2007年 07月 22日
市民は映像メディアを使いこなせるか
今日は日曜日だというのに、それも朝9時半からCoSTEPの公開講演会「下村健一と語る映像メディアの可能性」に参加させていただきました。M姫さんのところには、さっそくレポートが出ています。
おもしろくためになる話をたくさん聞くことができたのですが、いくつか記憶に残っているところを思い出しながら、感想などを書いてみたいと思います。
まず最初におっしゃったことは、さすがテレビの人だけあって、どうやって視聴者をつかまえて話を聞いてもらうかということについてでした。知り合いならば、ダラダラした話でも聞いてくれるかもしれないけれども、不特定多数に対して発信されている場合には、ちょっとでも「隙」を見せると相手は去ってしまうので、いかにしてそれを阻止するのかということに心を砕かなければならないということでした。
これは、必ずしも学習意欲満々というわけではない学生を相手に講義をしていて、私が日頃感じていることと符合します。そもそも、おもしろくない講義だと学生の出席率が悪いだけではなく、途中で退出されてしまうこともありますし、身体は教室にあっても眠ったり、内職を始めたりするものが続出します。そういうことを阻止して、講義に集中させ続けるためには、テレビなどのメディアで使われているテクニックはとても参考になります。90分間、(権力を使って脅したりせずに)講義の内容のみで勝負して、眠らせずに全員の目をこちらに引き続けさせようと思ったら、かなりの技術と準備が必要になります。
最近は、講義の中でも動画を使うことができるようになりました。静止画でも文字よりははるかに訴える力が強いのですが、学生の緊張が続かなくなりそうな時に、適切な画像を挿入することができれば、効果は絶大なものがあります。
それから、ダラダラとつまらない前置き話をしてはいけないということも耳が痛かったです。講義や講演などでは、ついついこちらのエンジンがかかるまで、つまらない前置きの話をしてしまうことが多いものですが、確かに聞きたくもない前置きをやっているうちにお客さんがいなくなってしまうというのはその通りでしょう。正しい前置きというのは、その後に来る大切な話や結論が入るべきスペース(鋳型?)を心(脳)に準備させたり、その理解の前提となる「補助線」を引くようなものでなくてはならないというアドバイスは心に残りました。今度、やってみたいと思います。
それからもう一つ、一番大切なことを最初に話すということも大事なアドバイスでした。
我々の世界では、コンピューターが進歩してプレゼンテーションソフトが使えるようになって、気軽に画像が使えるようになり、さらには映像も使えるようになってきて、講義が劇的に変化しました。さらにインターネットが使えるようになったことで、講義室が世界に開放されたものがe-ラーニングでしょう。同じように、日本各地の地域コミュニティで行われていたミニコミが、映像をともなって世界に開放されたということが、下村さんのおっしゃる市民による「映像メディア」ということなのでしょう。
どんな情報を発信するにしても、まずは文字と映像を使いこなすためのリテラシーを身に付けることが必要になります。今日の話で、下村さんがおっしゃっていた「何でもいいから、まず撮してみること」ということの裏には、まずはともかく使いこなせるようにならなければ何も始まらないということだと思います。
機械や技術などは必要になれば使えるようになる、ということも一面の真理なのかもしれませんが、いつ何時必要になるのかわからないことも多いでしょう。また、緊急に必要になった時には、のんびりと使い方を学んでいる余裕などないでしょうし、ぐずぐずしているうちにチャンスも情熱もどこかに行ってしまうことにもなりかねません。
発信する情報に心を砕くよりも、まずは発信する技術を身に付けること、それが下村さんからのメッセージだと受け取りました。
おもしろくためになる話をたくさん聞くことができたのですが、いくつか記憶に残っているところを思い出しながら、感想などを書いてみたいと思います。
まず最初におっしゃったことは、さすがテレビの人だけあって、どうやって視聴者をつかまえて話を聞いてもらうかということについてでした。知り合いならば、ダラダラした話でも聞いてくれるかもしれないけれども、不特定多数に対して発信されている場合には、ちょっとでも「隙」を見せると相手は去ってしまうので、いかにしてそれを阻止するのかということに心を砕かなければならないということでした。
これは、必ずしも学習意欲満々というわけではない学生を相手に講義をしていて、私が日頃感じていることと符合します。そもそも、おもしろくない講義だと学生の出席率が悪いだけではなく、途中で退出されてしまうこともありますし、身体は教室にあっても眠ったり、内職を始めたりするものが続出します。そういうことを阻止して、講義に集中させ続けるためには、テレビなどのメディアで使われているテクニックはとても参考になります。90分間、(権力を使って脅したりせずに)講義の内容のみで勝負して、眠らせずに全員の目をこちらに引き続けさせようと思ったら、かなりの技術と準備が必要になります。
最近は、講義の中でも動画を使うことができるようになりました。静止画でも文字よりははるかに訴える力が強いのですが、学生の緊張が続かなくなりそうな時に、適切な画像を挿入することができれば、効果は絶大なものがあります。
それから、ダラダラとつまらない前置き話をしてはいけないということも耳が痛かったです。講義や講演などでは、ついついこちらのエンジンがかかるまで、つまらない前置きの話をしてしまうことが多いものですが、確かに聞きたくもない前置きをやっているうちにお客さんがいなくなってしまうというのはその通りでしょう。正しい前置きというのは、その後に来る大切な話や結論が入るべきスペース(鋳型?)を心(脳)に準備させたり、その理解の前提となる「補助線」を引くようなものでなくてはならないというアドバイスは心に残りました。今度、やってみたいと思います。
それからもう一つ、一番大切なことを最初に話すということも大事なアドバイスでした。
我々の世界では、コンピューターが進歩してプレゼンテーションソフトが使えるようになって、気軽に画像が使えるようになり、さらには映像も使えるようになってきて、講義が劇的に変化しました。さらにインターネットが使えるようになったことで、講義室が世界に開放されたものがe-ラーニングでしょう。同じように、日本各地の地域コミュニティで行われていたミニコミが、映像をともなって世界に開放されたということが、下村さんのおっしゃる市民による「映像メディア」ということなのでしょう。
どんな情報を発信するにしても、まずは文字と映像を使いこなすためのリテラシーを身に付けることが必要になります。今日の話で、下村さんがおっしゃっていた「何でもいいから、まず撮してみること」ということの裏には、まずはともかく使いこなせるようにならなければ何も始まらないということだと思います。
機械や技術などは必要になれば使えるようになる、ということも一面の真理なのかもしれませんが、いつ何時必要になるのかわからないことも多いでしょう。また、緊急に必要になった時には、のんびりと使い方を学んでいる余裕などないでしょうし、ぐずぐずしているうちにチャンスも情熱もどこかに行ってしまうことにもなりかねません。
発信する情報に心を砕くよりも、まずは発信する技術を身に付けること、それが下村さんからのメッセージだと受け取りました。
そういえば少し前からtwitterでusteamという新しい動画サービスが話題になってます。簡単に言うと「webカメラさえあればすぐに動画アップできるサービス」です。ぼくは未だ実際にアップしていないのでよく分からないのですが、反響を見ているとyoutubeなどよりもアップが楽にできる(ライブ感が楽しめる)といった感じがします。公開講義関連だとpodcast、簡易性だとjoost辺りの流れが対youtubeの最右翼かと思ってたんですが、意外とこの辺からデファクトが崩れていくのかもしれません。(以下、関連エントリです)
メディア・パブ: ギークがはまるサービス,“Twitter”の次は“Ustream”か
http://zen.seesaa.net/article/38854619.html
devlog.holy-grail.jp - Ustream.tvが非常におもしろい件
http://d.hatena.ne.jp/HolyGrail/20070721/1185049493
UStream.tvとtwitterでニコニコ動画ってみた、あとJavaScript→ActionScriptブリッジの更新:TKMR.blog.show
http://blog.tkmr.org/tatsuya/show/362-ustream-tv-twitter-javascript-actionscript
メディア・パブ: ギークがはまるサービス,“Twitter”の次は“Ustream”か
http://zen.seesaa.net/article/38854619.html
devlog.holy-grail.jp - Ustream.tvが非常におもしろい件
http://d.hatena.ne.jp/HolyGrail/20070721/1185049493
UStream.tvとtwitterでニコニコ動画ってみた、あとJavaScript→ActionScriptブリッジの更新:TKMR.blog.show
http://blog.tkmr.org/tatsuya/show/362-ustream-tv-twitter-javascript-actionscript
0

先日、ある資格の更新のために講座を3コマ受けました。大学の先生と元官僚・弁護士さんと業界の人。
講師の人柄にもよるのかもしれませんが、弁護士さんはさすが元官僚だけあって裏話が面白かったし、業界の人も普段は聞けない業界の実態についての話で、面白い講義でした。
で、大学の先生が前置きが長く一番時間配分がヘタで、「結論」までいきつかないまま終了・・・( ̄▽ ̄)。o0○
おもわず、アンケートにキツイ言葉を書いてしまいました。
「一番大切な事を最初に話す」って、大事ですね。これからの話が何に向かって進んでいくのかが判りますもの。
講師の人柄にもよるのかもしれませんが、弁護士さんはさすが元官僚だけあって裏話が面白かったし、業界の人も普段は聞けない業界の実態についての話で、面白い講義でした。
で、大学の先生が前置きが長く一番時間配分がヘタで、「結論」までいきつかないまま終了・・・( ̄▽ ̄)。o0○
おもわず、アンケートにキツイ言葉を書いてしまいました。
「一番大切な事を最初に話す」って、大事ですね。これからの話が何に向かって進んでいくのかが判りますもの。
by stochinai
| 2007-07-22 22:38
| CoSTEP
|
Comments(2)