commented by stochinai at 2007-07-16 23:37
 t さん、コメントありがとうございました。

 ポスドク1年足らずで、とりあえず定職に就けたのですから、必ずしも「悪夢」だけではないのでは。しかも、1回で採用とは、やはり「幸運」でもあったと思います。しかも、「成果」が出せる可能性があるのでしたら、それはやはりやりがいのある職場でもあるような気がします。「好きな研究」というのは人によって違うかも知れませんし、「研究が好き」という人もいます。同僚も同じような感じで採用されておられるのでしょうか。ちょっと興味があります。
by stochinai | 2007-07-05 10:27 | 科学一般 | Comments(29)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai